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商品部の甲とバトンタッチし、川上集出荷センター業務を務めることになりましたまつの関東流通センター2部センター長の外山竜太です。
気温も高まり、暑い日々が続いております。川上村の今年のレタス類は、天候に恵まれ大豊作というスタートでした。ですが、7月第2週目あたりから雨が全く降らず、圃場(畑)に大きな影響が出始めています。
それは、干ばつです。
干ばつとは、雨が降らず水不足が長期間続く状態のこと。干ばつが起こると、農作物の発育不良により収穫量が減少してしまいます。レタスに見られる主な影響は「不結球(レタスが巻かないで育ち、丸くならないこと)」や、発育不良で「小玉サイズ」になってしまうことなどがあります。
現状のレタスの干ばつ状況を調べに、小川グリーン研究会の原幸宏さんの圃場にお伺いしました。
幸宏さんの圃場の様子です。
幸宏さんのレタスの品種は「ルシナ66」。
生産者の方はよくご存じですが、実はレタスの品種は約200~300種類もあり、各農家さんがそれぞれに選び、レタスを作っています。どの品種も長所があれば必ず短所があり、工夫や対策があるからこそ美味しいレタスができあがります。
ルシナ66は害虫の一種である「線虫(センチュウ※)」の「レース2」と呼ばれる虫に強いことから、10年程前からこの品種を使うようにされています。
※土中にいる線形の虫。
「ルシナ66」はレース2に強いですが、干ばつに弱いです。つまり線虫には強いですが、水不足には弱いということ。まさに長所があってこその、短所がありますね。
今年の幸宏さんの圃場では、ここ最近川上村では雨が降らなかったため、少し干ばつの影響が見られました。下の写真が不結球のレタスです。葉が開いたままで、丸くなっていない事がわかります。
こちらは巻いているレタス。比較すると違いが良く分かります。
不結球になると販売できないため、干ばつの影響はかなり痛いです。
肥料の強さと干ばつ
雨が降ることを考え肥料の量を調整しなくてはなりません。では、どう調整するのか。「自分の経験と感だけが頼り」と幸宏さんはおっしゃっていました。
ルシナ66は扱いが本当に難しいとの事です。育て方は人それぞれで「巻いてほしい」という願いを込めて、亜リン酸をゆっくり、たっぷりと上からかける人もいれば、少し多めに肥料等を入れて雨や灌水などで濃度を調整する人もいるそうです。
幸宏さんの場合は、後者です。本来であれば雨でうまく濃度が調整できるはずが、予想外の事に全く雨が降らず濃度障害がでてしまいました。
上の写真が濃度障害による様子です。栄養が偏り、レタスとレタスの間に空間ができてしまっています。
「天候には勝てない」と幸宏さん。予想不可能な天候、考えるのがとても難しいですね。ですが長年つくり続けてきた幸宏さんは「仕方がない、対処するしか」と前向きに日々頑張っておられます。さすがベテランの生産者さんです。
「予定では7月中は継続して生産できるつもりだったけど、干ばつの影響が大きい。あと2週間はルシナ66で頑張る」とのことです。
「このまま雨が降らない日々が続くと、他の生産者の圃場でも干ばつなどが見られてくる」と干ばつと共に濃度障害などの現状の苦しさをお話してくださいました。
川上村の干ばつに関するレポート、後編でもお伝えいたします。