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佐賀県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ・食育マイスター前田成慧です。
この度の北海道地震で被災された方々には心からお見舞い申しあげると共に
復興に尽力されている皆様には安全に留意されご活躍されることをお祈りいたします。
前編に引き続き「伊万里梨」についてご紹介します。
伊万里市の特産品「伊万里梨」の知名度と販売促進を担っているご当地ゆるキャラがこちら。
左から、なし万里くん・梨里(りりー)ちゃん・万梨之助(まりのすけ)くんです。地域のイベントに出没し「伊万里梨」をPRしています(2000年に登場し、JA伊万里に在籍)。なし万里くんのテーマソングと、なし万里音頭の2曲があり、特に「なし万里音頭」は農家の方々の大変さを歌詞に盛り込み、伊万里梨の豊作を願う歌です。
伊万里市南波多町にある「道の駅ふるさと村」では年2回「伊万里梨まつり」が開催されます。「幸水梨まつり」が8月4,5日、今年9月1,2日は「豊水梨まつり」で、旬の「豊水」を通じて生産者と消費者が交流を図り、多くのお客様で賑わいました。
「伊万里梨」の直売では、化粧箱入りの品質の良い梨から規格外のものまで様々な梨が揃っています。梨の皮むきレース(どのくらい切れずに皮をむけるか)や梨の重量あてクイズ、詰め放題など、楽しいイベントもありました。
青いコンテナに入った梨は17kgほど入っており、お買い得価格で販売されます。毎年「伊万里梨」を求めて福岡や長崎などの遠方からも人が集まります。
このように「伊万里梨まつり」で賑わう「道の駅ふるさと村」の隣には、大きな梨の選果場があります。伊万里梨の選果場は、「南波多選果場」「大川選果場」の2ヵ所あり、梨農家の数は南波多町で90名以上、大川町で60名以上、昨年の出荷量は南波多町で1470トン、大川町で940トン。昨年の総出荷量は約2400トン、その内約1500トンが幸水です(JA伊万里職員調べ)。西日本では最大級の梨の産地です。
選果選別前の「幸水」。伊万里市の中でも大川町は伊万里梨発祥100年を超え、歴史のある生産地。1906年に原野を手開墾して梨の苗を植えたことがきっかけだそう。
こちらは南波多選果場。
まず、選果場に着いた梨はひとつひとつ目視で形や色をチェックし、黒いトレーにのせられます。変形、黒星、シンクイムシ(持ち込むと罰金)、キズなど、規格外の梨は取り除きます。お盆前は毎日50~60トン、平均でも毎日20トンは選果選別されています。
こちらは大川選果場。
真剣な眼差しでひとつひとつチェックしてトレーにのせています。
黒いトレーには、バーコードがついており、レーン途中のセンサーによって識別されます。
梨などの果実に優しい無落差選別で、箱作りから箱詰めまで機械が行うフルオートシステム。測定関係は、外部品質センサー、内部品質センサー、重量センサーと選果選別システムが整っています。
手作業による選果の後は、カラーカメラ式の外部品質センサーで形状・着色・傷をチェック。その後、近赤外線透過光方式で梨の果実に光を照射し、糖度・酸度・内部品質を測ります。
これらのセンサーを通過することで、内部品質も外観も均一に保っているのです。
「フリートレー選別機のバーコード式」というシステムで、南波多選果場にはこのバーコードトレーが2万個あり、54レーンあるそうです。今回初めての大型選果場を見学した私、思わず興奮してしまいました。狭い範囲にレーンを長く作っているため、上下縦横無尽にレーンがあり、選果場に入った瞬間から圧倒されます。大川選果場にも1万5千個のバーコードトレーがあるそうです。
どんどん流れていくトレーは梨の果実を大事そうに運んでいき、箱に詰める作業へ。これも全てロボットが行います。下から箱が上がると蓋が開き、紙トレーが入ります。
梨は吸引されて持ち上げられ、箱の中に納まります。
こうして九州はもちろん、京浜、中京、関西地方へ出荷されていきます。
これから11月までの間、「新高」「新興」「愛宕」なども出荷されます。
左から、「幸水」「豊水」「あきづき」
初夏から晩秋にかけて品種リレーが楽しめる「伊万里梨」、太陽をたくさん浴びた甘い香りとみずみずしい味わいをぜひ堪能してください。まさに今が旬、様々な品種を食べ比べてみてくださいね。
佐賀県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ、食育マイスター前田成慧でした。