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野菜果物・産地情報(2023年10月)

ようやく朝夕に涼しい風を感じるようになってきましたが、気象庁の1カ月予報によると10月も平年を上回る気温が続く見込みです。これからシーズンを迎える秋冬野菜や果物が本来生育する時期に残暑が続いて地温も下がらなかったことから、この後の収穫に大きなダメージが予想されます。秋雨前線や台風等の影響も懸念材料ですが、現時点での産地状況をお伝え致します。

葉菜類

レタス

高冷地が切り上がり、関東近郊、茨城等の出荷が始りました。残暑の影響を受け品質は不安定な状態が続いております。10月後半、気温が順調に下がってくれば出荷量・品質ともに安定してくる見込みです。

長ねぎ

高温障害が著しく、品薄高騰が続いています。サイズも引き続き細物(Sサイズ)中心。増加に転じるのは10月後半以降の見込みです。

小ねぎ・青ねぎ

6月・7月の九州の大雨で九州産地が壊滅的な被害を受けたこと、その後、高温状態が長く続き地中温度が下がらずこの影響が北海道を含む全国に広がったことから、極端な品薄となっております。この状況はしばらく続き、回復は10月中旬以降の見込みです。

水菜

猛暑の影響で出荷減が続いております。この後、極度な気温低下や日照不足、台風被害等がなければ入荷量は安定に向かう見込みです。

ニラ

残暑の影響が長引き、品質・入荷量ともに落ち着くのは中旬頃の見込です。

ほうれん草・小松菜など

高冷地の産地は終了、平場の産地も品質が徐々に向上してきました。この後、気温が順調に低下すれば供給も安定に向かう見込みです。

香菜

引き続き残暑の影響により中旬頃までは入荷量は少ない見込みです。

ケール

高冷産地が終了し、近在や愛知県が中心産地となる見込みです。

サンチュ

この後の天候次第ではありますが、10月は入荷量、品質ともに落ち着いてくる見込です。

果菜類

トマト

東北産地はほぼ終了。後継の関東近県産地は、気温の低下に伴い品質が向上してきました。愛知県、九州西南暖地も徐々に出荷が始まっておりますが、全体量として増えてくるのは連休以降の見通しです。

茄子

茨城・群馬・栃木等、関東近県はまだ残量はあるものの品質低下が見られるようになってきました。熊本・福岡・高知産等が出始めているため早めに切り替えてまいります。

米茄子

露地とハウスの端境期。ハウス物の出荷が安定してくるのは10月後半の見込みです。

パプリカ(赤・黄・緑・オレンジ/輸入)

韓国産は引き続き端境期のため収穫量が減少、併用のオランダ産は終盤を迎え価格はやや落ち着く見込みではあるものの品質面で懸念があります。

赤ピーマン

天候不順の影響により中旬まで入荷量減少、下旬より少しずつ増加に転じる見込みです。

かぼちゃ

北海道が終盤を迎え、下旬は残量次第で高値が予想されます。状況次第では下旬以降、輸入に切り替える可能性がございます(トンガ、ニューカレドニア、メキシコ、ニュージーランド等)。

オクラ

国産が終盤に向かい、輸入に切り替わっていく見込みです(タイ、フィリピン等)。

ズッキーニ

中旬をメドに長野産が終了、後半に宮崎産が始まる見込みですが全体としては品薄傾向です。

土物類

玉ねぎ・じゃが芋

産地・北海道が生育期に猛暑に見舞われ、残暑も厳しく地温が高い状態が長く続いたことから肥大せず、大玉がかなり少なくなり価格も高騰が予想されます。一年一作のためこの影響はかなり長引く見込み、サイズを下げての使用もご検討ください。

さつま芋

10月後半以降、貯蔵作業に入るため価格は高値見込みです。

紫芋

各産地出荷が始っていますが入荷は不安定、後半以降はさつま芋同様にでょぞう作業に入るため高値に転じる見込みです。

大根

青森・北海道が終盤を迎え、茨城など関東近県が出始めましたが全体量は少なく品薄高騰となっております。長らく猛暑で地温が下がらなかったことからスが入ったり、中が黒くなる「黒芯症」等も引き続き散見され、品質も不安定な状態が続いております。

豆類

スナップエンドウ

輸入に切り替わりました(ペルー・タイ・中国など)の輸入品となります。国産は広島・鹿児島等の産地から10月中下旬頃からの開始見込みとなります。

インゲン

東北産地が終了し、関東近県・長崎、鹿児島等に産地が移行しますが全体量は少なく品質も低下傾向。茨城県産等が増えてくれば安定する見込みです。

絹さや

輸入に切り替わりました。静岡・鹿児島等の出荷が早まれば、10月下旬以降から国産も供給可能になる見込みです。

香菜類・ハーブ・小物ほか

みょうが

需要のピークを過ぎて作付は減少、新しい作型に移行するため品質は安定してくる見込みです。

すだち

露地が終了し、貯蔵品が中心となってくるため、価格も上昇傾向となります。

きのこ類

全般

秋の需要期に入り、全般的に価格は上昇傾向となります。

果物

りんご

猛暑の影響で青森県、長野県のサン津軽など早生品種は4割減。この後に続く福島県も猛暑の被害を受け、青森県の早生ふじも出揃うのは遅れております。一年一作の果物で異常気象の影響は大きく、特に貯蔵で通年もたせる国産りんごは、この後も影響が長引くことが予想されます。

高温の影響で前進し、豊水、あきづきは終了。この後の新高もかなり早く終了する見込みです。長野県の南水も品薄高騰です。

梨と同様に前進し、西村早生、松本早生など早生品種が品薄高騰となっておりますが、提携産地(岐阜・愛知)からの入荷により供給量は確保できる見込みです。

シャインマスカット

山梨県・長野県等の主要産地の出荷が減少し、長野県では貯蔵向けが増えることもあり市場に出回る量が激減。品薄高騰となっております。

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