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こんにちは。
京都府まつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ上級プロ、管理栄養士の中本絵里です。
京都駅から南へ車で約10分という便利な立地にある京都市南区上鳥羽地区、JA京都市上鳥羽支部の生産者さん3人が新京野菜の「京ラフラン」の市場出荷を始められました。そのうちのお一人、長谷川さんの圃場を訪ねました。
京都では、京都大学と京都市の連携により未来の伝統野菜になるであろう新野菜の開発が開始されました。京てまり(きょうてまり)、京あかね(きょうあかね)、京唐菜(きょうとうな)、京ラフラン(きょうらふらん)、京の花街みょうが(きょうのはなまちみょうが)、京北子宝いも(けいほくこだからいも)などが開発されています。
「京ラフラン」は、京都市北部に位置する京北町で栽培されてきましたが、市場への出荷が少なかったため小売店に並ばず、京都市に住む者ですら食べた経験のある人は少なく知る人ぞ知るという状態でした。かく言う私自身野菜ソムリエでありながら噂に聞くが見たことのない野菜の一つでした。このような状況の中、JA京都市上鳥羽支部の3人の生産者の方が「京ラフラン」の市場への出荷を始められました。
この新京野菜の京ラフランは、「だいこん」と「コールラビ」をかけ合わせて生まれました。洋風の『京ラフラン』という名前は、だいこんの学名「ラファヌスサティヴァス」の『ラフ』とキャベツの和名「カンラン(甘藍)」の『ラン』をあわせたものです。
この「京ラフラン」は、実に不思議です。葉は大根の葉のようでもありケールのようでもあり 花は菜花のような そして茎は、とてもみずみずしい食感のよいアスパラといったところでしょうか。一度、体験していただきたい味と食感です。加熱するとキャベツのような風味が強まります。どこにもないユニークなお野菜です。
圃場に咲いていた京ラフランの花は、だいこんの花に似ています。茎のみずみずしさは、だいこんが親だからでしょうか。
この京ラフランは、野菜の少ない時期に旬を迎え、病気に強く農薬を減らすことが可能だそうです。また、栄養価もビタミンCが豊富とうれしい限りです。
京ラフランは、収穫後、長さを調整して200グラムずつパック詰め市場へ出荷されます。
市場出荷がはじまったことによって、たくさんの方に新京野菜が広まることでしょう。あなたの街にも届くかもしれませんね。見かけたら是非食べてみてくださいね。私のおススメは、茎の生食です。えぐみもなく自然な甘みとみずみずしさで何もつけずに食べても美味しいのです。
特別に出荷時にカットされた太い茎をいただきました。少し皮は硬めでしたが、手で簡単に剥けます。この美味しい太い茎の部分、出荷時には調整されてしまっているのが残念です。
葉と蕾は、旬のホタルイカと一緒にガーリックソテーにしました。苦みとホタルイカの旨味で春を感じる一皿になりました。油との相性も良く、てんぷらでも良いですね。
京都の若手生産者の熱意のもと、市場へ出荷され、全国の皆様の手元に届き、『京ラフラン』が認知され愛される野菜になる日が待ちどおしいです。
京都市伏見区のじねんと市場でも販売されているそうです。