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京都府のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、メンタルフードマイスターの澤井真佐代です。
野菜売り場では、春の便りが続々と届いています。店頭ではいろいろな種類の山菜を見かけることが多くなってきました。
その中でも、今回は私が気になる3品目をご紹介します。
まずは「ふきのとう」。キク科フキ属の多年草で日本原産、全国の山野に自生しています。自生している天然物は雪が解け始める頃に出てきます。
冬眠から覚めた熊が一番初めに口にするといわれているふきのとう、血中のヒスタミンを減らし、花粉症の予防や咳止めに効果があるといわれるフキノール酸が含まれています。その他、高血圧やむくみに効果があるといわれるカリウム、肝機能を強化して新陳代謝を促進させるアルカノイド、活性酸素などの発ガン性物質を抑制する効果のあるケンフェール、胃腸の働きを良くして健胃効果があるといわれる香り成分のフキノリドなど、ポリフェノール類も多く含まれています。
選び方は、締まりがあり蕾がまだ硬く閉じている、大きくなりすぎたものは苦味が強すぎて美味しくないので、小ぶりのものを選びましょう。
アク抜きの方法は、水に2時間ほど浸し、途中で水が黒くなるので水をとりかえます。特に苦味が気になる場合、茹でてアク抜きをする方法もあります。沸騰している湯に塩とふきのとうを入れ、キッチンペーパーなどで落し蓋をして3~4分茹で、すぐに冷水にとり、そのままさらしておくことでアクが抜けます。オススメの調理法はおひたしや和え物、天ぷらです。
今回はふき味噌を作ってみました。ほろ苦さに食が進みます。
【ふき味噌】
材料
ふきのとう 1パック
味噌 大さじ2
砂糖 大さじ2
みりん 大さじ1
1.ふきのとうを軽く茹で、水気をきり、細かく刻みます。
2.味噌、砂糖、みりんを鍋に入れ、ふきのとうを入れ水分がなくなるまで煮詰めます。
おにぎりに乗せて食べても美味しいです。
続いて、山菜の王様ともいわれる「たらの芽」。たらの芽はウコギ科タラノキ属、全国の山野に自生しています。かつてはほんの一時、旬の時だけ味わえる貴重な食材でしたが、近年では栽培も進んでいるようで味わえる期間は少し長くなっています。
選び方は、芽の先が少し開きふっくらしているもの、緑が鮮やかでいきいきしているもの、小ぶりなものが好まれます。山菜のなかでも栄養価が高く、茹でたもので、100グラムあたりたんぱく質4グラム、ベータカロテン600マイクログラム、食物繊維3.6グラム、カリウム260グラムが含まれ、山菜の王様と呼ばれる理由にも納得です(「新ビジュアル食品成分表」参照)。
オススメの調理法はポン酢&鰹節、ゴマ味噌和え、ニンニクを効かせたバターとオリーブオイルで春のパスタにしても美味しいです。調理の際は、少々塩を入れた熱湯でサッと茹で冷水にさらしましょう。定番の天ぷらは、はかまをとりアク抜きなしでも美味しく食べられます。それでは、簡単に作れる和え物をご紹介。
【たらの芽とホタルイカの酢味噌和え】
材料 2人分
たらの芽 1パック
ホタルイカ ボイルしたもの50グラム
からし酢味噌 10グラム
作り方
1.たらの芽のはかまを取り、沸騰させた湯に分量外の塩を入れ、2〜3分茹でて冷水にとり、水気を切ります。大きい物は食べやすい大きさに切ります。
2.ボウルに1のたらの芽、ホタルイカ、からし酢味噌を入れて和えるだけ。
お次はくるりと丸まった姿の「こごみ」のご紹介。
シダ科の多年草で芽が出てくる様が人が前屈みに縮こまっているように見えることから、「こごみ」という名がついたともいわれています。生息場所は水はけが良く、湿気のある場所。群生していることが多く、一株見つけるとたいていその周りにたくさん生えていることが多く、全部の芽を摘むと枯れてしまうので、何本か芽は残すのが山菜採りのマナーのようです。
コゴミを味わえる期間は、日本列島の南の方は3月頃、関西から関東にかけては4月からゴールデンウィークあたり、東北や高冷地などは5月上旬から6月中旬くらいまで楽しめます。選び方は茎が太くしっかりと葉が巻かれているものがいいですね。
気になる栄養価は生で100グラムあたり、不溶性食物繊維5.2グラム、ベータカロテン1100マイクログラム、ビタミンE1.8ミリグラム、ビタミンK120マイクログラム、ビタミンC27ミリグラムなど。とりわけ食物繊維が豊富ですね(「新ビジュアル食品成分表」参照)。
アク抜きの必要ありませんが、おひたしや和え物をする場合は熱湯でサッと茹でて冷水に浸し、水気をよく切って使いましょう。油との相性も良いので天ぷらやソテーにしても美味しいです。今回は炒め物にしましょう。
【こごみともやしの炒め物】
材料 2人分
こごみ 1パック
もやし 2分の1袋
ごま油 小さじ2
塩コショウ 少々
甜麺醤 小さじ2分の1
作り方
1.こごみは洗っえ食べやすい大きさに切ります。
2.もやしもサッと洗い、根と芽をとります。
3.フライパンにごま油を熱してこごみともやしを炒め、甜麺醤と塩コショウを加えて炒めます。
山菜も近年は栽培される種類も増え、都会に暮らす方も手に入りやすくなりました。特有の香りと苦味を持つ山菜に含まれる成分には、冬の間に体に溜まってしまった脂肪や老廃物を排出する手助けをし、私たちの体を目覚めさせる働きがあると言われています。アクはタンニンなどのポリフェノール類や抗酸化力のある成分が含まれているので、アクを抜き過ぎないようにしましょう。
日本列島は国土の形状から各地の季節の食材を長い間楽しむことができます。しかし、山菜採りのシーズンでは、毎年のように事故やトラブルが起きているので、山菜採取を計画されている方は、林野庁のホームページに掲載されている留意点を参考にしてください。
山野に出掛けると成長した山菜の姿を見ることができるかもしれません(写真はふきのとうの成長した姿)。
この季節しか味わえない山菜を食べ、冬から春の変化の多い季節に対応できる身体作りに役立ててみてはいかがでしょうか。
京都府のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、メンタルフードマイスターの澤井真佐代でした。
参考文献:野菜の便利帳・旬の野菜百科