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皆さま こんにちは。石川県のまつのベジフルサポーター 野菜ソムリエプロの本田智世です。
もっちり、シャキッの加賀れんこんその持ち味を活かしたレシピを ご紹介した前編に続いて、後編では、加賀れんこんの栽培の様子をレポートします。
【前編はこちら↓】
http://blog.matuno.co.jp/archives/1050394965.html
蓮根は葉っぱが大きいので風の強い河北潟では 不作につながってしまうんです。
【植え付けから収獲まで】
4月
種を蒔いて作るわけではないんですね。種を蒔いて栽培する方法だと効率よく収穫できる状態になるまで 3年程度かかるそうです。
5月
蓮根の芽の部分が伸びてきます。その頃は雑草も多くなります。機械は入れないので1本づつ手で 草を取っていきます。
6~7月
葉の後ろから白い花が咲きます。この花も商品として出荷されます。葉は光合成し、盛んにエネルギーを作りますが、まずは、れんこん自身が大きくなるためにそのエネルギーを使い、使いきれなかったものを逃がすために花を咲かるそうです。
7~8月上旬
さて収穫です。ですが、収穫する前に大切な事があります。 畑の表面にあらかじめ有機肥料を播いてから収穫作業を行うのです。(化成肥料だと強く効きすぎて根を傷めてしまうそうです)
収穫の際に土を掘り起こす作業を利用して、表面にまいた肥料が 一番下の層までまんべんなく混ぜるという工夫です。
一番下の層まで届いた肥料は成長の中期から後期に 効果があるそうです!つまり来季の肥料を今、撒いていることになるのですね。
そして話は収獲に戻り・・・7~8月頃のれんこんは澱粉が少なめです。まだ地上の茎の方に澱粉がありフルクトース(糖の一種で茎を折った時 に出る白い汁)が下におりてきて、酵素が働いて糊状になりれんこんが緻密になっていくそうです。
先っぽの部分を刺身で食べられるのは澱粉が少ないこの時期です。
なので…葉がある時期の蓮根は シャキシャキ!
9月中旬に葉が枯れてくると蓮根に澱粉が多くなりモチモチ!になります。
水掘りの収穫はウエットスーツを着て、手さぐりで土の中のれんこんを探ります。小さいわき目は上の方にあるので手に当たった抵抗でれんこんの向きを 確認し、ポンプの水圧で泥を落として収穫します。
そして、収穫後は畑の土の下の層から水を抜きいて土を締め、粘度を確保することも重要だそうです!
「昨年は6月下旬に強い風が吹いて葉が痛みました。しかし、肥料がまんべんなく入っていたおかげで、その後回復し、今年も美味しくできました」とおっしゃっていました。収穫したれんこんをザルに詰めトラックで納屋に運んで仕分けし、根を落として出荷します。
赤シブはれんこんが呼吸をするときに出す酸素が水中の鉄分と結びついてできる現象。生産者の方は、白さが身上の加賀れんこんの美しさを守るためにさまざまな工夫をされていますが、赤シブは、れんこんが呼吸をして元気な証拠です。
7月の夏場から厳寒期までずっと続く収穫作業・・・真夏もウエットスーツを着て、寒い真冬でも畑の水につかり、そして、雷が多い北陸・金沢、雷鳴がとどろく中でも収獲は続きます!けれども、良いれんこんができた時や お客さまに美味しかったよ。と言われた時、スーパーで買い物カゴにれんこんが入っていた時には苦労も吹き飛び、とても嬉しいとおっしゃっていました。この先、50年、100年続くため、環境を守るために、頑張っていく!と 笑顔で話されていたのがとても印象的でした。
石川県のまつのベジフルサポーター 野菜ソムリエプロの本田智世でした。