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みなさま、こんにちは。
北海道のまつのベジフルサポーター、シニア野菜ソムリエ、
6次産業化プランナーの田所かおりです。
北海道は雪が積もり、いよいよ厳しい冬の到来です。
多くの産直がお休みに入り、道産野菜がめっきり少なくなる時期ですが、そんな中、収穫期を迎えた白くシャキシャキとしたやわらかい食感が魅力の野菜、チコリを取材しました。
今回取材にご協力いただいたのは、中富良野町にある有限会社天心農場の
4代目北川和也さん。
主要生産品目は玉ねぎで、その他にチコリ、小麦、アスパラガス、カボチャ、山わさび、ごぼう、長芋など様々な作物を生産されています。
チコリ生産を始められたのは3代目のお父様。人を雇うことがきっかけとなり北海道の冬でも作れる野菜ということでチコリの生産を始められました。当時は近隣都市のシェフにも知られていないほど、希少な野菜でした。
チコリの栽培は一般的な葉物野菜に比べ、手間がかかります。
6月に種をまき、11月に根株を作り堀理上げ、葉を落とします。その後、低温処理をして休眠を破り、もう一度、根株を伏せ込み、光を当てず40日ほど栽培してやっと収穫となります。
根株の栽培中もご苦労が多く、発芽勢が弱く、雑草に負けないようにするため、除草作業が大変だったり、播種時期に干ばつが続くと、半分ほどしか発芽しなかったり、収穫前に遅霜に当たると全てトウが立ってしまい、根株として使用できなくなってしまいます。
普通に育っても、播種した株数に対し根株として使用できるのが7割くらい、チコリとして出荷できるのは半分ほど。栽培に手間もかかりますが、歩留まりも低い野菜なのです。
取材に伺った際、ちょうど伏せ込み栽培を見学できました。こちらがこれから伏せ込みする根株です。
太めのニンジンかさつまいも程度の大きさ。これを土に伏せ込みます。
湿度不足の状態で栽培すると、葉の表面からたくさん毛が生えて、ザラザラとして舌触りが悪くなるため、おがくずを15cm程被せて栽培します。
こちらが収穫期を迎えたチコリ。
白く美しい新芽が綺麗に並んで生えていました。1本ずつ掘り出して、根を切りパックに詰めて出荷します。
こうして栽培されたチコリの多くは東京や近郊のレストランで使われています。
北川さんは生のチコリだけでなく、収穫を終えた根を利用し、チコリを焙煎した加工品を作られています。
チコリの根を焙煎したいわゆる「チコリコーヒー」。フランスを中心に日本でもハーブを好む方に、コーヒーの代用品として親しまれています。
また、急須で淹れられる「チコリー入り玄米茶」も。玄米と焙煎チコリを混ぜ合わせたとてもやさしい味のお茶です。両方ともノンカフェイン飲料です。
今でこそ6次産業化といって、生産者さんが商品開発されるケースが増えてきましたが、これらの商品が30年以上も前に売り出されたとは驚きです。
さらに、チコリー飲料(コーヒー様)の機能性を大学で調べられており、継続摂取によるヒト介入試験の研究結果として、血糖値上昇抑制効果と整腸効果が確認されたことが示されました。
それを受け、北海道版トクホ「ヘルシーDo」の認定を取得。
一歩、いや二歩以上も時代の先をゆく取り組みに驚きました。
帰り際にいただいたチコリをグラタンにしてみました。
チコリは、生でシャキシャキっとした食感を楽しむのが一般的ですが、火を通しても美味しくいただけます。
購入後、光に長時間当たって緑色に変色したチコリは苦味が増してしまうので、油と一緒に調理して召し上がっていただくのがおすすめです。
そんな北川さんのチコリは以下のお店で2月くらいまで販売予定です。
◆フラノマルシェ
ファーマーズマーケット オガール
◆地元スーパーマーケット各店
天心農場
http://www.f-tenshin.co.jp/about.html
野菜としても、飲料としてもとっても魅力的なチコリ。ぜひ召し上がってみてくださいね。
以上、北海道のまつのベジフルサポーター、シニア野菜ソムリエ、
6次産業化プランナーの田所かおりのレポートでした。