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熊本県まつのベジフルサポーターの佐藤真美です。
九州の北、玄界灘に面する佐賀県唐津市をご存知ですか?唐津市は「呼子のイカ」や「佐賀牛」など食の宝庫でもありますね。その唐津市に知る人ぞ知る、とても珍しいイチジクがあるとのことで、11月14日松野社長と視察に伺いました。「珍しいイチジク?」社長と首を傾げながら訪れたのは富田農園。
まずは試食を…ということで、テーブルの上に置かれていたイチジクを見てビックリ!
「黒い!黒いな!」通常のイチジクは果皮が赤茶色をしていますが、まるで墨汁で塗ったかのような濃い黒色の果皮。しかし果実の割れ目からチラッと見せる赤い中身が、なんとも美しいのです。さらに、その割れ目から、果汁が溢れているではありませんか!
二つに割ってみると…「赤い!真っ赤だな!」色を連呼する社長と私。でも、口に出して言いたくなるくらい綺麗な色なんです。甘い香りも部屋中に広がりました。
目と香りで楽しんだ後は、早速試食へ!「すごい、甘い〜!こんな甘いイチジクはなかなか無い!本当に甘い!」ねっとりとした食感なのに、さわやかな甘味。滴っていた果汁が口の中にジュワーっと広がり、何個でも食べたくなるおいしさです。ビオレソリエスという品種で、フランス原産のイチジクだそう。
今回ご紹介して下さった、富田農園の園主である富田秀俊さん。この甘くて美しい黒イチジクができたのは、想像を絶するご尽力と諦めないという強い思いがあったからでした。「唐津という山に囲まれたこの場所で農業をするならば、人と同じことをしていてはいけない、当たり前ではいけないと思いました。試行錯誤の中、この黒イチジクしかない!と思い生産を開始しましたが、土作り、肥料の工夫を重ねても8年間全く実が付きませんでした。」
「8年間ですか!」
「8年間やってきて、逆にやってないことは何か?と考えました。そこで思いついたのが、イチジクの木に生命の危機を感じさせたらどうだろうと思い、木の根を切ったんです。するとその年から実がなるようになりました。」
私は耳を疑いました。木の根を切った…!?すごい勇気です。もしかしたら枯れてしまうかもしれないのです。8年間続けて来られて、でもそれを覚悟で行われた富田さんに、私は生産者魂を感じました。それから徐々に増え、今では1.2ヘクタールの農園にまで広がったそう。
「イチジクが木に成っているのを初めて見た!こんな風に実を付けるのか!」と社長もビックリ!
パカッと割れると、完熟のしるしだそうです。
「本当においしい黒イチジクを食べてもらいたいんです。だから雨が振ったら収穫をしません。雨水がイチジクのヘソ(丸みの部分)から入ったら発酵が始まり、みなさんの手元に届くころには味が落ちているからです」
黒イチジクの旬は、9月〜11月の約2ヶ月半という短期間のみ。その短期間で厳選した黒イチジクを出荷し、おいしさを伝えることがどれだけ大変か…。「徹底してやるということを毎日積み重ねることが何より大切な事です。」と富田さん。これは、どんな仕事でもあてはまることではないでしょうか?私自身、この言葉に心打たれました。
こちらの農園では、黒イチジクの加工品も作られています。「昔は、出荷できないような黒イチジクは、畑に穴を掘って埋めていました。ところが、イノシシがその穴を掘って荒らすようになったのです。さらに、青果として店頭に並ぶのは1年間の内に約2ヶ月だけ。残りの10ヶ月は店頭に並びません。そういうことも踏まえて、加工品を作ろうということになりました。」
試食としてご用意して頂いたドライ黒イチジクです。
セミドライのものはグラニュー糖がまぶしてあるとのことで、ご年配の方々から人気があるそうです。ドライのものはそのまま乾燥してあるもので、飲食店等に人気があるとのことでした。食べてみると、完全に乾燥したものであっても甘味はしっかり残っており大満足!赤ワインが欲しくなるような大人の甘さでした。
「黒イチジクの栽培技術を習いたいという人には伝授しています。代々受け継いで行くべきだと思っているからです。そして、みなさんにこの黒イチジクのおいしさを伝え、永遠に食べ続けて頂きたいです。」
唐津が黒イチジクの産地となり、「呼子のイカ」「佐賀牛」、そして「黒イチジク」という三大特産品となる日も近いかもしれませんね!
熊本県まつのベジフルサポーターの佐藤真美でした。
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