東京青果で開催された、
旬の食材提案会に参加してまいりました。
前半は、株式会社デザイナーフーズ市野さんの講演。
後半は旬の食材の展示及び試食。
今回の講演のテーマは
野菜・果物の"力"とそれを生かした調理。という内容でした。
昨今の青果物流通の現状は
量販主導で作られた規格野菜。
年間安定供給により「旬」が忘れられてきている。
質より量。見た目による野菜の等級評価など..
外見での野菜の評価や、
野菜の工業化が進んでいる。
人間は60兆の細胞を食べ物によって作り上げていく。
人は1日平均で
2Kg、1年で
730Kgもの食べ物を食べています。
・エネルギーを取りすぎない
・抗酸化力の高い食事をとる
ということが健康で長生きできるポイント。
(デザイナーフーズさんでは、ヘルシーエイジングと名付けているそうです)
今回はこの抗酸化力について詳しく説明がありました。
人間は呼吸をして酸素を取り入れると、活性酸素が作られます。
活性酸素は普段は体に役立つ仕事をしていますが、タバコ、ストレス、アルコールなどなどが原因で必要よりも多く作られ、過剰になると老化やがん、生活習慣病の元凶にもなる物質です。
抗酸化力とは、体内の活性酸素を除去する働きがあるもの。
デザイナーフーズさんでは、
ESR法という医療用、薬の効果を測定するほどの機能を持った設備で野菜の抗酸化作力を測定しています。
(非常に高価な機材)
この機械を使って野菜や果物の分析を行うような会社は、他にはないです..と。
【品目、品種ごとの抗酸化力の比較】
トマトやメロン、キウイやブドウなど品種別に測定。
品種によってかなり数値に差が出ることなどがわかった。
→地域特産品での検証では、その栄養価の高さを一つのアピールポイントとして付加価値を付けた売り方等も可能。
【栽培方法による比較】
有機栽培や、慣行栽培との比較、収穫時期による比較など。
バナナはシュガースポットが出たころが一番抗酸化力が高い 。
⇒スーパーなどでは体にとっても一番おいしい時期の物が一番安く売られている。
→新しい売り方提案ができるかも???
【調理時間と抗酸化力、美味しさとの関係について】
〜生の状態から、ボイル4分まで各時間帯での測定〜
菜の花は、
30秒ゆでて丘上げするのが、
抗酸化力が一番高くなり
(生の時よりも上がる)
食感、食味も美味しい。というデータが出ている。
〜
過熱調理をすることで、抗酸化力と、美味しさがUPする事例〜
※過熱調理とは、水を蒸気(100℃以上にして焼く調理のこと)←ヘルシオなどの原理です。
もやし、キャベツ、ブロッコリーなど
また、昔の人の知恵、
手間暇かけた調理法は美味しく栄養価がある。
という検証。
例:蓮根のきんぴら。
初めから煮汁で煮てしまうのと、
炒めてから煮る(炒め煮)にすると比較すると、炒め煮の抗酸化力は約1.5倍など。
更には調味料、発酵食品における抗酸化力についても一部説明。
味噌などは、種類、発酵期間によって数値が異なるなど。
商品提案も、それぞれの野菜の機能性に注目して、
1個の商品を提案するのと同時に、
組み合わせによるトータルメニューへの提案など応用が可能。
外食の取り組みとして
デニーズのメニュー
モスバーガのトレイ(MOS VOICE)
サブウェイの店内POPなどを例に挙げ、
現在外食の業態がどのように野菜と栄養価をどのように利用して
アピール、差別化を行っているのかなど説明。
野菜が健康を提案する。
という考え方。
野菜は健康を売りやすい。
⇒野菜の売り方を変えていく、健康的なキーワードが今後重要になっていくのではないか。ということでした。
今までの野菜の売り方だけではなく、「機能性」などの新しい情報を付加価値とした提案。というのは確かに面白いし、これから増々ニーズが増えてくると思います。
若いときには感じなかった「健康」の大切さを意識するこの頃。
野菜はまだまだ可能性を秘めていることを再認識いたしました。
今後は単なる野菜の知識だけではなく、栄養、調理など様々な知識が必要とされるのではないかと思いました。
講義のあとは、東京青果による品種紹介。
現在東京青果に入荷する野菜の品種一覧、「規格外」規格へのアプローチなども紹介されておりました。
大きな房のブドウたち。
一口に「桃」と言ってもこんなに種類があります。
5Lのスイカ。とにかく大きく、一人では持てない大きさです。。
以上、ご報告いたします。