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こんにちは。
山梨県のまつのベジフルサポーター
ジュニア野菜ソムリエ・パンアドバイザーの村上由実です。
山梨県の県庁所在地甲府市には江戸時代末頃から人々に食べられていた伝統的な野菜があります。
それが「長禅寺菜」です。
「長禅寺菜」は、地菜の一種で、甲府五山(長禅寺、東光寺、能成寺、円光院、法泉寺)の1つ、「長禅寺」の前で栽培していたことから、その名が付けられました。
甲斐の名将・武田信玄公は、京五山や鎌倉五山にならって、甲府の5つの寺院(長禅寺、東光寺、能成寺、円光院、法泉寺)を「甲府五山」と定めました。
「長禅寺」は「甲府五山」の筆頭にあげられる名刹で、信玄公の母大井夫人の菩提寺です。
そんな「長禅寺」ですが、幕末の頃には荒廃してさびれており、それを再興しようと、立ち上がったのが当時の鈴木主圭住職。
門前で売られていた漬菜に注目し、境内で栽培し塩漬けにして販売して得た資金で、見事再興を遂げた、と言われています。
そこで栽培されていた漬菜、それが「長禅寺菜」です。
ところが、近年では市場にもほとんど出回らず、甲府市内で種が売られているのも1店舗のみ。
いつのまにか「長禅寺菜」の存在を知る人はほとんどいなくなってしまいました。
そこで立ち上がったのが、「山梨県埋蔵文化財センター」の方々。
数年前から「長禅寺菜」を復活させるプロジェクトを開始しました。
そして、そのプロジェクトの1つとして開催されたのが、2016年11月20日に開催された「ひらけ!玉手箱2016」。
イベント内体験ブースの1つ「長禅寺菜復活祭」に甲府市×野菜ソムリエプロジェクト「こうふるふぁーむ」として、お手伝いさせていただきました。
ブースの奥には、「山梨県埋蔵文化財センター」の方々が育ててくださった大量の「長禅寺菜」が並び、お土産用に小分けにして袋に入れました。
「長禅寺菜」はカブの仲間です。
比較用に並べてみました。
左がカブで右が「長禅寺菜」。
違い分かりますか?
播種後約60日後に草丈60~70センチメートル程で収穫しますが、プランターでも簡単に育てることができるそうで、ブースの前には、播種後40日の「長禅寺菜」をセッティング。
長禅寺菜を知っていただくためのPOPも忘れてはいけません。
レシピカードや、
栽培日記も準備。
私たちは、大切に育てられた「長禅寺菜」を使った簡単なお料理2品を、イベントに来てくださった皆様に提供しました。
1つ目は浅漬け。
「長禅寺菜」を市販の「麺つゆ」と「寿司酢」を1対1で合わせたタレに1時間くらい漬け込むだけ。
今回は今が旬の黄柚子の皮を刻んで入れました。
そして2品目は「長禅寺菜」をゴマ油で炒めたソテー。
甲州小梅とちりめんじゃこも加えました。
小さなお子様にも大人気!
「山梨県埋蔵文化財センター」の方々が準備してくださった箸袋には「長禅寺菜」の説明がびっしり!
皆様の熱い想いが伝わってきます。
食べてくださった多くの皆様に感想を書いていただきました。
そして、私たちは、こんな感じで皆様をお迎えしました。
普段家ではほとんど野菜を食べないと言っていた小さなお子様から、「地菜」として昔から「長禅寺菜」になじみのあった高齢の方まで、幅広い年齢層の皆様に「長禅寺菜」に触れ合っていただき、知っていただくきっかけを作れたかな、と自負しております。(笑)
この日お土産で「長禅寺菜」を持ち帰っていただいたご家庭の食卓には「長禅寺菜」を使ったメニューが並んでいることでしょう。
そして、種を持ち帰っていただいた皆様のお宅のお庭には、初夏の頃青々とした「長禅寺菜」が育っていることでしょう。
そんなことを想像しながら、幸せな気持ちに浸る私です。
(*)「こうふるふぁーむ」は甲府市農政課と連携しながら、地産地消の推進、甲府市産をはじめとする農産物のPRを行っている野菜ソムリエのプロジェクトです。
山梨県のまつのベジフルサポーター
ジュニア野菜ソムリエ・パンアドバイザーの村上由実でした。