その生産者のなかで今回は【JAしみずこん太部会】部会長の近藤喜美雄さんにお話を伺いました。
近藤さんは「こん太」以外にも柿や柑橘の栽培もおこなっております。ちなみにハウス内は温かいのですが、
大切な金柑の枝に引っかからない素材の上着を着用しお邪魔しました。
近藤さんのハウス内の様子です。いくつかある中で見学させていただいたこのハウスの広さは1200㎡。およそ150本ほどが植えてありました。通路は人が余裕で通れるほどゆったりしています。
実は「こん太」として出荷できる金柑は「施設栽培のものに限る」という条件があります。温室で温度管理しながら、雨風から金柑を守ることで柔らかな果皮に負荷もかからず、また傷もない
色艶の美しい果実に育つのです。イメージはまさに【温室育ちのお坊ちゃま こん太君】
金柑は実が付くまで何回も花を咲かせるなどミカンとは異なる性質もあります。大きな果実ほど高級品とみなされる傾向があるため金柑にとっても摘果はとても重要な作業になります。大玉に育った金柑はハウスの外からでもその鮮やかな実の様子が確認することができるほどでした。
糖度20度になるまでは樹上で成らせます。完熟出荷が条件です。この驚きの糖度は「こん太」の品種特性であり、サンプル果による糖度検査を行い、色づき具合で判断し収穫していきます。
実際の収穫の様子です。
糖度、色づきをクリアした金柑を一つ一つ見極めていきます。収穫の際にも金柑の枝や果実に細心の注意を払いながら、ゆっくりと作業を進めていきます。
収穫する金柑は軍手をはめた手でそっと手にとりハサミで切ります。切った枝部分が長いままでは収穫した金柑を傷つける恐れがあるため、さらに根もとぎりぎりで切り落とします。ミカンの収穫でも行われる作業ですね。
収穫した金柑を確認し、軍手でそっと砂埃を拭きます。とにかく扱いが丁寧です。そして収穫カゴをご覧ください。なんと布でカバーがついています。さすがお坊ちゃん収穫カゴに布団つき。
「こん太」はそっと置くようにカゴへ。投げたり弾ませたり転がしたりもせず「そっと置くように」収穫した金柑をカゴに入れていきます。近藤さんは柔らかな果皮を守るために「積み上げる」事も避けたいのでカゴの中で3段以上にしないそうです。
そして収穫後の「こん太」君はJAしみず柑橘共選場でも扱いは別格で一つ一つ人の手で仕分けられます。こんなに大切に扱われるなんて、ちょっと羨ましいですね。
近藤さんから「こん太」を頂きました。手のひらで大きさが伝わりますか?とても大きいですね。表面の滑らかさが伝わりますか?ツルツルの美肌で、表面の油胞もほとんどありませんよ。
せっかくなのでカットしてみました。果皮が極薄で確認が難しいほどです。
糖度計で計測してみました。なんとなんと「22.5度」でした。酸がほぼないため、余計に甘く感じるようです。食べた方が「こん太はスイーツ」と表現するのはそこに理由があるのかもしれませんね。
近藤さん一押しの食べ方提案を。なんと冷凍庫にいれるだけですが、これで簡単「こん太アイス」なのです。試してみましたが、半解凍のこん太を「アイスクリームに添えてみて」と笑顔で進めてくれた理由が分かります。出荷時期の限られるこん太ですがこれならいつでも食べられますね。
出荷は1月中旬から3月初旬~中旬まで。現在は静岡県内と京浜市場を中心に出荷されており、生産量が少ないため高級果物店を中心に販売されております。最近ではお問い合わせも大変多いそう。嬉しいですね。
また新たな展開として、金柑こん太の中でも【4Lサイズ】の特上品を名称【コンタ―レ】として販売されていくそうです。
金柑【こん太】【コンタ―レ】・これからますます飛躍しそうな予感ですね。
温室育ちの金柑「こん太」 ぜひ覚えていただけたら嬉しいです。
問い合わせ先:JAしみず様
http://www.ja-shimizu.org/
静岡県のまつのベジフルサポーター
野菜ソムリエ
キッズ野菜ソムリエ認定講師の
小櫛香穂(オグシカホ)でした。