今回、京都市北区上賀茂の北波さんの圃場と工房におじゃましました。
すぐき菜は、この地区に伝わるかぶの一種です。すぐき菜は、すぐき漬けとして加工されます。
すぐき漬は塩だけでつけるお漬物で、乳酸発酵により独特の酸味のある漬物になります。この酸味から〈酸茎菜 すぐきな〉と名付けられたとか。。
実は、すぐき漬けは、他の漬物と異なり、漬物店で漬けるものではなく農家でつけられるものなのだそう。
また、すぐきの種は、家に代々受け継がれてきたもの大切な種なのです。
種の違い以外にも乳酸菌の違い作り手の塩加減などそれぞれの農家には受け継いできた、守りたい味があるのです。よそのことはわかりませんが・・とお話しされながらでしたが、伝統的なすぐき漬について教えていただきました。
まずは、収穫のお手伝い。すぐき菜は、葉も使うのできれいな葉をのこしながら抜いていきます。
加工できる分のすぐき菜を収穫をしたらすぐに畑より運び出します。
工房についたらすぐに【面取り】加工が始まります。包丁一本で器用に面取りをされるこのスピードが速くてびっくり。
機械化も考えられたようですが、すぐきの種は、自家採取して守ってきたもの形も大きさもそれぞれ違うため、手作業になるそうです。
面取りしたすぐきをさらに皮を美しくむき【荒漬け】します。
荒漬けの樽は、とても大きく大人人が4~5人は入れそうなお風呂サイズ。
ここにすぐき菜と塩をして並べていきます。
次の日、ひとつひとつ水洗いをしてようやく本漬けの作業。
小さめの樽にうつし、てこの原理を利用した天秤で重しをかけ漬けこんでいきます。最近では、この天秤を利用せず機械化されているところも。樽の上と下では味が変わるため、ゆっくりと重しをかけて調整されているそうです。
追い漬けを繰り返しわらを樽の間に詰めて【室】の中で練炭と使い温度を上げて、発酵をさせます。
今では、練炭ではなく電気を使うところもあるそう。伝統を守るための方法は
いろいろありますが、昔ながらの方法を守るのは作り手の思いしかないのかな・・と思いました。
このように手間をかけてできあがるすぐき漬酸味を楽しむお漬物です。
こちらの北波さんでは自然な発酵で漬けこむ【時候熟れ】も用意されているそうです。
京都すぐき樽元
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京都府のまつのべジフルサポーター・シニア野菜ソムリエ・管理栄養士の中本絵里でした。