<< 前のページへ KiMiDoRi研究室 - 川内村植物工場便りの記事 次のページへ >>
2013年 4月 18日 (木)

分析装置の取扱い説明会【4月18日 川内村植物工場便り】

by KiMiDoRi研究室

株式会社KiMiDoRi所属の兼子です.
本日川内村植物工場では,分析装置の取扱い説明会がありました.
こちらがその装置です.


イオンクロマトグラフィーという装置で,KiMiDoRiでは主に培養液の成分分析に使用していく予定です.

「培養液」は,読んで字のごとく「培うための養分を供給する液」の事です.
本植物工場では,栽培はすべて水耕で行い土を使いません.植物に必要な水分酸素そして養分はすべて培養液から供給されます.


このように栽培ベッド内は培養液で充たされています.

土耕では土壌から供給される肥料分が,水耕では培養液から供給されるため,その維持・管理はとても重要です.本植物工場のシステムでは水温,pH,培養液濃度は自動で制御されています.


これが培養液タンクと制御装置です.

植物は成長するために水や養分を根から吸収するため,吸った分,成分と水は減っていきますが,あらかじめ濃い濃度(写真のタンクに入っているのは100倍液)の培養液を作っておき,それと水を足すことで一定の水量と培養液濃度が維持できるようになっています.しかし,培養液の成分バランスまでは制御できません.

土耕でも,特定の肥料の与えすぎや不足は収量・品質に影響を与えますが,同じように培養液の栄養のバランスが崩れると収量・品質に影響を及ぼします.植物は種類や生育ステージ,環境によって吸収する栄養成分の比率が変化する事もあるため,気づかないうちに培養液中の成分バランスが変化してしまう場合があるのです.

安定した収量・品質を保つためには,常に一定の比率で栄養成分が培養液中に存在するよう,イオンクロマトグラフィー等分析機器を用い,培養液中の成分量を監視する必要があるのです.


<< 前のページへ 次のページへ >>









RSS