まつのベジタブルガーデン

沖縄県一株食べると一日寿命が延びる?!「長命草」サクナ

ベジフルレシピヒント集

みなさま、こんにちは!沖縄県のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロの齋藤珠美です。

暖かくなると同時に、雨で大地に潤いが増してくるうりずんの季節。うりずんの語源は「潤い初め(うるおいぞめ)」で春分から梅雨入りまでの時期をいいます。若葉がいっせいに咲き、草花の彩りも増し爽やかな日々、サクナもその潤いとともに生命力に満ちあふれています。


沖縄の伝統的農産物のひとつで、沖縄方言で「サクナ」と呼ばれ、葉が牡丹の花に似ていることから和名では「ボタンボウフウ(牡丹防風)」。また、八重山地域では薬用としても珍重され「一株食べると一日長生きする」長寿につながる薬草として「長命草(チョーミーグサ)」とも言われています。

沖縄諸島や与那国島に分布しており、海沿いの岩場などに自生していますが、現在では家庭の庭で育てられていたり栽培もされるようになりました。サクナは常緑多年草で栽培も容易なため、年間を通して食べることができます。

スーパーではなかなか見かけませんが、直売所やファーマーズなどで購入することができます。

赤ちゃんがぱっと手のひらを広げたような大きさの葉は、白っぽい光沢を帯びた緑色で厚くて硬め。

カロテンやビタミンC、カルシウムが豊富。ポリフェノールも含んでおり、高い抗酸化作用が期待できます。

沖縄の強い陽射しを浴びて、厳しい自然条件の中で育つサクナは、生命力が強く、「一株食べれば一日長生きする」と言われるほど。古くから和え物・てんぷら・刺身のツマとして食され、独特の香りやほろ苦さを利用し、魚や肉料理の臭い消しとして使われてきました。

また、根は煎じて飲むと風邪や咳止めにもなるとして利用されていたといいます。

茎は固めなので葉を食用とします。細かく刻むと、セリ科の植物らしい爽やかなハーブを思わせる香りが漂います。白和えや胡麻和えとして。


柔らかい若葉ならそのままてんぷらに、今回は刻んで小エビを入れたかき揚げにしてみました。揚げたてならではのサクサク食感に小エビの旨みも加わっておつまみにも最適です。

加熱することで独特のほろ苦さはやわらぎますよ。

魚介類の食中毒を抑える効果があるとも言われており、細かく刻んで生魚に合わせる使い方もいいですね。白身魚にニンジンと共にサクナをあしらって春色のカルパッチョ。


トマトとベーコンのパスタは、仕上げにサクナを和え、添えることで栄養価もアップ。


クリームチーズに刻んだサクナを混ぜてパンに塗り、お好みの具をのせたら、仕上げに散らしていただきます。このように料理のアクセントとして使いながら、普段の食生活にも気軽に取り入れてもらいたいですね。


こちらは、刻んだサクナを小麦粉に混ぜて焼き上げたちんすこう風味のお菓子。混ぜて丸めてオーブンで焼くだけの簡単な焼き菓子を作ってみましたが、口に入れるとサクッほろっとこぼれ、お年寄りから子供まで喜ばれそうな風味に仕上がりました。その他パウンドケーキやパンケーキ、スコーンなどのお菓子作りにも利用できます。


晴れ渡る日には、初夏を思わせる輝きを増した陽射しの沖縄、うりずんの季節が過ぎるとやがて若夏がやってきます。沖縄の海岸沿いで波風を受けながら過酷な環境で自生しているサクナをぜひ食べてみたいものですね。

沖縄県のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロの齋藤珠美でした。

 

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