千葉県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、アンチエイジングフードマイスターの栗原美由紀です。
種苗メーカー各社のオープンデーが開催されるこの時期、私は「みかど協和株式会社」のオープンデーに行ってきました。みかど協和株式会社は2007年に協和種苗株式会社と株式会社みかど育種農場が合併して設立された種苗会社です。野菜種子の売り上げが世界第二位のフランスLimagrainグループで、日本のみならず世界へ野菜の種子を販売しています。
オープンデーが開催された袖ヶ浦農場は木更津インターチェンジから車で約15分、とてものどかな場所にあります。会場には、展示栽培や青果物の紹介、新品種やおすすめ品種の紹介など、たくさんの品種が並んでいました。ハウスの中を覗いてみると中央には巨大なアーチ。よく見てみると手のひらサイズの可愛らしいカボチャの実が宙に浮いています。
こちらは「坊ちゃん」。果重が500グラムほどのミニカボチャです。果皮が黒緑色で、果肉は濃い黄色、甘くてホクホクしているのが特徴。通常のかぼちゃに比べるとかなり小さいので丸ごと電子レンジでも調理でき、お料理のバリエーションも豊富な食べきりサイズです。栽培上で大切なことは、同じ大きさの葉が最後まで続くように肥料切れしないこと。収穫の目安は着果後40~45日。へたの部分が半分以上白くなってきた頃。
ここまで白くなっているものは採り遅れで貯蔵期間が短くなります。
通常収穫してから1週間追熟させると美味しく味わえます。野菜は新鮮が一番ですが、カボチャは追熟させると糖度が増します。ひと月貯蔵が可能なのが嬉しいです。坊ちゃんカボチャには300グラム前後で香りのよい赤皮の「赤い坊ちゃん」と400グラム前後で白皮の「白い坊ちゃん」の品種もあります。
安定した収量で高い耐腐敗性があるので、適期に収穫して貯蔵環境を整えれば、3ヵ月以上貯蔵可能。出荷時期に幅をもたせられることが可能な粉質系カボチャです。花落ちが小さいので、見栄えがとても良く、腐敗しにくい上、食味はほっくほくでとても甘いです。
裂果や空洞化の発生が少なく、作りやすい大玉トマト。草勢はおとなしめで小葉で過繁茂になりにくく、果実は硬く、店持ちがいいそうです。味はコクがあり、甘みが強いですが、酸味とのバランスが良いです。
こちらの「CF小鈴」は、食味の良い促成で越冬向けの品種。
着果性がよく、果房あたり20〜30果前後で安定するそうです。味は濃厚でとても甘いです。
栽培展示ブースでひときわ輝いていたのは、つやつやの色白美肌美人のダイコン。
形状が美しく、光沢があり、揃いがよく出荷時の選別がしやすいもので、「里誉」から始まり、「福誉」「徳誉」「青誉」と、美白&美肌ダイコンの誉シリーズでリレー出荷も可能です。
その中でも「福誉」は、美肌ダイコンの元祖。美しいですね。
彩り鮮やかな黄金色のニンジン、金美EXの後継品種として開発された新品種「金美プラス」。
春夏まき兼用で播種後90〜100日で収穫できる極早生品種です。一般的な品種に比べてルテインの含有量が高いのが特徴で((財)日本食品分析センター調べ)、肉質は柔らかく、甘みが強いので、サラダはもちろん、ジュースなど色を生かした加工品にも向いています。
円筒形の代表格「カトリーヌ」。
栽培や作業の面からも扱いやすく、調理の面でも同じサイズに切れて無駄な部分が少ない。株間を調整することで様々なサイズに栽培が可能です。
キャベツのコーナーには冬どり寒玉系品種で、全日本野菜品種審査会で1等特別賞を2回受賞した品種「冬美」が並んでいました。
低温肥大性に優れ、収量性が高いだけでなく、なんといってもその美しさ!特に美しいのはお尻。
お尻の綺麗な冬美は、芯が短めでボリューム感があり、カット販売にもお薦めだそうです。
ここからは新品種のレタスをご紹介します。まずは「ショーダウン」
安定して発色するレッドロメインです。収量性が高く、春、秋、冬の三季採り。
「フランビーノ」
高温栽培に向くレッドオークレタス。柔らかい食感が特徴でサラダに添えると色どりが美しくなります。
「ナバロン」
葉枚数の多い、シャキシャキの食感のグリーンリーフ。
猛暑に負けない超極晩抽品種(薹立ちが遅い)のグリーンリーフ。高温化でも緑色が綺麗に発色します。肉厚で硬さがあるので加工用にも適します。
「ブラックホーク」
葉に照りがあり、鮮やかな濃い赤が特徴。抽だいが比較的遅く、高温期に強いです。葉の縮みが独特で、サラダのボリューム感をアップさせます。
青果物コーナーにはたくさんのトマトが並び、それぞれ味見をさせていただきました。
たくさんのお野菜の入った豚汁、クラッカーにはひなたトマトのジャム、にんじんのゼリーなど、野菜ソムリエプロの方が考案されたお料理もいただきました。
生産者、流通業者、生活者、それぞれの立場における魅力ある品種、付加価値の高い品種とは何か。野菜ソムリエプロとして種苗会社から生産者、生活者までの声をつなげられるようにしていきたいです。
千葉県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、アンチエイジングフードマイスターの栗原美由紀でした。