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兵庫県のまつのベジフルサポーター野菜ソムリエ、フードライターの坂田理恵です。
先日、松野貞文社長の農園視察にご同行させていただき、ベジフルサポーターメンバーの宮﨑ノゾミさんと一緒に、兵庫県加西市にある兵庫ネクストファームさんをお訪ねしました。栽培面積は3.6ヘクタール。日本最大級を誇る大規模ハウスでの最新型統合環境制御技術を駆使したトマト作りについてご紹介します。
2014年3月、日本はTPP交渉への参加を正式に表明。アジア、アメリカ、オセアニアなどの環太平洋地域による経済連携協定、TPPは、関税の撤廃によって、貿易の自由化が進み、輸出の拡大など、多大なメリットが期待されています。その一方で、海外からの農産物輸入の増大による日本の農業への影響も、大きな懸案事項になっています。そんななか、日本の農業強化策として国の支援を受け、次世代施設園芸モデル団地として兵庫県加西市に誕生したのが、兵庫ネクストファームです。広大なトマトハウスは2棟あり、1棟の大きさは幅124メートル、奥行144メートルで、1.8ヘクタールのハウスにおよそ45,000本のトマトがそれぞれ植えられています。面積の広さも圧巻ですが、天井高はなんと6メートル。
オランダ式のトマトハウスを参考にして造られたものなのだそう。オランダは、九州とほぼ同じ面積で、国土は決して広くありませんが、農業がとても盛んで、世界第2位の農産物輸出国。非常に高い競争力をもつ、オランダ式の施設運営を参考にして、天井の高いハウスが完成しました。トマトは、約5メートルの高さに成長します。収穫の際は、高所作業台車を使用。松野貞文社長も作業台車に乗って、高所収穫の疑似体験。楽しそうですね(笑)ミニトマトのスプラッシュ皮がかたくなりがちなミニトマトですがスプラッシュの皮はやわらかく、とても食べやすいのが特長です。皮はやわらかめですが、果肉はしっかりしていて、はじけるような食感も人気の秘密。甘味が強いのですが、トマトのおいしさを引き立てるには、酸味も不可欠ですね。スプラッシュは、甘味と酸味のバランスも絶妙です。兵庫ネクストファームは、最新型のトマト栽培施設で、温度や湿度、光、二酸化炭素など、栽培環境を最適に保つために、統合環境制御技術を導入。溶液化した肥料が、水と一緒に自動的に補給されるシステムで、水や栄養成分は適量をキープ。トマトにとって、最もよい生育環境を作り出し、安定した生産性を確保しています。別棟では、大玉のハウス桃太郎が栽培されています。収穫時の生育度合いによって、S、M、Lサイズと仕分けされ、それぞれ出荷されて行きます。驚くほどの大玉を見つけて、思わずうれしくなりました。比較しやすいように、手を近付けていますが、触ってはおりませんので、ご安心ください(笑)トマトハウスの中は、お湯を循環させ、床暖房方式で温められていて、加温のための燃料は、隣町の多可町の間伐材、杉や檜の木質チップのバイオマス資源を導入。化石燃料使用30%減を目指すなど環境にも配慮した生産活動を行っています。収穫・選果後のミニトマト。みずみずしくて、見るからにおいしそうです。いくつか試食させていただきました。期待通りの甘さ、そして、うま味がじわっと口の中に広がります。糖度計で甘さを計ってみると、なんと11.7の数字が!トマトの一般的な糖度は7程度。イチゴの糖度は11〜15度なので、11.7というと、フルーツのような甘さといってもいいくらいですね。これから春先に向けて、もう少し糖度も上がっていくかもしれません。ツヤツヤと光り輝く大玉トマト。今の時期は、ほぼ完熟した状態で収穫されるので、まさに食べ頃。色回りもよく、ヘタのところもきれいに赤く色づいて、美しいトマトですね。肉厚でジューシーな大玉トマト。すっきりとさわやかなお味でした。今回視察にうかがった兵庫ネクストファームさんでは、高い技術力と大規模な機動力を駆使した新しい農業のかたちを存分に勉強させていただきました。TPP後、農業を取り巻く環境がどのように変わって行くかは未知数ですが、私たち野菜ソムリエも、日本の農業と向き合いながら、野菜ソムリエとして、どのように活動していくのかしっかりと考えて行かなければ、と、気持ちを新たにしました。ありがとうございました。
兵庫ネクストファームさんのHPはこちらからご覧いただけます。http://hyogo-nextfarm.co.jp/
兵庫県のまつのベジフルサポーター野菜ソムリエフードライターの坂田理恵でした。