まつのベジタブルガーデン

長野県松茸を超える?!幻のキノコ『香茸』

伝統野菜・食文化
みなさま、こんにちは。
長野県のまつのベジフルサポーターアクティブ野菜ソムリエの戸谷澄子です。

私が住む長野県では、朝晩の気温が一気に冷え込み山の紅葉も始まりいよいよ秋真っ盛り。先日、キノコ歴30年の名人の案内で、1山で60種類もの食用キノコが採れるという、タカラのような山へキノコ狩りに行ってきました。

突然ですが、みなさん、「コウタケ」ってご存知ですか?

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私は初めて知りました!!人によっては、「松茸以上に風味が強く美味」と絶賛されるキノコなんだそうです。
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こんな風に生えていました。黒くて大きくそのカサは直径10~20㎝あります。中央は窪んでいて、表面は鱗みたいな突起がありゴツゴツしていてまるでゴジラのよう。コレ、本当に食べられるの?!って思っちゃいますよね…。

コウタケは、ごく一部の山にしか生えない貴重な天然キノコ。その特徴はなんといっても独特の香り。漢字で『香茸』と書きます。キッチンに置けば、あっという間に家中が香茸の香りいっぱいに!!天日干しして乾燥させると、更に香りが良くなるんだそうです。
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香茸は、ほろ苦さもあるキノコです。この苦みは一度さっと茹でることで取れるので、一般的には下処理をして料理に使われます。しかし「茹でると香りが半減する!」といい、食べ慣れた方は生のまま料理する人も多いようです。乾燥させて使うときは、もどし汁を2回程かえてしっかりアクを流して使います。

香茸はマツと広葉樹の混生林に生えます。が、1年のうちでたった1週間程度。その場所が分かっていても、収穫のタイミングを外したり先客に採られてしまっていたらもう会えません。知る人ぞ知る幻のキノコと言われ、収穫できた年は丁寧に天日干しして保存し、お祝いの席やお正月などに、おもてなし料理として振る舞われたりするそうです。道の駅や直売所などで生や乾燥も販売されています。 見つけてみてくださいね。

さてさて、そんな貴重なキノコをたっぷり収穫し、ウキウキでお家へ帰ってさっそくお料理。今宵は天然キノコ尽くしだぞ~
香茸のお天ぷら
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天ぷらはキノコ名人もおススメの食べ方。噛んだ時に口いっぱいに広がる香り。そして、サクッとした歯ごたえ。大変美味でございます。

香茸のバター炒め
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これは、地元の蕎麦屋のおかみさんに教えてもらった食べ方です。バターでさっと炒め、塩・胡椒で味付け。香茸のコリコリとした歯ごたえがイイ!! 白ワインでスッキリいただきました。

そして、干した香茸で香りを活かし
香茸の炊き込みご飯
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具はシンプルに人参、油揚げを加え、醤油・酒・少々の塩で炊きあげました。

香茸とアスパラのクリームパスタ
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香茸、アスパラを炒め、生クリームとたっぷりのパルミジャーノで・・・
この他の料理として地元では香茸のお吸い物、香茸の甘辛煮など、よく食べられるそうです。

キノコ狩りでは香茸の他に・・・
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ハナイグチ、アミタケ、ウラベニホテイシメジ、サクラシメジ。

そしてまた翌週も名人と山へ。生えているキノコも一変し、
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ハナイグチ、コムソウ、クリタケ、ナラタケ、オニナラタケ、チャナメツムタケ、ムキタケと、たくさん採れました。いろいろキノコを使って
キノコのおろし和え
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天ざる蕎麦の箸休めに・・・日本酒にも合いますね

「ジコボウ」の味噌汁
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「ハナイグチ」信州では「ジコボウ」の名で親しまれています。朝、ジコボウの味噌汁だと、みんな急に食欲増進しちゃっておかわり、おかわり。作った私も、一気にテンションが上がります。

クリタケはシャキシャキした歯ごたえ。良いダシが出るキノコなので・・・
クリタケごはん
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キノコとカボチャをたっぷり使って
甲州名物ほうとう
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秋真っ盛り!信州の自然の恵みを存分に楽しんでみました。天然キノコはこの時期だけ出会える魅惑の食材。年に1度、秋の山歩きを楽しみながらキノコ狩りもいいですよね。一方、見分けの難しい毒キノコも多く山歩きは危険も伴います。キノコをよく知る方と入山したり、採取したキノコは鑑定してもらうなど安全を確かめてから食べてくださいね。皆さんもおいしいキノコ料理でこの秋を堪能してくださいね。

長野県まつのベジフルサポーター
アクティブ野菜ソムリエの戸谷澄子でした。

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