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本年、まつのへ中途入社した野菜ソムリエプロ 倉林早穂です。新入社員産地研修に参加し、茨城県結城郡八千代町にあるまつの提携産地「四季菜くらぶ」さんへ新卒・中途の新入社員合同でお伺いしてきました。
毎年恒例のこの研修。「畑からテーブルまで」、産地とお客さまをつなぐまつのにおいて重視されている研修です。ご協力くださった四季菜くらぶさんは農業法人組合として今年で結成16年目を迎える組織。
「おいしいさ」と「安全・安心」をコンセプトに志を同じくする11名の生産者の方々所属し、想いを受け継いだ若い後継者が育っている産地でもあります。
まつのとは設立直後から産直取引、長年にわたりレタスやサニーレタス、ほうれん草、ねぎやブロッコリー等の新鮮な野菜を出荷していただいています。
今回の研修では、いつも扱わせて頂いている野菜が手間暇をかけて大切に育てられていること、また「美味しさ」や「安全・安心」へのこだわりを学ぶことができました。
入社後の早い段階に生産者の皆さんの栽培のご苦労を伺ったことで、その後の野菜を見る目が変わり、生産者の方々の思いを届ける仕事をしなくてはと強く思うようになりました。
まず、四季菜くらぶの高安秀典さんよりレクチャー。
四季菜くらぶさんでは「美味しさ」へのこだわりのひとつとして「真空予冷機」を導入されています。真空予冷機とは、庫内を真空状態にすることで野菜を急速冷却する設備。45分で芯温3~4℃にまで一気に冷却します。
大規模投資で導入されたという真空予冷機、にんじん等の根菜類やトマト等の果菜類には向かず、レタス類やほうれん草といった葉物にしか使用できません。高額の投資をしてでも野菜それぞれに合わせた鮮度管理に気を配っておられることに「美味しさ」へのこだわりを感じます。
次にレタスの収穫体験。これも「美味しさ」のための栽培の工夫やこだわりを学んだ体験でした。
伺ったのはレタス生産者の斉藤博さんの畑。
斎藤さんのお手本のもと、レタスの根元を包丁でカットしていきます。根元が見えずらく最初はやや手間取りましたが、うまく収穫することができました。
斎藤さんのお手本のもと、レタスの根元を包丁でカットしていきます。根元が見えずらく最初はやや手間取りましたが、うまく収穫することができました。
採れたてのレタスをざくっと割って、みんなで試食。「とても甘くてみずみずしく、シャリシャリとした食感。葉っぱもやわらか!」。感動の美味しさでした!
収穫したレタスは下の写真のように、切り口を上にして並べます。切口からでる白い液を畑ですみやかに洗浄することで切口の褐変を防ぎ、そのことが鮮度保持にもつながるのだそうです。
また、レタスの収穫のタイミングはわずか3日間程しかないのだとのこと。育ちすぎると固くなるため、ちょうど出荷の規格にあった大きさで収穫することが、おいしい食べ頃のタイミング。
今シーズンは、厳しい寒さで例年よりも10日ほど生育が遅れ、逆に3月は急に気温が上昇し一気に成長してしまうなど天候の影響を大きく受けたため、畑のレタスから目が離せないのだと斉藤さんは話します。
安全・安心への取り組みの一部として教えていただいたのは、レタスの畝全体に黒いマルチシートを張り、株の根元に近いところまでマルチで覆ってしまうこと。土壌には様々な菌がいるため雨などでレタスに土が跳ねると病気の原因にもなってしまうのだそうです。
マメ科の植物を畑で育てそのまま土中にすき込む「緑肥」という方法で、野菜に有害な線虫のみを減らし、殺虫剤等を控える等の工夫をしています。
次に伺ったのは、ほうれん草生産者の宮崎勝利さんのビニールハウス。ハウスの中はずっと奥までほうれん草が続きます。さっそくカマを持ち、宮崎さんに教わりながら刈っていきます。低く腰を落としての姿勢に足もぴりぴり。
収穫したら、次は包装作業。ほうれん草は高温に弱く、葉はしおれやすく折れやすいため、扱いにもとても気を使うのだそうです。210gにまとめて、丁寧に袋に入れていきます。
春先の暖かい日は約2日で15㎝ほども一気に伸びるのだとか。驚きのスピードです。成長しすぎると規格外で出荷できなくなるため、タイミングの見極めも肝心です。多い日は1日1000パックを出荷されているそうで、その大変さがうかがえました。
春先の暖かい日は約2日で15㎝ほども一気に伸びるのだとか。驚きのスピードです。成長しすぎると規格外で出荷できなくなるため、タイミングの見極めも肝心です。多い日は1日1000パックを出荷されているそうで、その大変さがうかがえました。
昼食時には、産地の皆さんがサンドイッチの食材を用意してくださり
収穫したばかりの新鮮なレタスを各自がたっぷりと贅沢に挟んで、オリジナルの「マイサンドイッチ」をいただきました。
収穫したばかりの新鮮なレタスを各自がたっぷりと贅沢に挟んで、オリジナルの「マイサンドイッチ」をいただきました。
「レタスが甘い!和らかい!みずみずしい!」。今まで食べていた味わいと全然違うとその美味しさに感激。自分たちで収穫したレタスは、美味しさもひとしおです。
収穫したレタスはお土産にいただき、翌日まつのへ到着!
「幸せ♡野菜ランチ」で従業員一同、美味しくいただきました。
収穫したほうれん草もいただき、まつのキッチンのシェフの手によってオシャレなオムレツに。ご馳走様でした!
〈研修参加者の声〉
「実際に収穫体験をすることで生産者のみなさんの大変さとこだわりを感じました」
「これだけこだわって栽培されていることを知り、皆さんの想いをそのままお届けできるように今まで以上に心をこめて、丁寧に扱っていきたいと思います」
「たくさんの方々の手を通りまつのに届いた野菜を、私たちがまたお客様へお届けするわけですが、これ程手間と愛情を込めて作られたものだとたくさんの人にお伝えしていきたいと思います」
「生産者の方々から直接お話を伺い、私たちが口にするまでの目に見えない努力を知ることができました。美味しく、安全・安心な野菜を食べられることへ感謝を忘れてはいけないと強く思った研修でした」
私自身、今回の産地研修で、日ごろ扱わせていただている野菜がこんなに大切に時間をかけて育てられていることを知りました。生産者の方々とお客様を「つなぐ」役目として、より丁寧に扱いお届けしたい。大切に届くようにしたいと思います。
四季菜くらぶの皆様、貴重な機会をありがとうございました。