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こんにちは。
山梨県のまつのベジフルサポーター
ジュニア野菜ソムリエ・パンアドバイザーの村上由実です。
標高約950メートルにある「株式会社NSD」様の八ヶ岳ファーム。
こちらで育つ、春菊を紹介します。
北には八ヶ岳。
南には富士山。
そんな絶景が望める山梨県北杜市に八ヶ岳ファームはあります。
「株式会社NSD」様は、システム分析・設計やプログラム開発、コンピュータ室運営管理、ソフトウエアプロダクトなどを主要な業務とする従業員3,000人以上の企業。
そんな「NSD」様が、農業参入の拠点に選んだのが八ヶ岳の地。
山梨以外の関東某県も候補地にはなっていましたが、企業誘致に最も積極的であった山梨県をセレクト!
さらに、日照時間の長さと夏場の涼しさからこの八ヶ岳の地を選んだのだそう。
現在、春菊の他にも、ほうれん草やルッコラなどを栽培しています。
2012年に誕生した八ヶ岳ファームは、「三菱樹脂アグリドリーム株式会社」様の「ナッパーランド」という葉菜類用新方式養液栽培システムを用いています。
水分は井戸水に液肥を混ぜて循環していますが、収穫する2、3日前には液肥を減らし、シュウ酸・硝酸が少なくなるようにしています。
このためアクがなく生でも食べやすい野菜ができるのです。
ハウスに入ると、一面に春菊が広がっていますが、よく見ると、ブロックごとに微妙に大きさが違います。
こちらのブロックは定植後約10日。
こちらは、定植後2~3週間。
ブロックに分けることで、病気のリスクをさげることができるのだそう。
また、ハウスの温度は、5度、15度、26~27度が重要なポイントになっています。
この日は外もとても暖かったですが、ハウスの中は暑い・・・
ちょっと見にくいですが、約26度です。
すると突然上の窓が開く音が・・・
そう!ちょうど26~27度で、この窓が開き、換気をするのだそう。
そして、15度になると、下のネットが閉まります。
ちなみに、上のネットは遮光用。夏場の日差しが強い時期にはこれが閉まります。
そして5度になると暖房が入るようになっています。
春菊の「旬」といえば、11月~2月頃と言われますが、適切な温度管理をしながら1年中収穫することができるのです。
中でも特に収量が多いのは夏!
冬はゆっくり成長するため、定植から収穫まで1か月くらいかかりますが、夏は2~3週間。
このためたくさんの春菊を収穫することができます。
しかし!夏の需要はイマヒトツ・・・
残念そうに話をしてくださったのは、地元北杜市出身で、立ち上げ時から八ヶ岳ファームを守り続けている所長の浅川さん。
春菊は、寒い時期に「鍋に使う野菜」という印象が強すぎるせいかもしませんね。
また、こちらで育った春菊は、以前「サラダ春菊」という名前で市場に出ていました。
しかし、「サラダ」と付くと、「サラダでしか使えない」と思い込んでしまう人や、「サラダ以外で食べるイメージが浮かびにくい」という人も多く「サラダ」とは付けないほうが良いとの助言をいただいたそう。
そこで考えた名前が「そのまま春菊」。
これなら「サラダ」に限定されない印象を持っていただけるでしょうか。
ここで、多くの皆様に身近に感じてもらえるよう簡単な食べ方をご紹介します。
まずは「春菊と舞茸のナムル」。
次は「春菊・白菜・豚肉の柚子胡椒炒め」。
春菊と白菜というと鍋にしがちですが、炒めても美味しいですね。
続いて「春菊とさつまいもの味噌汁」。
今回は火を止める直前に入れ、食感を残しました。
そして「春菊とリンゴのサラダ」。
ドレッシングには人参を使いカシューナッツも加えて食感に変化を加えました。
最後は「春菊のグリーンスムージー」。
加えるフルーツは、柚子・柿・リンゴにしました。
もちろんすべて山梨県産!(*^^*)
どうです?
これなら、普段の食卓にも春菊を取り入れられそうな気がしてきませんか?(笑)
八ヶ岳ファームには、現在15名のスタッフがいらっしゃるそうですが、そのうちの1人が、以前システムエンジニアとして働いていた山口さん。
実は「そのまま春菊」という名前を付けたのは山口さんなのだそう。
SEから農業事業担当へ。
全く異なる仕事ですが、とても楽しそうに作業をされていたのが印象的でした。
また、15名のうち12名は障がいのある方なのだそう。
「NSD」様では障がいのあるかたが活躍できる職場環境づくりを行っています。
私が訪問した日も、みなさん元気に「こんにちは~」と声をかけてくださり、生き生きと作業をされていました。
誰もが自信をもって仕事ができる場所として、八ヶ岳ファームのような場が増えていくと良いな、と思いました。
そして、八ヶ岳ファームでは、只今「クレソン」を試験栽培中。
あまり知られていませんが、山梨県の「クレソン」収穫量は全国1位です。
(平成26年産地域特産野菜生産状況農林水産省統計)
八ヶ岳ファームでの栽培が本格的に始まれば、「クレソン」の収穫量がもっともっと増えますね。
今後が楽しみです。
山梨県のまつのベジフルサポーター
ジュニア野菜ソムリエ・パンアドバイザーの村上由実でした。