秋田産地視察報告
by トマトラヴ
部会長の兎田さん
綺麗にそろったトマト
ハウスの前には県の認証である特別栽培農産物を作る畑であることの証明書が 掲げられています
これがポークランドで出た糞尿からできたBM活性水。
理科の実験室みたいです
大きさや色、形のチェックをして、流れる黒いトレーにのせていきます
早い..
夏場気温が高いので、これくらい青い状態で出しても 東京につくころには綺麗に色が回ります。
2〜3時間でもここまで色が変わります。
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秋田県JAかづのトマト生産部会
十和田八幡平国立公園を有する自然豊かなかづの。
ここにあるJAかづのトマト生産部会は、資源循環型農業で、美味しいトマト作りをしている産地です。
この地域には、ポークランドという大規なSPF養豚団地があり、そこで出る糞尿の処理施設が隣接されており「BMW技術」というものにより、完熟堆肥や活性水などが作られています。
部会では、その堆肥や活性水をそれを畑の野菜作りに利用するというものです。
今回お話を伺ったのは部会長の兎田さん
若いころはアパレルメーカーに勤務していたのだそうです。
そこからトマト作りに方向転換。今では部会長として部会を統率しています。
兎田さんのハウス。
トマトの丈がきれいにそろっています。
樹の高さもそうですが、ついている玉も横一列綺麗にほぼ同じ高さに揃っています。
こうい部分で、トマトに手をかけていて、トマトの作り方が上手であるということが分かります。
2段目までは収穫が終わっていました。
これは3段目のトマト。
玉が大きくなり、後はおひさま待ち。という状況。
曇天が続いており、色がなかなか回らないようです。
これがポークランドで出た糞尿からできたBM活性水。
BMWとは
B・・バクテリア
M・・ミネラル
W・・ウォーター
の略で、土の中のバクテリアと、石のミネラルを利用して汚水を浄化するシステム。
微生物の力で、糞尿を分解させ、様々な石を使って濾過。
その石のミネラルが溶けだしさらに微生物を活性化させます。
そうやって作った活性水はアンモニア臭的なものは全くありません。
ミネラルがたっぷり入った魔法の水。
養豚場ではこの水を飼育している豚に薄めて飲ませているのだそうです。
豚に飲ませると、腸内細菌が健全に形成されて生育がよくなり、健康な豚になるのだそうです。
豚舎の洗浄にも使われているのだそうです。
これを野菜にも利用。
ミネラルの働きにより、トマトの生育がよくなり、さらに、そのミネラルを吸収して栄養価の高いトマトができるのだそうです。
かづのでは、トマト部会以外にも、きゅうり、桃、トウモロコシ、アスパラガス、米の栽培で、このBM活性水とBM堆肥を利用しています。
農協では、土壌検査をしていました。
畑の土を採取して、試薬で検査するもの。
土の中の養分を測定し、その畑に必要、不必要な要素を割り出し、肥培の指導に役立てます。
生産者から持ち込まれたトマトは、まずパートの方々による目視での仕分けがされます。
大きさや色、形のチェックをして、流れる黒いトレーにのせていきます。
その後、カメラによる形状チェックを通り、規格ごとに区切られたエリアでお皿が傾きトマトが流れる仕組みになっています。
トマトが固くしっかりしているたため、コロコロ転がっても傷むことがありません。
トマトが規格ごとに分かれてからはその規格ごとに担当しているパートさんの手詰め作業。
同じ等級のトマトを決められた箱に決められた並べ方でどんどん箱に詰めていきます。
夏場気温が高いので、これくらい青い状態で出しても東京につくころには綺麗に色が回ります。
窓からのぞくと、箱詰め作業のところにあるトマトよりも色が付いています。
外気が温かいこと、収穫されたトマト自体も熱を持っているため、
2〜3時間でも色が変わります。
7月に入ってからほとんどと言っていいほど太陽が出ていない天気が続いており、生育が遅れていること、曇天による生育不良で、花が落ちてしまっているところや、カビによる病気の発生なども見られました。
最近はカビの病気に抵抗性のある品種なども開発されており徐々にそちらの品種にシフトしつつありますが、畑によって向き、不向きもあり全部がその抵抗性のある品種というわけではありません。
このため、例年の同じ時期に比べて収穫量がかなり落ちているようです。
栽培技術がよくても、品種が優れていても、やはり一番は天候(おひさまの力)であることを、産地に行ってさらに強く思いました。