<< 前のページへ 2010年3月の記事 次のページへ >>
2010年 3月 22日 (月)

地下より生まれる妖精(東京うど:須崎農園)

by ちゃーりー

0.jpg
この下に
東京うどの畑が・・・
1.jpg
とってもなが〜い梯子
登場!
2.jpg
気分は、
トレジャーハンター
3.jpg
見上げると
太陽の光がこんなに眩しい
4.jpg
まるで・・・
ニョロニョロ!?
5.jpg
穴の中は
結構な広さ
6.jpg
うどの 「芽」
7.jpg
収穫した後の根株は
すべて穴の外へ
8.jpg
案内して下さった恒子さん
出荷を待つ 東京うど
9.jpg
須崎さん
JA商談会まで押しかけ
お話伺ってしまいました
東京うど
食べたことありますか?
どんな風に育つのか 想像したこと ありますか?

以前ブログで一度ご紹介いたしましたが
今日はその第二弾。

東京 立川にある「須崎農園」では、 
地下穴蔵(ムロ)で、
周年東京うどの栽培をしています。
須崎さんがJA商談会ブースへ急遽出席となったため、
この日は奥さんの恒子さんが案内をして下さいました。
 
家の横を抜けて、ひたすらまっすぐ。 
5分ほど歩いて行くと、少し傾斜のある丘へ出ます。
 
うどの畑は足元にあり。
穴の深さは、3メートル以上。
日光が穴の中に入らないように、
布を何重にもかぶせてあります。
この穴は、掘られてから40年以上。
当時は機械もないため、手掘りで穴を掘ったのだとか。

温度調節のための空気穴用ポールは、3m以上。
抜くだけで一苦労。
このポールのおかげで、
夏は涼しく、冬は暖かい気温に保たれます。

次は、3m以上のはしごが登場!
相当な大きさですが、
ひょいと持ち上げる恒子さん・・・さすがです。
うどの収穫は、深い穴から地上へ持ち上げるため、
いつも二人で収穫作業をするのだそう

一度、旦那さんはまだ穴の中でいるのに 
うっかりこのはしごをはずして 
家に帰ってしまったことがあるらしく・・・
主人はその話をあちこちでするんですよ・・・
と恥ずかしそうに笑っていました。

きっと、けんかした日の収穫は
どきどきものでしょう・・・(笑)

 
穴から見上げた穴、太陽の光がまぶしい。
穴の中は1mほどで、かなり低く
中で4つに分かれています。
にょきにょきと映えている 色白のうどとご対面

何かに似ている・・・
あ、ニョロニョロ!?
そう、ムーミンに出てくるあの妖精です。
 
石つき部分より刈り取って収穫。
収穫は、ロウソクの明かりを灯して行うのだそう。
酸素がなくなったら、
ロウソクの火が消えてわかるでしょう ・・・と
笑いながら言われていますが、
まさに命がけで育てていることがよく分かりました。
 
近辺は、関東ローム層 という 赤土の層
土粘土質のため、掘っても崩れにくく、
穴を掘っての栽培に適しており、
まさにうど栽培に最適の土地。
ただ、どこを掘っても というわけではなく
じゃりがたくさん出て
穴に出来ない箇所もあるそうです。 

さて、
うどには種がありません。
根から出る芽が育ち、うどになるのです。

この芽を増やすために、
根株を育てることから うど栽培は始まります。
春に地上に植えつけられた「芽」達は、
太陽の元ですくすくと成長します。
そして、冬が来て、葉は枯れた頃、
地下に眠る「根株」が掘り起こされます。
この根株から出る「芽」が大きくなり、
「1つの芽」が「1本のうど」に育ちます。
芽の大きさで、育つうどの太さが決まるのだそうです。

一芽ずつに切り分けられた芽は、
満を持して 「地下穴蔵(ムロ)」の中へ・・・

そして30〜40日かけて、成長していきます。
なんと、根株作りから数えると、
1年余りの期間をかけて育てられているのです。

収穫した根株は、芽の大きさを見ながら 
1節ずつ切りわけていく
木株の上で かたい根を切る作業は、
かなりの重労働・・・
 
切り分けられた「芽」は、
根株収穫用 と うど栽培用に分けて 
0度の冷蔵庫へ保管し、少しずつ大切に植え付け。
これにより、
一年中東京うどを栽培・出荷することができます。
(ただし夏〜秋の収穫量は少ないようです)
冷たい冷蔵庫の中に入れていても、
時間が経つと 芽が育ってくるのだそう。
生きているんだなあとしみじみ。
 
根株は一度しか芽が出ないため、
収穫した後は、掘り出して穴の外へ
穴のまわりには、
掘り出した根株がたくさん積まれ山になっていました。

そして、箱詰めをして出荷
東北から、九州まで 
あちこちでお客さんが待っています。
直接農園にに来られるお客さんも多く、
1本単位から販売してくれるそう。

須崎さんには、
JA国産農畜産物商談会 会場内
でお会いすることができました。
ブースでは、サラダでうどを出されており
生で食べられるものめずらしさに、
なかなかの反響だった様子。
もっと東京うどを広めて、
いろんな人に美味しさを知ってもらいたい
と熱く語って下さいました。

6月まで収穫量は安定しているとのことですので、
もっと食べていただけるよう、店舗様にご案内していきたいと思います。


農園へ行った日の夜は、
まつのの野菜を使ってくれている 「AEN 芝離宮店」さんへ
昼に見に行った 「須崎農園の東京うど」づくしのお料理を、特別に作って下さいました。

私は残念ながら行けなかったのですが、
昼間に、うどを見ながら 
食べたいなあ、美味しいだろうなあ・・・ と想像していたので大満足だった様子!
AEN 芝離宮店の料理長さん・皆さん
美味しいお料理をありがとうございました。


うどの大木 なんて言いますが、
東京うど は、皮から穂先まで丸ごと食べられる、素晴らしい野菜なんです。

地下から生まれる妖精のような野菜 「東京うど」

ぜひ味わってみて下さい。


<< 前のページへ 次のページへ >>









RSS