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全国の産地を訪ね歩く松野社長、今回はすでに春の兆しが感じられる熊本県へ。最盛期を迎えたイチゴ栽培の現場を訪問し、熊本県オリジナルの新品種に出会いました。熊本県のまつのベジフルサポーター佐藤真美さんのレポートです。
今回は、松野社長が熊本イチゴの新品種「ゆうべに」を視察。「ひのしずく」と「さちのか」を交配し、熊本県で開発された新品種です。
2014年に品種登録し、2015年に「ゆうべに」という愛称が決定しました。熊本の「熊(ゆう)」とイチゴの「紅(べに)色」を合わせたもので、華やかさと上品さをイメージして付けられています。大玉で、甘さと酸味のバランスがよいのが特徴で、果皮は赤く色づき、果肉も赤から白へのグラデーションがとてもきれいです。 この「ゆうべに」を作られている、菊池市の荒木いちご農園、荒木庸伸さん。
こちらのイチゴ栽培は白マルチが掛けられた、土耕栽培です。イチゴ栽培は、高設栽培と土耕栽培に分けられますが、なぜこちらは土耕栽培なのでしょう?こちらの農園では、イチゴの根域を制限しないように、土耕栽培に取り組まれています。そして地温を上げすぎないよう、白マルチを利用。一つの株から複数の枝が出た場合、一つの枝に花を咲かせ、しっかり実るよう集中させるため、余分な枝と花は落として行くそう。
その作業を一つ一つ手間をかけて管理されます。そのため、イチゴの一粒が大きく、イチゴの葉もピンと立っています。
糖度14度以上で、摘み取ったばかりの「ゆうべに」は、香りがよく、口の中に自然の甘酸っぱさが広がって、松野社長も納得の味!
さらに、苗の管理もされており、来期用の苗も栽培されていました。この時期の葉は赤く染まっていましたが、これは苗が眠っている状態だということ。眠らせることで、今後、眠りから覚めると、枝(ランナー)の出が良くなるとのことです。
そして、収穫されたイチゴは、一つ一つ選果しパックに詰めて行きます。
真っ赤な「ゆうべに」は、まるで赤いダイヤモンドのよう。美しく光り輝いていました。
こちらの「ゆうべに」は、贈答用としても人気なのだとか。
さらに、菊池市内にある「コッコファーム」では、荒木さんが作られた「ゆうべに」を使ったイチゴ大福が販売されています!この大福は、生クリームの甘さが控えめで、大きくて甘いイチゴが丸ごと入り、お土産にもオススメです。
荒木いちご農園では、「ゆうべに」を特別栽培として栽培しています。「イチゴは収穫したてが一番おいしいんです。でも採れたてはみなさんの口に入らない。だから、収穫したてから、みなさんの口に入るまで、いかにおいしく提供できるかを常に考えながら生産しています。おいしいものをおいしい時期に作ること、食べてもらえることが生産者としての使命だと考えています。」と荒木さん。
また、「イチゴの生産者は減少傾向にあります。父親から受け継いだ技術を20年後も笑って取り組めるように、技術向上を安定させたいです。そして自分が作った『ゆうべに』に関わらず、『熊本のゆうべに』が、全国のみなさんに選ばれるイチゴ、身近なイチゴとなってほしいです」とのことでした。
熊本のブランドイチゴ「ゆうべに」は、真っ赤で甘いだけのイチゴではなく、一瞬のおいしさをみなさんに味わってもらいたい、そしてこのブランドを守って行きたいという、生産者の思いがたくさん詰まっているのです。
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