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現地現物を徹底する松野社長の視察。今回は京都のまつのベジフルサポーター中本絵里さんに案内していただいての、京野菜を巡る旅に同行いたしました。
まずは京野菜の代表格、賀茂なすをつくる森田良農園、森田良彦さんのハウスを訪ねました。
賀茂なすは“二枚目半”も美味しい!?
京野菜の代表格、賀茂なすはその名の通り、賀茂川の上流上賀茂地域を中心に栽培されています。園主の森田さんは、京野菜の伝道師として 活躍する「京野菜マイスター」の認定第一号。
ハウスでは丸々と太った賀茂なすが実っています。
山に囲まれた盆地の京都は、周囲の山々から流れ込む地下水が豊富。その水をたっぷり吸って、美味しい賀茂なすができるのだそうです。東京では1玉1000円近くすることもある賀茂なす。ブランドというだけでなく、1株から採れる数が少ないこともその理由なのだと森田さんは話します。
「(一般的な品種の)千両なすは数えたこともないくらい採れるけど賀茂なすは1株に12~13個くらいやな」
さらに、賀茂なすの特徴について意外なポイントを教えていただきました。なすの「ボケ」について。一般的には、色ツヤがいいのが良いなすの条件。
ツヤがなくなると「ボケた」といわれ通常は評価が下がります。主な理由は、水分や紫外線の不足、高温などのストレスによるもの。
ところが森田さんによると理由がもう一つあるのだとか。「賀茂なすは完熟すると、色がちょっと冷めるねん。そういうもんの方が味は乗ってるで。ぺっぴんさんもええけど、見かけより中味。人と一緒や」松野社長も「初めて聞く話ですね」とこれには驚きを隠せません。
ツヤのいい“二枚目”ななすだけでなく“二枚目半”もおすすめ!?産地だからこその情報に、また一つ発見をいただいた視察でした。
細かな手仕事が支える伏見とうがらし
続いて伏見とうがらしをつくる清水弘明さんのハウスを訪ねました。
江戸時代から京都の伏見地区でつくられてきた甘唐辛子の一種。今は北部の丹波地区と、南部の清水さんの農園がある精華町などで栽培されています。
清水さんの出荷は4月末~7月上旬まで。最盛期の今は、どの枝にもたわわに実り「収穫が追いつきません(笑)」
収獲作業は早朝5時から9時半まで。気温が上がりすぎないうちに採り1本1本、長さや曲がり具合などの規格に応じて選別して夕方に出荷。「伏見とうがらしは細かいので手間がいるんです」
名前は「とうがらし」でも辛い“当たり”はほとんどないのが伏見とうがらしの特徴。ちりめんじゃこと炒め煮にした“炊いたん”や揚げ浸しが京都の定番の食べ方なのだそうです。栽培と収獲には気の遠くなる手間がかかっても、食べるのは一瞬……ですが感謝してたっぷり味わいたい京野菜です。
職人の技が生み出す赤万願寺
京野菜の旅の最後は万願寺とうがらし。清水さんと同じく京都南部の精華町で、完熟の赤万願寺にこだわる寿晃農園岩井三郎さんのハウスです。
万願寺とうがらしは、京都ブランド認定第一号の京野菜。大正末期から昭和初期にかけて京都北部、舞鶴市の万願寺地域で誕生したといわれています。大きいものは15センチを超える立派さ。
糖度を計らせていただいたものは8.9度ありました。
「こないだは12度を超えたものもあったね」と岩井さん。赤万願寺は完熟した甘さも身上です。けれど、緑色から赤く熟す過程では色がムラになったり曲ったり…
万願寺の栽培歴20年の岩井さんが「赤は難しい」という難易度の高さ。「せやから、つくる人は少ないですよ。年間通してでいうと、緑と赤の割合は98対2くらいと違うかな。だからその分、価格も評価されるんです」
京野菜のブランド、万願寺とうがらしの中でもさらに希少な価値を味わう赤万願寺。貴重な圃場を拝見しました。京都の皆さまありがとうございました。