松野貞文の全国視察レポート

山梨県標高1,000メートルからお届け!八ヶ岳完熟マンゴー「天空の輝き」

今回、松野貞文社長は、桜とともに桃の花も咲き始めた故郷の山梨県へ。北杜市の株式会社採園のマンゴーハウスを再訪しました。山梨県のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロ・フードツーリズムマイスターの村上由実さんのレポートです。

代表取締役の守屋俊之さんと圃場長の齋藤修平さんに促されるままにハウスに入ると…とにかく暑い!外は春の過ごしやすい気候ですが、ハウス内の温度は28度と蒸し暑く、まさに真夏の陽気です。
吊るす作業
齋藤さんは吹き出す汗をぬぐいながら、1つずつ丁寧にマンゴーの茎にフックをかけ、紐で吊るす作業を行っていました。

前回訪問したのは昨年6月(果樹王国のニューフェイス「マンゴー」参照)。昨年販売を開始し、今年5月から「八ヶ岳完熟マンゴー『天空の輝き』」として出荷されることが決まりました。この名称は北杜市の渡辺英子市長が命名されたとのこと。昨年はシンプルな箱で売り場に並んでいましたが…
 2017年バージョン
今年は約350グラムの2Lサイズを2つ並べ、こちらの黄色いコスチュームをまとう予定。
黄色いコスチューム
昨年は1,500個ほどでしたが、今年は2,000~2,500個の出荷を見込んでいます。ハウスの中には小さなマンゴーがたくさん実っていました。
ハウス全体の様子
それぞれの実の下には不織布「タイベック」がついています。これを付けることで着色促進や糖度上昇、光反射による害虫行動抑制などの効果が期待できます。
タイベック
中にはこんな小さな赤ちゃんも。
マンゴーの赤ちゃん
ハウスの中には、作業がしやすいように1メートルほどの高さに切りそろえられたマンゴーの木。たくさん実がついているものもあれば…
実がたくさんついた木
不思議なことに、1つも実がついていないものもあります。
実のない木
その理由は齋藤さんにもわからないそう。水は全て八ヶ岳の清らかな天然水を使い、同じハウス内で温度や湿度もほぼ同じに管理され、同じように剪定し、受粉や摘果も行っています。「もし異なる点があるとすれば、光の当たり方でしょうか」と齋藤さん。ハウスの上部、開閉できるところとそうでないところがあります。
ハウスの上部
木の位置によって日照強度が異なり、それが実がつかない原因になるのでしょうか。自然が相手のマンゴー栽培。一筋縄ではいかないですね。

また、丁寧に摘果して残した実が、成長せずに落ちてしまうことも。
自然落下した実
ただ、この実、追熟するのだそう。小さい実ですが、別の可能性を秘めている気がしますね。
新たな可能性を秘めたマンゴー
今回訪問したハウスは前回と同じ標高400メートルほどの場所ですが、標高約1,000メートル地点での栽培計画も順調に進んでいるそう。夏、寒い時期に積もった雪を使ってハウス内の地温を下げて「冬の環境」を作り、冬に温泉を使って地温を上げて「夏の環境」を作り出す。こうすることで、11~12月に完熟マンゴーが収穫できるのです。
 完熟間近
年末年始で家族がたくさん集まる食卓に「天空の輝き」が並ぶことを想像するとワクワクしませんか。近い将来、桃や葡萄に負けない人気のフルーツとして、「天空の輝き」の名を聴く日が来るかもしれませんね。
社長と一緒に

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