まつのベジタブルガーデン

兵庫県凍てつく寒さでうま味が増す”岩津ねぎ”

まつのベジフルサポーターレポート

皆さま、こんにちは。
兵庫県のまつのベジフルサポーター野菜ソムリエプロの河内郁子です。

今年も兵庫県の美味しい特産物のご紹介をしていきますので、どうぞよろしくお願い致します。

今回は天空に浮かぶ城として有名な「竹田城跡」を望む兵庫県朝来市の特産”岩津ねぎ”のご紹介です。

岩津ねぎの歴史は古く、江戸時代現在の兵庫県朝来市生野に代官所がおかれ、その役人が京都から九条ねぎの種を持ち帰り、佐渡金山、岩見銀山と並び徳川幕府の財政を支えていた「生野銀山」の労働者の冬の生鮮野菜として朝来市岩津周辺の農家に栽培させたのが始まりです。

その後は他品種のねぎとの自然交配と朝来市の気候、風土などにより、現在の岩津ねぎの原型ができ、品種改良も進みうま味や甘さがある柔らかい岩津ねぎが誕生しました。

歴史ある岩津ねぎの出荷最盛期を迎えた朝来市岩津ねぎ生産組合米田隆至組合長の畑を見学させていただきました。

遠く竹田城跡を望む場所に一面に広がる岩津ねぎ畑。現在生産者の方は約250名で、作付け総面積は28~30haほど。一時は面積が激減し「幻のねぎ」といわれていましたが、現在では岩津ねぎの良さが見直され作付け面積も増えてきているそうです。

3~4月に種をまき、6月中旬〜7月に苗を植え付け、大切に育てられます。ブランド力向上のために出荷規格が統一され、2014年から設けられた11月23日の出荷解禁日から3月下旬まで地元や京阪神を中心に出荷されます。

岩津ねぎは根深ねぎ(白ねぎ)と葉ねぎ(青ねぎ)の中間種で総丈が約100㎝前後とかなり長めのねぎ。
軟白部分の長さは約25~30㎝ほどで、直径は2㎝以上。肉質はとても柔らかで、葉の部分も大変柔らかく香り豊かで、茎から葉まで全ておいしく食べられます。


栽培においては白い軟白部を作るのに約4回ほどの土寄せを行います。また、丈が長いため霜や雪に当たって葉先が折れ過ぎてしまわないように、支柱を立てシートで保護するそうです。

畑の岩津ねぎを見ると葉先が黄色くなっています。これは美味しさのバロメーターで霜や雪に当たると
黄色くなるそうです。「寒くなると葉の部分を切るとトロと言われる液体が出てきます」と米田さん。



「岩津ねぎはトロが多いのが特徴。
トロを多く作るには葉の直系を大きくすること、そして品質の良い岩津ねぎを作るにはやはり有機質のものを使った土づくりが大事なんです!」と教えていただきました。

朝来市は兵庫県の中でも寒さが厳しく降雪もある地域。霜や雪に当たるごとにうま味と甘味が増すので、太く柔らかい岩津ねぎはこれからますます美味しくなっていきます。

作業所に入ると袋詰めの真っ最中。


岩津ねぎは洗わず、1本1本エアーで外葉を取り除き、丁寧に拭いてから、長い葉を傷めないようにサイズごとに袋詰めしていきます。全て手作業なので本当に大変です。丁寧に袋詰めされ、段ボールに梱包して出荷されます。


白と緑のコントラストがなんて綺麗なのでしょう!

今まで店頭に並ぶものしか見たことがなかった私は、1本の岩津ねぎにかける生産者の方のご苦労を知り、大切にいただかなくてはという思いで帰路につきました。
そして早速お料理開始!

岩津ねぎは鍋料理はもちろん、炒める、焼く、揚げるなど、どんなお料理にも合います。葉の部分は刻んで薬味に。


<岩津ねぎの柚子味噌焼き>
じっくり練り上げた玉味噌に柚子皮を入れ、岩津ねぎにのせ焼いたシンプルな
一品。焼くことで岩津ねぎのトロリとした柔らかい食感と香り豊かな味が
柚子味噌の芳ばしさと良く合います。

<岩津ねぎの串かつ風>
岩津ねぎを串に刺しパン粉をつけて串カツ風に。揚げることでさらに岩津ねぎの甘味が感じられます。

<岩津ねぎと小エビのかき揚げ>
生産者の米田さん一押しの岩津ねぎのかき揚げ!
サクッ!と揚がったかき揚げは岩津ねぎの甘味や香りを引き立たせてくれます。

<岩津ねぎとチーズの肉巻き>
岩津ねぎの葉の部分をチーズと一緒に豚肉で巻き上新粉をつけてカリッと
焼き上げました。葉の部分のトロリとした食感とチーズが良く合います。

<岩津ねぎとあさりの酒蒸し>
蒸しても香り豊かな岩津ねぎ。あさりの酒蒸しもねぎを加えることで
さらにうま味と香りが引き立ちます。


<岩津ねぎと旬野菜のせいろ蒸し>
旬野菜とともにせいろで蒸して、葉の部分を刻んで入れたぽん酢を添えて。

さまざまなお料理で、太くて柔らか、香りが最高の岩津ねぎを存分に味わうことができました。冬の凍てつく寒さでますますうま味と甘味が増していく岩津ねぎ3月下旬まで出荷が可能です。

今回訪問させていただきました朝来市岩津ねぎ生産組合組合長の米田隆至さんから「大切に育てた今の時期にしか味わえない美味しい岩津ねぎを全国の皆様に食べていただきたい」とメッセージをいただきました。ぜひ一人でも多くの方に味わっていただきたいです。

<お問い合わせ先>
兵庫県朝来市物部1094
兵庫県朝来市岩津ねぎ生産組合
組合長 米田隆至

電話番号 
090-2591-5002
http://iwatsunegi.jp/

兵庫県のまつのベジフルサポーター
野菜ソムリエプロ
河内郁子でした。

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