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こんにちは。熊本県まつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの佐藤真美です。
今回は、熊本を飛びだして沖縄県からのレポートです!実は私、短期間でしたが沖縄県に移住していたことがありました。沖縄で生活する上で一番驚いたのは、やはり食文化。移住していた頃の私はまだ野菜ソムリエではありませんでしたが、野菜果物に目を惹かれたのを覚えています。あれから約4年、野菜ソムリエになって初めて、野菜・果物の視察に行ってきました。
沖縄は日本とは言え、本土から離れた島国。那覇空港に降り立つと「植物の移動規制について」の看板が目に飛び込みます。これは、南西諸島等にしか生息していない病害虫が他の場所に移動し、まん延しないようにということで規制されているのです。
まず最初に訪れたのは、スターフルーツ畑。沖縄県の南部に位置する南風原(はえばる)町が産地です。輪切りにすると断面が星形に見えることからこの名前が付きました。黄色い果肉とツルツルした手触りが特徴のフルーツで、甘くサクサクとした食感です。旬は9月から秋冬にかけて。
私が訪れたのは夏なので、摘果する青い状態のものが成っています。あえてそれを試食してみると・・・
少し食感は硬めですが甘みがあり、苦味の少ないピーマンのようでした。未熟状態のスターフルーツは野菜として料理ができそうな予感!摘果するものを食べる習慣はないとのことで、新しい発見となりました。
続いて、マンゴーの畑へ。マンゴーは今が旬!一つ一つ袋掛けがしてあり、袋の中にマンゴーが自然にドサっと落ちたら収穫期なんだそう。
袋から出して見せて頂くと、ふわっと甘い香りが漂い、赤くて立派なマンゴーが顔を出しました。
試食をさせて頂いたのですが、果肉はオレンジ色に近い黄色で、食べてみると口から鼻、さらには脳にまで甘い香りに包まれます。食感はとても柔らかく、甘くて手が止まりません!クセも少なく、とても食べやすいマンゴーでした。
ドラゴンフルーツの畑にも訪れました。ドラゴンフルーツは果皮がうろこのように見えるところからこの名前がついたそうで、正式名称は「ピタヤ」と言います。赤肉種と白肉種があり、中は黒い種が点々と入っています。サボテン科でもあるこのフルーツは、茎に花を付け、実を付けます。
那覇の方ではマンションが目立ちますが、郊外から外れると、家の庭先にバナナやシークワーサーが実っている光景も見かけます。沖縄の人々にとってフルーツは暑い毎日を乗り越えるために欠かせない食べ物の一つ。慣れない猛暑を乗り越えなければならない私たちにとって、フルーツを食べるという習慣は見習うべき点だと思いました。
翌日訪れたのは、沖縄県中央卸売市場。那覇市内から車で約15分の場所に位置し、予約をすれば見学も可能です。早朝6時ごろ訪れると、せりを見学することができます。
沖縄の市場は、夏はフルーツが多く、冬は野菜が多くなるということ。まず最初に見せて頂いたのがパイナップル!今のオススメはパイナップルの王様「ゴールドバレル」で、中でも「タダオゴールド」という品種は、大きくて甘みの強い最高級品だそう。パイナップルの村とも言われる沖縄県北部に位置する東村で生産されています。
特別に試食もさせていただきました。これまでに食べたことのない甘さ!口に入れた瞬間、噛まずとも果汁が広がり、パインジュースを飲んでいるかのような感覚。市場内は少し暑かったのですが、一瞬でその暑さを吹き飛ばすぐらいの栄養補給ができました。
また、沖縄では「パインアップル」という表記が多く、箱の中には、手のひらサイズほどの小さいものや、緑色をした完熟前のもの、黄色い完熟のものなど色々なものが一緒に入っていました。
また、よく見てみると、パイナップルの葉に違いが!キザギザのものやツルツルしたものなど、葉を見れば品種の区別ができるそうです。
次に「島バナナ」。茎についたままのバナナがそのまま取引されています。そのままの状態で箱詰めされている光景にもビックリでした。島バナナは移住時によく食べていましたが、フィリピン産のものと比べると少し小さめ。しかし熟成されると芳香が強くとても甘いのが特徴です。流通の難しさもあり、沖縄に行かないと食べれないフルーツの一つでもあります。
初めてみるフルーツもありました。「レンブ」という名前で、ピンク色の綺麗な色をしたフルーツです。見た目は甘そうですが、甘みは少なく水分が多いのが特徴で、甘みの薄い梨に似た感じだそう。そのまま食べるよりは、サラダとして食べることが多いそうです。
市場の中でもより特別に扱われるフルーツがありました。「マンゴー」です。部屋は仕切られ、せりの最中は中に入ることはできません。ちょうど訪れた日は、マンゴーコンテストが開催されており、部屋の外にまで緊張感が伝わってくる状況。入室許可が下りて見学させてもらうと、そこはマンゴーパラダイス!高級マンゴーが足元に並び、そばを歩くだけでも緊張感が半端ないのです!
コンテストの結果は後ほどということだったので、どれが優勝したのかはわかりませんでしたが、その中でも素人目でもわかるほど一番光るマンゴーを発見!形、色、香りなど、全てに魅了されるマンゴーに目を奪われました。
と言っても、他のマンゴーも立派!良いマンゴーの見分け方は、たまご型のもの、肉厚なもの、白い斑点(果点)が多くブルームが多いもの。加えて、手のひらに乗らないくらいビックサイズ!本場沖縄だからこそ味わえる感動です。
ちょっと変わったマンゴーもありました。「キーツマンゴー」という緑色のマンゴー。追熟しても緑色のままですが果肉は黄色、サイズも赤いマンゴーより大きいのが特徴。沖縄でも入手困難な幻のマンゴーとも言われています。
また「金蜜マンゴー」という黄色いマンゴーも。こちらも入手困難な品種。サイズは小さいのですが、赤いマンゴーより糖度の高いマンゴーだそう。いつか食べてみたいです!
野菜も少し見せていただきました。一番驚くのは、冬瓜の大きさ!移住時にも八百屋で冬瓜がよく売られているのを見ましたが、いつ見ても大きいですね。何人分かな?
未熟果の緑色をしたパパイヤは野菜として食べます。野菜パパイヤは品種に関係なく、全て同じ野菜パパイヤとして扱われるそう。
面白いと思ったのが、島かぼちゃです。緑色の果皮に白い斑点があるもの、茶色の果皮のもの、形が細長いもの、丸型のものと様々でしたが、それに関係なく「島かぼちゃ」として同じ箱に入っていたのには驚きでした。あっさりとした味わいで、煮物として食べる習慣はなく、スープに入れて食べるのがほとんどだそうです。
「ナーベラー」はヘチマの幼果を野菜として食べます。トロリとした食感はクセになる美味しさで、よくみそ炒めなどで食べていました。ヘチマを食べる文化は沖縄特有ですね。
紅イモも発見!今は「ちゅら恋」という品種が人気。今までの紅イモは、甘みが少なくおいしい芋という認識はなかったそうです。沖縄の人たちは、果肉の色を重視するそうで甘みは求めなかったんだとか。しかし「ちゅら恋」は、甘みもあっておいしい紅イモとして人気が伸びているそうですよ!また、沖縄ではイモを蒸す習慣がなく、天ぷらとして食べるのが主流。色を重視する理由も納得ですね。
島らっきょうは、沖縄本島中部から船で約30分の場所にある伊江島という離島で盛んに栽培されています。以前行ったことがあるのですが、伊江島の島らっきょうは一度食べたらやみつき!塩漬けされた島らっきょうは絶品で、ご飯が止まらなくなります。甘酢漬けや浅漬けにしてもおいしいです。
最後に見せていただいたのが、レモン!「これ何ですか?」って聞いたほどでした。レモンに見えないくらい大きく、パパイヤかと思ったほど。沖縄はシークワーサーをレモンの代わりにしているのかと思っていたのですが、こんなに立派なレモンがあったとは驚きました!
市場に行くと貴重なフルーツや野菜があり、現地に行ったからこそできる新しい発見も勉強になりました。
沖縄旅行の際には、少し早起きして沖縄の食文化に触れてみませんか?もちろん、その後に行くのは青く輝く海!日焼け止め、お忘れなく!
熊本県まつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの佐藤真美でした。