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北海道のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエの福島陽子です。
北海道はいよいよ冬の寒さを感じる季節となり、露地栽培の農作物は最後の収穫期を迎えています。
今回は道南函館の冬のお漬け物には欠かせない伝統野菜、「函館亀田の赤かぶ」をご紹介致します。道南・渡島半島の気候は、対馬海流(暖流)の影響もあって比較的温暖で、雪の量も少ない地域です。
函館の赤かぶは、やや平たい扁球形で、鮮やかな紅色の皮と中を割るとやや霜降りが特徴的。今回ご紹介する函館亀田の赤かぶは、函館亀田地区の農家が自家採種を重ね、それぞれの味を継承している伝統野菜です。その歴史は古く、江戸時代、北前船で北海道渡島半島に種子が持ち込まれたと言われています。
11月初旬、函館市「坂口農園」を訪ね、代表 坂口剛さんにお話を伺いました。坂口さんは4haの圃場で亀田の赤かぶをはじめ、じゃがいも、とうもろこし、かぼちゃ、トマト、きゅうり、キャベツなどの農作物を栽培。冬には自分の畑で育てた赤かぶで千枚漬けを製造、販売されています。坂口さんのお祖母様の代から、約60年も作り続けている赤かぶ。坂口農園の赤かぶ千枚漬けは、赤色がとても鮮やかで食味もやわらかく、甘みと風味が強いのが特徴です。
平年では雪化粧されていることもある時期ですが、今年は暖かい日も多く、収穫作業も順調のようです。
赤かぶを引き抜き、赤い茎の根元を包丁でカットし、手際よくコンテナへ入れていきます。今年は10月に気候の良い日が続いたため、出来がいいそうです。収穫期は毎日朝から夕方まで収穫されています。お一人で1日1トン、1シーズンで10トンもの赤かぶを収穫されます。
毎年11月頃から収穫し、自社工場で赤かぶ千枚漬けに加工します。取材した11月初旬は、坂口さんが収穫を担当され、坂口さんのお父様が自社工場で本漬け前の塩漬けをされている時期でした。約1カ月本漬けして12月から販売されます。
採れたての赤かぶを特別に試食させて頂きました。瑞々しくて甘く、パリッとした歯ごたえで深みのある味わい。
坂口農園の赤かぶ作りは、ほぼ農薬は使わず(発芽した時の1回のみ使用)、在来種で病気に弱いため、毎年畑を変えて連作を防ぎながら栽培されています。
赤かぶ千枚漬けの作り方は、お祖母様が作っていた頃と全く変わらず、添加物を入れない自然な味付けにこだわっています。(写真は昨年購入させて頂いた赤かぶ千枚漬けのパッケージです)
「やることは変わりませんが、自分の赤かぶはいいものだと思っているので、とにかく色々な人に知ってもらえればと思ってやっています。」冬の間も赤かぶ漬けの加工、販売にお忙しい坂口農園。これからも美味しい伝統野菜を受け継ぎ、ふるさとの味を届けて下さいね。
坂口農園から頂いた函館亀田の赤かぶで、即席千枚漬けにして頂きました。塩漬けなどを省き、お酒と砂糖、塩、レモン汁、細切り昆布、赤唐辛子でお手軽に作ります。ほんのりピンク色と赤かぶ特有の大人な風味。パリッとした食感に、箸がすすむ一品に仕上がりました。この冬、坂口農園の本場の「函館亀田の赤かぶ千枚漬け」を頂けるのを、楽しみに待ちたいと思います。
北海道のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエの福島陽子でした。