<< 前のページへ 2012年9月の記事 次のページへ >>
2012年 9月 15日 (土)

南郷の赤い宝石

by archives

これから、秋の味覚が楽しみな9月中旬。
夏秋トマトの一大産地、私の出身県でもある福島県 南会津に行ってきました。




南郷の赤い宝石とは・・・【南郷トマト】


南郷(なんごう)は、福島県の南西部に位置する標高350〜900mの高冷地です。
昼と夜の寒暖の差が激しく
旨味がギュッと凝縮されたトマトを栽培できます。
これからの時期、寒さの中、じっくりと育てるため、
糖度が増しておいしいトマトが栽培されます。


私が訪れたこの日は、日中と夜の温度差は17度
ネットで覆われただけのハウスの入口は、
夜になっても閉めることはありません。



あえて厳しい環境におくことによって強い茎が育ち
大きくてかたちの良い美味しいトマトが多くできるのです。

なんと・・・昨年の集中豪雨では、ハウスの半分以上が水に浸かり、
そのシーズンのトマトはほぼ全滅したと思われたのですが、
沢山の人の力と強いトマトの生命力によって
見事にまた花を咲かせ、
トマトを実らせたそうです。



さて、今回、最も楽しみにしていた
南郷の広くて大きな選果場についてご紹介します。

トレーサビリティのシステムが進歩しており、
選果したものの糖度・酸度を一瞬にして知ることができ、
1玉1玉全てバーコードで認識することができます。

バーコードから、どの生産者のものでいつ収穫したものなのかも
全て知ることができます。




ベテランのパートさんたちが
真剣にトマトの品質・規格をチェックしています。

人の目で確認し、機械で微調整をする合わせ技で
効率の良い出荷を行うことができます。



各生産者の名前が入った専用コンテナです。
誰のトマトかすぐに判別できます。

朝の出荷ピーク時は、たくさんのコンテナが並べられます。
119名の生産者がいる南郷は、
名前がなかったら誰のものかわからなくなってしまうので
とても画期的!!




箱に詰められたトマトは、南郷特有の風土を生かした方法で
いったん保存されます。

その方法とは・・・「雪室予冷」


13度前後で1日程、高湿度の冷気で効率冷却することによって、
みなさんの口にはいるころには全体が赤く綺麗に色づきます
倉庫の中に入るとひんやり。



常温ではすぐに傷んでしまうため、
新鮮な状態でお届けするために予冷をしています。

急に冷やし過ぎると、綺麗にくなりません。

南郷は、日本有数の豪雪地帯のため、
冬はハウスがすっぽり埋まってしまうほどの雪に覆われます。

その雪を有効利用して冷やすので、とってもエコ!!

15センチほどの分厚い断熱材で囲った予冷庫に
約1000立方メートル(600t)の雪を貯蔵します。

満載に詰めても、
1シーズンで半分も残るほど強力な自然の冷蔵方法です。






やっぱりトマトがなってる所をみなぎゃいげねぇっぺ!!

ということで、今回は、
南郷トマト生産組合長の馬場さんと
さんべ農園の三瓶さんのハウスを見学させていただきました。

ポットで長い期間育てず、土に強い根が張るように
南郷のトマトの多くは直定とよばれる方法で
早くに畑に植えられます。



三瓶さんは、「あきらめない」という強い想いで
トマトを栽培しています。


同じ福島県人として、頑張っている方々の姿をみると、
とても嬉しくなりますね。

雨の少ない今年は、裂果が全国的にでやすいのですが、
南郷トマト生産組合のみなさんは裂果をつくらないために
新品種を試して研究してみたり、
栽培方法をかえてみたりとモチベーション高く
栽培に取り組んでいます。



冬にはトマト講座が開かれ、
ベテランの生産者のかたでも常に勉強をし、
安心安全で美味しく、更に美しいトマトをつくり続けます。

トマトに熱い情熱をささげる生産者の方々の年間を通した努力
たわわなトマトを実らせているのですね。

119名の生産者皆さんや・指導員の皆さんが情報交換し合い、
切磋琢磨しあってトマトづくりをしている姿は
とっても誇らしくかっこいい!!と感じました。


今年で生誕50周年を迎えた南郷の真っ赤な宝石は、
これからもたくさんの歴史をつくっていくことでしょう。




南郷トマト生産組合の皆さん
会津みなみの皆さん、
ありがとうございました!!!



by ぁぉぃ


<< 前のページへ 次のページへ >>









RSS