提携産地レポート

長野県長野の高原レタス提携産地研修を実施しました

まつの営業推進本部にこの度、中途入社しました野菜ソムリエプロ 高塚浩子(こうつかひろこ)です。梅雨どきの貴重な晴れ間に恵まれた6月19日、20日。毎年恒例の長野県提携産地研修が行われました。

【研修1日目】
長野県管平高原にある『まつの管平集荷センター』へ。

標高1300メートの管平高原は、夏でも湿度が低く冷涼な気候でレタスの生育に適した環境です。そんなまつの菅平集荷センターを見学しました。

竣工は昭和63年。1億円以上を投じて建設した、地域初の真空予冷機を備えた施設です。当時は業界を揺るがす程の大きな取り組みだったそうです。

研修参加者は、新卒・中途でここ1~2年の間に入社した社員。まつのの”今”を築くことになったエピソードにメモを取る手が止まりません。

真空予冷機とは、巨大な冷蔵庫の中で空気を抜いて気圧を下げながら、素早くレタスの芯まで冷やす装置のこと。真空予冷機に入れることで、新鮮な野菜の鮮度を保ったままお客様の元へお届けすることができます。

そして提携産地の中曽根農場へ。

冬はスキー場になる斜面に白いマルチを張ったレタス畑が広がっています。
白いマルチは地温を上げすぎない効果があります。また斜面にレタスを植える利点として、冷気が下の平地へ流れるため霜が降りないそうです。レタスが嫌う湿気も下へ流れて行きます。まさに、レタス栽培に最適の土地なのですね。

実際にレタスを収穫している現場も訪問しました。美しいレタスグリーン一色の畑。

皆さん慣れた手つきで次々とレタスを収穫し、コンテナに綺麗に詰める作業を行っています。

 採れたてのレタスをみんなでパクリ。全然えぐみがなく、甘い!

 夏でも夜は10度くらいまで下がる気温の寒暖差が、このレタスの甘さをつくり出しているのですね。冬は2メートルにもなるという、雪の多い菅平地区。そんな高原の雪解けの綺麗な水と澄んだ空気でまつののレタスは育っています。

一日目の午後、まつののレタスにとって重要なもうひとつの拠点。長野県川上集荷センターも見学致しました。

菅平集荷センターに続いて2001年に開設したこの集荷センターは、真空予冷設備を備えた2カ所目の自社集荷センターです。千曲川の源流の川上村は、遠くに八ヶ岳を望む本当に美しい土地です。迎えて下さったのは『小川グリーン研究会』の代表、古原和哉さん(写真一番左の方)。

『小川グリーン研究会』は小川山の麓で、志を同じくした方々が立ち上げた生産者グループ。減農薬で有機肥料主体の美味しいレタスをつくっています。

古原さんにご案内頂き、改めて真空予冷装置の素晴らしさを実感しました。レタス生産量全国第一位を誇る長野でも、民間では数少ない設備です。

まつのはシーズン中、社員も常駐して出荷状況を把握しています。商品部の甲に再会!

同じ長野で何故、菅平高原と川上村の2カ所必要なのかと疑問でしたが納得しました。日本海側の菅平高原と、太平洋側の川上村は気候が違い、どちらかが気候が荒れてレタスが出荷できなくなっても、片方は残る。常に、欠品なく確実に美味しいレタスをお客様にお届けするというまつのの取り組みです。
その後、同研究会の原幸宏さんのレタス畑を見学。
美味しいレタスを作るために、土づくりにこだわる思いをお伺いしました。有機肥料もどう配合したらレタスの食味が良くなるか、常に研究されています。

 印象的だったのは『畑にもクセがある』という古原さんのお言葉。畑とも対話する、オーダーメードの肥料を施すなど、美味しいレタスへのこだわりをここでもお伺いすることができました。

紫色が美しいサニーレタスの圃場も見学させていただきました。サニーレタスは雨が降らないと紫色が濃くなりすぎて、あまり大きくならないそうです。

そのため山から水をひいて、スプリンクラーで定期的に水を撒いています。
雪解けの綺麗な水と高原の爽やかな空気で育つ、レタスの美味しさをここでも実感することが出来ました。

【研修2日目】レタス収穫編
いよいよ今回の研修のメイン・イベント、レタスの収穫に参加。レタスの収穫は、気温が低い朝方が勝負。私達も朝3時に起床して、4時にまだ暗い畑へ。
朝焼けの清々しい空気の中で、投光機で皆様作業されています。
レタスの収穫は、夜中2時ごろから作業開始、日が高くなる9時ごろまで続くハードな作業です。

作業は大きく分けて、
1小刀でレタスの外葉を落とし、出荷する形にする作業。
2水をかけて 切り口から出る白い液サポニンを止める作業
3コンテナに詰める作業
で行われています。

早速収穫を試みるも、切り口を落としすぎてしまったり、外葉を残しすぎてしまったりなかなか上手く行きません。「きちんと畑に膝を付かないと仕事できないよ」と、古原さん。


コンテナに詰める作業は上下6個ずつ、デリケートなレタスを傷つけないように優しく、かつ素早く詰めて行きます。これが、まつののセンターで見るピカピカのレタスです。こうして大切に収穫されていることを実際に見ることができて感激でした。

黙々と頑張る私達も、皆さんのスピードと熟練の技には全く追いつきません。所々で古原さんの愛ある駄目出しを頂戴しました。もちろん大切に育てられたレタスです。一個でも無駄にはできません。

一個一個手作業で収穫するレタスには愛情がわき、お客様に美味しく食べてもらいたいという気持ちが強くなります。生産者さんの気持ちが少しでも理解できた事は、今後の業務に大きく役立って行くと感じています。

聞くと実際に体験するとは大違い。まつののレタスは、たくさんの方々の思いが詰まり、最善の方法と最速のスピードでお客様への食卓へ届く、幸せな幸せなレタス達でした。

これから最盛期を迎えるまつのの代表アイテムとも言える契約産地のレタス。一日2000~4000ケースもの新鮮なレタスをお客様のもとへお届けするその仕組み、生産者のご苦労やレタス生産にかける熱い想いを伺う貴重な研修となりました。

この研修で得た、素晴らしい体験・気づき。一個のレタスに込められた願い。素晴らしいお野菜をお客様にお届け出来る事に感謝しながら、日々の業務に生かして参りたいと思います。
 
営業推進本部 野菜ソムリエプロ 髙塚浩子でした。

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