松野貞文の全国視察レポート

大阪府独自農法でシェフも唸る!!こだわり野菜誕生の秘密

大阪府のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロ・ジュエルフルーツクリエイターの万ノ記子(まんののりこ)です。
今回は松野社長と同行し独自農法でこだわり野菜を作っているやなもり農園さんをご紹介いたします。

ミシュランガイドの星付きレストランのシェフも唸るほど美味しいこだわり野菜が、どのように育てられているのか、飲食店関係者や生活者の皆様も興味津々の情報をたくさんお話し頂きましたのでご紹介いたします。

北摂地域と呼ばれる箕面市と茨木市の数カ所に農地を有するやなもり農園さん。山と平地の高低差から生み出される温度差を利用して収穫のタイミング、台風接近や長雨などによる気象ダメージのリスクヘッジ(リスク回避)効果も考え農園を分散させています。ネットも張りカラスやアライグマなどあらゆる獣害からも野菜を守っています。

園主の梁守壮太さんは、野菜が持っている本来の甘味や旨味・酸味を感じる事のできる本当に美味しい野菜を育てるため日々奮闘されています。長年の経験から導き出された独自の農法は、掛合わせる品種の組み合わせや追肥のタイミング、肥料の配合バランス、収穫のタイミングに至るまでの全てが職人技。こだわり抜かれた農法で育てられ、甘味・旨味・酸味のバランスがとれた美味しい野菜・果物が1番美味しいタイミングを逃すことなく収穫されるからこそ、クオリティーが高く、プロにも好まれるこだわり野菜となるゆえんなのです。

やなもり農園さんで育てられている野菜は他品種・多品目に渡ります。

いまから収穫が楽しみな野菜の1つ、毎年夏の時期大人気でメディアにも度々取り上げられるトウモロコシ。甘くて皮の柔らかいトウモロコシをどのように育てるのかお話し頂きました。

播種から80日で完熟する味甘(みかん)と90日で完熟するゴールドラッシュを交配させることで収穫時期を早め、完熟する前に早生穫りします。すると一粒一粒の皮がとても薄く、糖度も18度くらいまであがるため生で食べてもとてもジューシーで甘味の強い美味しいトウモロコシが収穫できるそうです。
収獲(早生穫り)のタイミングについての見分け方も梁守さんが詳しくお話しして下さいました。


収穫のタイミングは先端のヒゲのあたりの堅さがポイント。松野社長でもその微妙な堅さの違いがわからないほど。やはり梁守さんの熟練した経験値から導き出される収穫のタイミングはさすがです。

収獲したばかりの早生穫り。ほんのり黄色くなってきた粒がぎっしりと並んでいます。

生でかじると皮が柔らかくてとってもジューシー。まさに感動野菜です!
茹でたり、焼いたり火を通すことで更に甘味が増して違った食感を楽しめます。

他にも色々な野菜が収穫を迎えています。

大きく育ったモロッコインゲンは今が旬です。

松野社長の両手から溢れんばかりに収獲しされたモロッコインゲンは大きく育つ平サヤタイプで、サヤがとても柔らかく長さが15cmを超えるものもありました。天ぷらやゴマ和えにして頂くのがお勧めです。

ニンジンは掘り出した瞬間に甘~い香りが漂います。
冬場に収獲するイメージのニンジンですが露地で夏場に収獲できる品種だそうです。エマやクリスティーヌという可愛い名前の珍しいニンジンを植えてらっしゃいました。

白ワインビネガー、オリーブオイルにアーモンドとハーブ塩を加えてキャロットラペを作りました。
食感も香りもよく素材の良さがお料理をひきたててくれます。

千両二号という定番のナスも栽培されています。

生育過程で肥料のタイミングや樹が元気かどうかを見極められます。

こちらは万願寺唐辛子。
また、パリパリと生で食べられる『すなっぴー』というピーマンにも今年初挑戦。子供達も食べやすいピーマンとして爆発的人気の予感がします。

昔懐かしい酸味のバランスが絶妙な夏トマトもあります。糖度を7度くらいに抑えトマト本来の味を濃くすることで人気のあるトマトです。特に肥料を吸い上げるタイミングを見誤らないことが重要だそうです。微量要素のアミノ酸を加えるなど肥料の配合にも経験と研究の成果が大きく関わっています。

アグリイノベーション大学で講師を務められている梁守さん。農業のノウハウについて惜しみなくご指導なさっていらっしゃいます。有機栽培をされているアグリイノベーション大学京都農場では先日収穫会をされ、じゃがいも、ピーマン、トマト、ズッキーニ、ニンジンを収穫されました。
研究栽培なので採算度外視で肥料をタイミング良くたっぷり入れるため、かなり大きくて美味しい野菜ばかり!生徒さん達の感想は「野菜の魔法使いの梁守さんが野菜に魔法をかけた!」というほど。

後身の育成にもご尽力なさっている梁守さん。やなもり農園さんの野菜を納品しているレストランが次々にミシュランガイドの星を獲得するため、新規取引依頼などの問い合わせが絶えませんが現在30店舗の定期納品取引先に加え約300店舗がやなもり農園さんの野菜を待っている状態だそうです。

ここまでくるまでには、数多くのレストランに足繁く通い、やなもり農園の野菜を間違いなく調理してくれると信じるシェフに「うちの野菜使ってみて。一度食べたらわかるから。」と渡し、そこから取引が始まったそうです。

今ではメディアやミシュランガイドの星付きレストランからも引っ張りだこで、とても人気のあるやなもり農園さんの野菜。独自の農法で研究を重ね期待を裏切らない安心な野菜を提供されている裏には、見えない努力と人一倍勉強された背景があるのですね。

大阪府のまつのベジフルサポーター・野菜ソムリエプロ・ジュエルフルーツクリエイターの万ノ記子(まんののりこ)でした。

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