皆様、こんにちは。山梨県のまつのベジフルサポーターの藤原恵里です。
さて、今回は山梨発の個性派野菜、【甲州天空かぼちゃ】をご紹介いたします。
生産者さんとのご縁をいただき、先日、圃場を見学させていただきました。2009年から栽培がスタートした【甲州天空かぼちゃ】。使われなくなった葡萄棚を利用し、蔓を葡萄棚に這わせて育てる面白い栽培方法です。
圃場に到着すると…
カボチャが宙に浮いてる〜〜っっ!!
たくさんの大きなカボチャがぶら下がっている様子に驚きましたー!
しかも、一つひとつ丁寧に傘かけまでしてあります。日光に当たると茶色くなって、その部分が硬くなってしまうことから、こうして傘をかけることで、日焼けを防いでいるそうです。
このカボチャの品種は【九重栗】。他にも【坊ちゃん】【くりりん】の3品種を生産しています。
それにしても、通常なら地這いのカボチャをどうして棚栽培にしたのでしょうか…?
それは、カボチャが地面と接すると変色や変形の原因になります。こうした棚栽培だと、形が綺麗で色も均一な美しいカボチャが出来上がるのです。
でも、こうして1本1本カボチャの蔓を支柱に誘引して、しっかりと固定し、ブドウ栽培のように傘かけまで行うなんて…とても手間がかかりますよね。
しかも、苗1本に対して1個しか実をつけないため、地這いに比べると、収量は激減してしまいます。でも、数多く収穫できる地這い栽培は、味にバラつきが出てしまうようで、棚栽培で育ったカボチャは甘みが凝縮した品質の良い実が収穫でき、味のバラつきが無いため、常に最高品質のカボチャを出荷することができるそうです。
果樹で有名な山梨県峡東地域で、収益性のある面白い野菜づくりを!…と、甲州天空かぼちゃ生産組合を立ち上げ、果樹栽培の傍ら、遊休葡萄棚の再利用を目指し、甲州天空かぼちゃの生産〜加工に取り組んでいる廣瀬隆さん
農業で地元を元気にしたい!という強い想いを抱き、甲州天空かぼちゃを山梨の特産品として、ブランドとして、名前を浸透させていきたいとPRに努めています。
「1次産業の大切さを実感している。アイディアを出し合い、地元を活性化していくことで、山梨の農業を元気にしていきたい。例えば、今年2月の記録的大雪のように、今後、災害が起こった場合、地元の農業だけで食べていけるような強い自治体になるには、やはり農業がしっかりしていなければならない。そして、農業が元気になることで山梨全体が元気になっていけば」と仰っていた廣瀬さん。
果樹の新規就農者に向けて、ブドウが収穫できるようになるまでの5年間の収入の選択肢の一つとして甲州天空かぼちゃの栽培も検討してほしいと話しています。
現在は10人の生産者さんが栽培していますが、生産量が需要に追いつかないほど人気が高まっているようです。今後はさらに生産量を増やし、ニーズに応えていきたいとのこと。
甲州天空かぼちゃは、いよいよ今シーズンも収穫時期を迎えました。
山梨発の個性派野菜、今後、ますます注目を集めそうです!