山梨県のまつのベジフルサポーター&ジュニア野菜ソムリエの藤原恵里です。
今日は信州の伝統野菜についてご紹介させていただきます。
山梨で生まれ育った私ですが2年間長野県に住んだ経験もあり、今も車で10分ほど走れば県境を越えて長野県へすぐに行けるので信州はとても馴染みがあり山梨と同じくらい大好きです。私にとって思い入れのある信州、実は、長野県が認証している伝統野菜が70種以上もあるのをご存知ですか…?
先月、おいしい信州ふーど(風土)アカデミー全体研修会が長野県松本市で開催され、私も参加してきました 。長野県が認証している信州の伝統野菜、年内には71種類になるそうです。詳細はこちら→ 信州の伝統野菜 選定リスト
選定基準は、昭和30年代以前から栽培されている品種、信州の食文化を支える行事食・郷土食に使用、野菜固有の品種特性が明確になっているの3点をクリアしているものが信州の伝統野菜として認められています。
当日、会場では、北信地域の中野市や信濃町に伝わるぼたんこしょうに出会えました!
パプリカのようなベル型で、肉厚な果肉は柔らかく、ちょっと辛味があります。丸焼き、味噌漬け、天ぷら、煮物など、様々な調理法で味わえます。
真上から見ると、まるで牡丹の花のよう!そのため、ぼたんこしょうという名が付いたといわれています。
斑尾ぼたんこしょう保存会の方にお聞きしたところ、現在、14人の生産者の方が栽培しているそうです。収穫期は8〜10月、北信地域の標高750〜850mの場所でしか栽培できないということで、生産量にも限りがあり、地域外では流通していないそうです。食感はピーマンに似ていて、種とワタに辛味があるとのこと。
そんなぼたんこしょうを知ってもらいたいと、同会では積極的に加工品を開発し、直売所などで販売しています。ピリッとした辛みが味噌によく合うぼたんこしょう味噌
キノコの生産量が多い長野県、ぼたんこしょうとなめ茸のコラボ ぼたんこしょうなめ茸
こんなキャラクターもつくりPRにも力を入れています。
ちなみに、このぼたんこしょうは、【やたら】という名の郷土料理に使われるそう。冠婚葬祭に欠かせないという伝統食の【やたら】は、こんなお料理です→ ぼたんこしょう入り「やたら」
私も産地を訪ねて、現地で実際に食べてみたいです!
さて、こちらは南信地域の天龍村の伝統野菜 ていざなす
一見すると普通のナスのようですが…実は、25〜30cmもの長さがあるとても巨大なナスなんです大きいものは1kgにもなるそうですよ!
明治20年頃、田井澤久吉氏が東京から取り寄せた巾着型のナスが起源といわれています。「たいざわなす」がなまってていざなすと呼ばれるようになったとか。
果皮は赤紫色でマットな感じ。とても柔らかな肉質で、加熱するととろけるような食感。焼きナスが定番だそうですが、アクが少ないので生食も可能。
収穫期は7〜11月、年々生産量が増えていて、現在は県外にも出荷されています。私も長野県原村の直売所で見つけて購入することができたので、揚げ浸しにしたり、オリーブオイルでソテーして美味しくいただきました!
北、南、中央アルプスといった高い山々に囲まれている信州、その中でもごく一部の限られた地域で大切に育てられ受け継がれてきた個性あふれる伝統野菜。
昨年の平均寿命ランキングで長野県が男女とも1位になったのも野菜が豊富な地域ゆえに、野菜を愛し、大切に育んできた県民性が根づいているからでしょう。
そんな信州の伝統野菜の魅力に触れ、私はますます長野県が大好きになり、地域独自の固定種をもっと知りたいし、実際に食べてみたいと思います。
これからも信州の伝統野菜の種を大切に守り、受け継いでほしいと心から願っています…!