まつのベジタブルガーデン

千葉県フルーティな香りに魅せられて!パッションフルーツ【栽培編】

畑の社会見学

みなさまこんにちは。千葉県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、アンチエイジングフードマイスターの栗原美由紀です。

南国フルーツとして知られる「パッションフルーツ」が千葉県で栽培されているのをご存知ですか。近年、千葉県でも安房・君津地域を中心に生産されています。今回はパッションフルーツの魅力と美味しい食べ方やレシピをご紹介します。

パッションフルーツとは、南米原産の甘い香りと爽やかな酸味が特徴のトロピカルフルーツです。日本では花の姿が時計の文字盤に見えたことからトケイソウ・クダモノトケイソウと呼ばれています。果実は丸い球形で艶があります。つるりとした固い皮の中には黄色いゼリー状の果肉と果汁、そして種が入ってます。甘味と酸味のバランスがとてもよく、プチプチっとした種の食感も美味しさの魅力です。

千葉県のパッションフルーツは夏と冬の年に2回収穫されます。今回、取材しました館山市の「RYO’S FARM」さん(以下敬省略)は、南房総最大のパッションフルーツ農園で、400坪のハウスに約200本のパッションフルーツが栽培されています。園主の梁寛樹さんは担い手が減っている農業の活性化のために、6年前に東京から移住してきたそうです。

地域おこし協力隊として農業を学ばれ、様々な出会いと試行錯誤の末、この温暖な南房総でのパッションフルーツ栽培にたどり着いたそうです。現在使用されているハウスは、引継ぎ先が見つからずに困っていた高齢のカーネーション農家さんから借り受けているものだそうです。

梁さんの趣味はサーフィン。ここ館山との出会いはサーフィンの方が先だそうです。「今では農作業の合間に海へいってます」と嬉しそうに語る梁さん。会社員だった頃よりも肉体的にはきついけれどもとても充実しているそうです。

ハウスの中を見学すると、偶然に花を見ることができました。時計の文字盤に見えたというパッションフルーツの花はとても神秘的。

南国のフルーツなのに30度以上の温度が続くと花が咲かないそうです。しかもたった1日しか咲かないなんて!確実に実をならせるために、花が咲くと手作業で受粉を行います。
5個のおしべの花粉を指で丁寧にめしべにつけていきます。開花のピークの6月には、1日に何百個もこの作業を行うそう。実に大変な作業です。また、パッションフルーツはつる性の植物なので、つるが絡まってしまわないように、こまめに芽をかきます。風通しをよくすることで農薬を使わずに虫や病気のリスクを減らすことができるそうです。

パッションフルーツの果実は色付いてくると自然に落下します。
この時点ではまだかなり酸味が強いので、追熟させなくてはなりません。しかし、落下した時点で内側の膜が剥がれたりすることも、傷みや酸味の要因ではないかと梁さんは考えます。そこで落下する前に、果実をひとつひとつピンチでとめていき、なるべく長い時間樹の上にとどめておくようにしました。
このこだわりこそが甘さの秘密。樹上で完熟させることで、追熟の必要がなく、届いたその日に甘味と酸味のバランスのよい美味しいパッションフルーツが食べられます。

こちらは2~3日後に収穫予定のもの。かなり熟してきています。
このように手間を惜しむことなく、丁寧な作業を行うことで高品質のパッションフルーツが育つのですね。

さて、こだわりのパッションフルーツをひとついただきました。
つるつるの実を手に取ると、切り口からはふわっと上品で甘酸っぱい香りが漂ってきます。中の果肉と種をスプーンですくってそのまま口の中へ。まず最初に濃厚な甘みが、そして後から心地よい酸味が広がります。届いたその日に美味しく味わえるという意味が分かりました。もっと甘くまろやかなほうがいいという方は、果皮にしわが出てくるまでお待ちください。酸味が抜けて、まろやかな味わいになります。

ちなみに、RYO’S FARMではパッションフルーツを丸ごと使った「リリコイバター」という新感覚の商品を販売しています。

リリコイとはハワイ語でパッションフルーツのこと。パッションフルーツと無塩バター、卵、砂糖だけで作ったバタージャムは、種も入っていて食感も楽しめる商品。とても濃厚で香り豊かな風味と甘さにひと口食べただけで笑みがこぼれます。

次回はパッションフルーツの美味しい食べ方と女性は見逃せない嬉しい美容成分をご紹介します。
千葉県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、アンチエイジングフードマイスターの栗原美由紀でした。

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