- 03-5753-3728 受付時間 10:00~17:00
皆様こんにちは。岩手県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ上級プロ、アンチエイジングプランナーの千田広子です。
長い冬が終わり、草木も一気に芽吹き、百花繚乱の春がやってきました。私の家業は種苗店のおかみさん。春はじゃが芋から始まり、里芋、長芋、さつま芋と続きます。車社会により人の流れも変わり中心商店街は寂しくなりましたが、我が家は4月5月に苗販売でハイシーズンを迎えます。そんな忙しい時期を乗り越えるために大事なのが毎日の食事。ご飯とおかずが一緒に摂れる手軽さや、副菜との栄養バランスの良さから度々登場するのが「炊き込みおこわ」・「炊き込みご飯」・「混ぜご飯」でした。
おこわは漢字表記では「御強」もち米を蒸した米飯。「強飯(こわめし)」とも呼ばれ、うるち米を炊いたご飯に比べて硬いことからわかるような気がしますね。炊飯器で作る味付けごはんは「後混ぜタイプ」「炊き込みタイプ」があり、もち米との比率や具材でバリエーションが楽しめます。今回は季節の食材と合わせて紹介していきましょう。
4月になるとネギ苗を求めてお客さんがたくさんやってきます。老夫婦が手作業で50本ずつ束ねて行く作業は身体にきつく一日で作れる数には限りがあります。気前のよいご夫婦で50本でお願いしているのに本数が多く入っていることの方が多いです。
春に2本ずつ畝に寝せて植え、お日様に向かって伸びるに従い土寄せしていくことで自然に曲りが形成され、冬には「一関曲りねぎ」として土付きの贈答品になるのですが、植えたネギを、一旦真夏の土用の頃全部抜いて再び植え直す「さくりかえし」という作業があります。うだるような暑さの中のでの植え替え作業は人にもネギにも過酷ではありますが、自然環境に耐えたものだけが持つ甘みや旨みのもとになるのです。
商品にならなかった細いネギは「酢味噌で食べると美味しいよ」ときれいに洗って頂戴しました。今回はおこわにも入れました。
「ネギのおこわ」
材料:
もち米2合
豚バラスライス100g
普通のネギ1本程度
コンソメキューブ1/2個
塩小さじ3/2
五香粉(中華の香辛料で独特の香り)少々
黒コショウ 適量
洗ったもち米は炊飯器のおこわの目盛のラインよりやや下位の水加減で1時間程度吸水させて普通に炊きます。その間他の副菜の準備ができます。炊きあがり近くになったら、フライパンで上記の具材を炒めて味付けし炊きあがったご飯にかき混ぜるだけという時短メニューです。ただし、もち米は保温にすると柔らかく固まってしまいますので、炊きあがったらすぐ炊飯器から釜を取り出し余熱が入らないようにします。
五香粉はファイブスパイシーパウダー。料理のポイントですので是非中華食材コーナーでお求めくださいね。ただし入れ過ぎにはご注意を。ネギと黒コショウをアクセントに。
アンチエイジング食材として注目されているえごま、人間の体内では合成や蓄積できないオメガ3系必須脂肪酸のαリノレンが豊富。体内ではEPA、DHAに変換されることから人気が急上昇。岩手にはえごまをペースト状にして餅やハットなどに絡めて食べる習慣があります。実家の母がクルミをペースト状にしてご飯に炊き込んでいたことを思い出して、えごまご飯に。えごまはフライパンで乾煎りし、滑らかになる迄擦ります。画像は少し荒いので滑らかになる迄もう少しですね。
「えごまご飯」
材料:
もち米2合
えごま50g
醤油大さじ2
みりん 砂糖各大さじ1
塩少々
ペースト状にしたえごまに味付けし水を少量加えて伸ばします。水で伸ばしたペースト汁に足りない分の水を加え印通りの水加減にして炊きます。炊きおこわの吸水は1時間程度で大丈夫。今日はクルミをトッピングしました。炊きあがったらすぐに炊飯器から釜を取り出し余熱が入らない様にします。
くるみもまたアンチエイジング食材、くるみに含まれるαリノレン酸が、血液中の脂質濃度を下げ悪玉コレステロールや中性脂肪を下げる働きのあるEPA、DHAに変換されます。
「くるみおこわ」
材料:
もち米2合
くるみ40g
醤油大さじ2
砂糖大さじ1強
塩少々
1時間ほど吸水させたもち米をおこわの印より少し少なめの水加減で普通に炊きます。おこわ機能や早炊き機能があればその方が良いですね。炊きあがったご飯に醤油、砂糖、塩、クルミを合わせておいたものをかき混ぜるだけ。炊きあがったらすぐに炊飯器から釜を取り出し余熱が入らない様にします。
春は菜花の季節。毎日いろんな種類の菜花をいただいています。 こちらは新顔野菜「アレッタ」青汁で有名なケールとブロッコリーの交配種。イタリア野菜みたいな名前ですが、三重県で生まれ平成23年に品種登録されたなばなの一種。特筆すべきはその栄養価、ブロッコリーと比べてカロテンは蕾で3倍葉で9倍、ビタミンkは蕾で3倍葉で5倍、ナイアシンは蕾で3倍葉で2倍という優れもの。画像は名残の時期のものです。
茹でるとブルーム(寒さなど環境から身を守るためのロウ物質)が消えて色鮮やかに変身!甘く味が濃く感じます。花も葉も茎もみんな美味しくいただけます。
「鶏団子となばなの混ぜご飯」
材料:
米2合
鶏ひき肉150g
擦りおろし生姜適量
酒 大さじ1
塩・コショウ 少々
鶏団子をご飯と一緒に炊き込むことで時短に。鶏ひき肉をボールに入れ粘りが出るまでグルグルとかき混ぜ空気を抜き小さく丸めた鶏団子を、炊飯器に通常通りの水加減で仕掛けた米の上に並べ炊きます。米にも酒と塩少々入れます。(分量外)
なばなの蕾部分は1センチに切りゴマ油で炒め塩と中華ダシ少々で味付けし、炊きあがったご飯に加えてかき混ぜ黒コショウを効かせました。スナップエンドウを添えて。
さあさあ、タケノコの季節がやってきました。竹冠に旬と書くと筍(タケノコ)なんておもしろいですよね。まだ岩手には旬のリレーのバトンは届いておりませんので画像は昨年のもの。一気にお客様から10本10本なんていただくと、夜な夜なタケノコ茹でをすることになります。二人家族なので、下茹後は配ったり冷凍作業に。
タケノコご飯、ちらしずし、酢豚、青椒肉絲、煮物、餃子など用途に合わせて切り、軽く味付けしてから小分けして冷凍しておきます。
「タケノコと鶏の炊き込みご飯」
材料:
米2合
鶏もも肉1枚
タケノコ 適量
ニンジン 適量
醤油 大さじ2
みりん・酒 各大さじ1
塩少々
だし汁
冷凍していたタケノコと鶏もも肉と人参を煮て、炊飯器に洗った米を入れ煮汁とだし汁で普通の水加減にした後、具材を上にのせて炊きます。煮汁はザルで漉すと水加減での失敗はありません。また、絶対にかき混ぜないことがコツです。
炊きあがったご飯はよくかき混ぜ、塩茹でグリンピースを散らしてできあがり 。もち米を少し入れた方がおいしいですね。その時の気分でもち米の量を加減して楽しめます。
カリカリぽりぽり、大好きな炒り大豆を使って、黒豆ごはんに。
「黒豆ごはん」 米は普通の水加減にし黒豆を乗せて炊きます。炒ってあるので香ばしく、ほんのりと色付き優しいお味に。
「フライパンで炊き込みビビンバ」
材料:
米1合
焼肉のたれで下味を付けた牛細切れ100g
A(ゴマ油大さじ1 醤油小さじ1 塩小さじ1/3 ニンンク、ネギのみじん切り少々 コショウ少々)
豆もやし60g
人参千切り50g
ニラ1/2袋
フライパンに米を入れ200ccの水とAを入れて混ぜ、肉を乗せ、豆もやし、人参を乗せ、蓋をして沸騰したら中火で5分弱火で5分加熱し10分蒸らします。途中でニラを乗せて蒸らしかき混ぜ、仕上げに炒りごまを振りかけます。 フライパンで少し焦げ目をつけると風味もよく、かき混ぜると目にも鮮やかに。カラフルな野菜を同時に食べることでいろんな栄養素が供給され、その相乗効果にも期待ができます。
商売をしながら毎日の昼食を家で摂るための工夫のひとつとして、今回は炊き込みご飯を紹介させていただきました。炊きおこわは炊きあがったら保温は禁物という注意事項がありますが、皆さん、何か気になるご飯はあったでしょうか?もっといろんな種類がありますので、またの機会に続編で紹介しますね。お楽しみに。
以上岩手県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ上級プロ、アンチエイジングプランナー千田広子のレポートでした。