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みなさま、こんにちは。
熊本県まつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの佐藤真美です。
熊本は、果樹も豊富なところです。福岡県の県境に位置する荒尾市は、全国的にも有名な「梨」の名産地。今回は荒尾でも大人気の本田観光梨園に行ってきました!
広大な梨の森は圧巻です!
こちらでは、季節ごとに数種類の品種を生産されています。
では一つずつご紹介して行きましょう♪
1幸水(こうすい)
赤梨の代表品種で、8月上旬から中旬がおいしい時期。
真っ白な果肉にシャキシャキ食感。甘味が上品で優しい味でした。
2豊水(ほうすい)
こちらも果肉は白いですが、食感は柔らかめなので高齢者に人気だそうです。ほどよい酸味を伴い、甘味とのバランスがよいのが特徴。8月下旬の出始めは酸味が強いですが、9月頃から徐々に甘味も強くなり、最高においしくなるとのことでした。
さて、こちらの豊水は、栽培時に袋を掛けたもの(有袋)左と袋を掛けなかったもの(無袋)右の梨です。
こちらの農園で栽培する場合、どちらも甘さはあまり変わらないとのことですが、なぜわざわざ袋を掛けるのでしょう?有袋にする理由は、果皮を綺麗に色づかせるため、また防虫のためということでした。梨のほとんどは、手間ひまや栽培のしやすさから、無袋での生産が多くなってきたとのこと。もちろん、無袋でも甘くおいしく頂けます。
3秋麗(しゅうれい)
熊本県のブランド梨にもなっている貴重な梨の一つで、2003年に品種登録された新品種でもあります。
特徴は、何と言っても糖度の高さ!梨の糖度は平均11〜12度ですが、なんと14.4度!高い時は16度もあるそう。
忘れられないくらい濃厚な甘さ、そしてやわらかい食感もクセになりそうな品種です。甘い香りもたまりません!
また秋麗は、幸水と筑水の赤梨どうしから生まれた青梨の品種。果皮全体に茶色いサビが出る傾向にありますが、これが甘さの特徴でもあります。おいしい時期は8月下旬の一瞬の期間となり、収穫のタイミングが難しいとのこと。「収穫の見分け方は、経験を積んだ者しかわからない」と生産者の本田さん。プロが見極めるブランド梨は、熊本が誇る最高の梨なんですね!
4新高(にいたか)
荒尾のジャンボ梨というのは、「新高」という品種のことを言います。旬は9月下旬から10月いっぱい。まだ時期が早いので、収穫期はもう少し先です。
5なつしずく
2005年に登録された新品種で早生種。7月下旬から8月上旬がおいしい時期です。この品種を作るきっかけとなったのは、台風対策のため。台風が直撃すると、梨は木から落ちてしまいます。そこで、台風があまり来ない7月から収穫できる品種を取り入れたとのことでした。しかし「なつしずく」は、完熟すると自ら落下する特徴があるそう。「この品種も収穫の見極めがとても難しいのです。生産者も多くはありません。」とのこと。貴重な梨の一つでもあります。
左側から右側にかけて果皮の色の違いがわかりますか?右側の黄色い梨が完熟です。
6中国梨「鴨梨(ヤーリー)」
九州ではここだけではないかと言われている、中国梨の原種がこの農園にはあります。なんと樹齢100年!「鴨梨」は『中国果樹志』の中で最古の良品種とされている梨でもあります。本田さんの話しによると、明治時代、荒尾市と中国は交流が盛んだった記録があり、その頃にこの梨の木がこちらに伝わってきたのではないかとのことでした。
「甘酸っぱく素朴な感じでシャリシャリした食感が特徴です。明治時代から戦時中にかけて、その時代の人々の食料を支えて来てくれた梨。この木があったからこそ、今のおいしい梨があると思っています」
この木は100年もの間、人々の生活をも支えてきた梨なのです。
さて、本田観光梨園のもう一つの楽しみ方!
それは、梨狩りの楽しさに加えて、お客様へのおもてなしが最高に素晴らしいということです。
上記写真にある試食の梨は、梨狩り体験をされるお客様への最初のおもてなしです。採れたての梨を一番おいしいと言われるカット法で食べさせて下さいます。
「芯の周辺が酸っぱいので、芯をよく取ること。それが甘くて一番おいしい食べ方です。」と本田さん。
「量ではなく、質のよい梨を作ること。来られるお客様が、今日一日ここに来てとても楽しかった!来て本当によかった!といかに満足して頂けるかを大切にしています」とのことでした。
お客様へのおもてなしは、他にも。それがこれ!一見、普通のスムージーと思いきや?いえいえ、本田さんの深い思いがここにありました。
「幸水のスムージー」と「肥後グリーンメロンのスムージー」
「苺のスムージー」と「桃のスムージー」
梨はもちろん、他の果物のスムージーを取り入れた理由は、来園する子供たちが梨だけでなく他の果物でも楽しんでもらえたらという思いから。一人一人が梨狩りに来た日のことを思い出の一つとして残るよう、本田さんからのおもてなしです。また、メロンやイチゴ、モモは、果樹生産を通して知り合った仲間が生産した果物たち。「少し熟れ過ぎてしまった果物を仲間から仕入れています。このスムージーは、これまでの人とのつながりがあったからこそ実現している製品です。仲間に感謝しています。」
本田さんの思いの詰まったこのスムージーは、太いストローから冷えた果肉がスルスルっと口の中に入り、まるで果物に直接ストローを挿してそのまま飲んでいるみたいな感じ!最高に贅沢で、最高に幸せでした。
(各スムージー 1杯500円)
「なつしずく」のジャムもずっと舐めていたい味で濃厚な甘さ!
「来る人を大切にする」という本田さんのおもてなし、みなさんにも味わって頂きたいです。もちろん、梨もお忘れなく!9月下旬から始まる「新高」については、旬の頃、お伝えしようと思います。お楽しみに!
熊本県まつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの佐藤真美でした。