長雨により野菜の高騰が続いていますね。こんな時、もやしや豆苗など価格の安定している工場野菜を選びたくなりますが、大変なのは消費者の私たちより農家さん達。応援消費の意味と、そして季節野菜がくれる元気をいただく意味でも、1種でも夏野菜を食卓に登場させたいなと思って買い物する日々です。
明後日から9月ということで、野菜も夏から秋野菜に少しづつ移行しています。
夏の端境期の今おすすめの野菜は、モロヘイヤ、つるむらさき、なす、ピーマン、空芯菜、そして冬瓜。どれも秋まで収穫できる野菜です。今週の特集する冬瓜は切らずに10℃前後の涼しい場所で保管すれば冬まで日持ちする野菜です。冬まで楽しめる!今週は冬瓜の魅力をお届けします。
ダイエットに冬瓜がいい!?その訳は?
冬瓜は全体の95%以上が水分で100gでたったの16キロカロリーと「低エネルギー」の野菜です。また、むくみ改善効果が期待される「カリウム」や、「ビタミンC」「食物繊維」など美肌や便通改善効果が期待される栄養素も豊富に含みます。そう、美容系のお悩みにぴったりな野菜なんです!
さらに、「サポニン」という糖分や脂肪の吸収・蓄積を押さえ、ダイエットに効果的な栄養素も含むので、夏の食べ過ぎには冬瓜がおすすめ!味もあっさりしているので、食べすぎることなくお腹いっぱいになれるのもいい点ですね。
冬瓜は皮をどれぐらい剥くかで食感が変わってきます。包丁で厚めに切り落とすとトロトロとした食感に。スープやサラダにおすすめです。
少し青みを残すように、薄くむくと歯応えが残り見た目も鮮やかに。薄くむくのが難しい場合は、ピーラーでむいてもOKです。
冬瓜には独特の青臭さがあるので、煮込む場合にはたっぷりのお湯で4~5分下茹でをすると食べやすくなります。また味の染み込みも良くなるのでおすすめです。
冬瓜は95%以上が水分、香りは青臭いという特徴から、おいしいだしを吸わせる料理が定番です。下茹でした後、だし:しょうゆ:塩=100:5:1ほどで調味したすまし汁のようなだしで煮込むと、料理屋さんのような上品な仕上がりに。一緒に鶏肉や海老・ホタテなど旨味の強い食材を煮込んで餡掛けにするのも定番ですね。
意外な食べ方として、下茹でした冬瓜を塩水につけて冷やして食べる冷やし冬瓜があります。冬瓜から出る野菜だしと塩味がついたさっぱりした食べ方。少し青臭さも残りますが、例えばこれをそうめんにのせたり、お好みで田楽味噌や鰹節をかけて箸休めに。しっかり冷たくして食べると、冬瓜本来の味を楽しめる大人の味です。
パパイヤの味!?冬瓜のサラダ
冬瓜は生で食べられる野菜です。少し青っぽいので、切った後は水に5分ほどさらすと食べやすくなります。この青臭さと食感、実は青パパイヤに似ています。そのため、エスニック料理で人気の「青パパイヤのサラダ」も冬瓜で再現可能!なかなか青パパイヤが手に入らないので、この代用を知っているとおうちでエスニック料理を作る時も、レパートリーが広がります。
日常のおかずとして冬瓜を生で食べるときは、青臭さをカバーする香りや旨味を足してあげるといいでしょう。私は春雨の中華サラダをアレンジして、サラダにしてみました。調味料を吸った冬瓜は、なんともジューシーで絶品です
日頃、冬瓜食べますか?
今週のタイトルはあえてダイエット推しにし、多くの人に届けと願いをこめてつけました。というのも、冬瓜ってあまり人気のない野菜だからです。皮をむく・下茹・味をつける…ときゅうりに比べたら手間がかかりますが、だしを吸ってトロッと溶けるこの食感は何にも変え難いおいしさです。野菜が高騰する昨今ですが、冬瓜の価格は比較的安定しています。
ダイエットの強い味方、冬瓜。見つけたらぜひ食べてみてください。
次回の特集は、実はまだ「未定」。何になるか私もワクワク。
また来週も、月曜朝6:00にお会いしましょう。
小鉢 ひろか 料理家/管理栄養士
instagram: https://www.instagram.com/kobachi_hiroka/
☆今回特集した冬瓜も入った、「まつのFresh!宅配」はこちらから!