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熊本県まつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの佐藤真美です。
熊本県はただいま柑橘真っ盛り!その中でも4月〜7月にかけてぜひ食べて頂きたいのが『河内晩柑』です。河内晩柑は、熊本市河内町で文旦の枝分かれとして発見されました。発症の地である「河内」という地名と、遅い時期に収穫されるという意味を持つ「晩柑」を組み合わせて『河内晩柑』と言われています。
県南にある不知火地方を訪問。ぽかぽか陽気の中、柑橘類の木々に囲まれた山道を歩いていると、爽やかな柑橘の香りがほのかに漂い、とってもいい気分!立ち止まって景色を見渡すと、遠くには八代海、足下には完熟で落下した河内晩柑がコロコロと転がっていて、何とも長閑(のどか)な所です。
今回はこの地域で柑橘類を生産されている、のむちゃん農園の野村和矢さんにお話を伺いました。「河内晩柑は、和製グレープフルーツですよ!実っている感じでわかるでしょ?」グレープフルーツは、ぶどうの房のように一本の枝にたくさんの実をつけるのですが、河内晩柑も一本の枝にたくさんの実をつけます。
「収穫は4月からですが、3月中旬くらいから食べられますよ!でもうちは、樹上完熟なので4月から収穫します。まあ、でもどうぞ!おいしいですよ!」と言って差し出された河内晩柑はずっしりと重く、まん丸としていて手のひらサイズ程の大きなものでした。外皮をむくと一皮むいただけで、河内晩柑の香りがふわ〜っと辺り一面を覆い、果汁も滴るほど多汁です。じょうのう(薄皮)をむくと、中から輝く黄金の果肉が!なんと美しいことでしょう!
「香りがいいでしょう?夏に冷やして食べると、かなりうまいですよ!」と野村さん。一房食べると、爽やかな風味が口いっぱいに広がり、まるで丸ごと絞ったジュースをごくごく飲んでいるようなジュージー感。甘味も十分ですが、さっぱりとした酸味も加わり、汗ばむほどの暑さにはちょうど良いフルーツです。
「この木で、約25〜26年経ってます。古い木ほどおいしい河内晩柑になりますよ。木が若いと、味もまだ乗っていない感じですが、古くなればなるほど、まろやかな味になっておいしい実をつけます。」河内晩柑も人間と似たところがあるようです。
「さらに木の手入れもとても重要で、木の高さを3〜4mほどに剪定します。その時に徒長枝(とちょうし)と言って枝の上の部分は残します。すると枝はさらに上に上に伸びようと努力をするんです。上の方、伸びているでしょ?」確かに!木が成長している感じが見受けられました。
すると野村さん、何かを発見したようです!「あれ?これ枝変わりしてるかも?柑橘の木って、常に進化をしているんです。ここの葉を見て下さい。葉の形が違うでしょう?もしかしたら、新種の柑橘を見つけた瞬間かもしれませんよ!」枝変わりとは植物に見られる突然変異のことで、一部分だけ枝葉、花、果実が他の部分と違った性質となって、子に伝えられていくものを言います。これにより新品種が見つかる事例も多いのです。来年、この枝にどんな実がつくか楽しみですね!
4月頃から花が咲き始めるそうで、その時期には不知火地区全体が花の香りに包まれるのだそう。私も一度、花の季節にみかん畑を訪れたことがあるのですが、妖艶で濃厚なジャスミンのような香りが春の暖かさと混じり合い、それはそれは香りの虜になります。河内晩柑は実がついているときに花も咲くので、花と柑橘の香りで心も身体も癒されそうですね。
(写真提供:のむちゃん農園)
さて、昼間は初夏のように暑くなってきました。生産者の野村さんも暑い日に冷やして食べるのがおいしいとのことでしたので、今回は「簡単!河内晩柑のとろとろゼリー」を作ってみました。
簡単!河内晩柑のとろとろゼリー
【材料】(2人分)
河内晩柑…1個
粉ゼラチン…5g
砂糖…大さじ1
お湯…50cc
【作り方】
1.粉ゼラチンはお湯で溶かしておきます。
2.河内晩柑は外皮とじょうのう(薄皮)をむきます。このとき、少々じょうのうが残っても大丈夫です。
3.果肉と砂糖をミキサーやフードプロセッサーでジュース状にします。
4.容器に3を入れ、1のゼラチンを加えて混ぜ合わせます。
5.冷蔵庫で冷やし固め、できあがりです。
ゼリーをスプーンで細かくしサラダにかけてドレッシング変わりに!アイスクリームやヨーグルトと一緒に食べてもいいですね!
柑橘シーズンの大取りを飾る、河内晩柑。お花見にも連れてって下さいね!
熊本県まつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの佐藤真美でした。