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松野社長の全国視察、京野菜の旅に続いて大阪のまつのベジフルサポーター万ノ記子さんのご案内で、大阪南部の産地を訪問しました。
まず訪ねたのは、泉州水なすをつくる川崎農園の川崎貴彦さんです。
泉州水なすの美味しさは時間との勝負
冒頭の写真で松野社長が持つのは、大阪の特産物の共通ブランド「大阪産(もん)」ののぼり。水なすは、大阪の南部が主な産地ですがその中でも、川崎農園のある貝塚市など泉州地域でつくられるものだけが「泉州水なす」と呼ばれます。
アクがなく生で食べられるのが特徴で、名前の通り水分をたっぷり含んでいることが美味しさの秘けつ。
そのみずみずしさを守るために収穫は時間との闘いだといいます。「なすは日が昇ると成長を始め、夕方、日が落ちると成長が止まります。夜は根から水分を吸って蓄える時間。パンパンに蓄えた最高のタイミングで採るのが僕のこだわりなんです」
今の時期の収穫は早朝4時10分から5時30分まで。「これより早いとなすが水を蓄える時間が減ってしまう。遅いと成長が始まって味が落ちます」
日中に採った水なすと、どれほど違うか見せていただきました。これは私たちがハウスで11時30分頃に採らせていただいたもの。約170グラム。
下は早朝に収穫されたほぼ同じ大きさのもの。約200グラム。
ほんの数時間ですが水分量が違います。かぶりつくと果汁がしたたり落ちるジューシーさ。
そして何より水が美味しいのが大切な条件。「ここは山が近いから地下水が豊富なんです。でも海も近いから深く掘ると塩分が強くなる。5メートル以上掘らないと水が出ないところにはハウスは建てません」
泉州水なすの栽培が始まったのは江戸時代初期。やはり江戸時代の安政7年から154年続く農園の6代目、川崎さんが力強く守り続けておられます。
なすもつくり手も個性豊かな西洋なす
続いて訪ねたのは、西洋なすをはじめ各種のなすやトマトを育てるアーバンファームASAOKAの浅岡弘二さん。
個性のある品種を手がけることで百貨店からレストランまで幅広く取引し、相場に左右されにくい経営を確立されています。ハウスの中は、色とりどりの西洋なすのワンダーランドでした。真っ白なこの品種はイタリアから3年前に入ってきた「ホワイトベル」。
「加熱すると皮が軟らかくなって実がとろけるんです。それまではロウのようだった白なすの概念を変えたなすです」
そのほか、下の写真左からエメラルドグリーンが美しい翡翠ナス、卵型のゼブラ(縞)なすのカリオペ、南フランス生まれのアレキサンドラ。「どれもオリーブオイルで炒めたら美味しいですよ」
下の写真は、日本のポピュラーな品種の千両なす。
「大阪なす」としてなにわ特産品にも選ばれているそうです。よく見るものとは違ってジャンボサイズ。
「南河内のなすはボリュームがウリ。なすは通常80グラムを超えるとタネが増えて食感が悪くなりますが、人工授粉でそのタネができないようにして大きく育てているんです」人工授粉は花の一つ一つに人の手で処理を施す地道な作業。同じ花を2度処理しないよう、授粉を終えた花は着色されています。
ハウスの中は、日の出とともに気温がぐんぐん高まる過酷な環境。美味しいなすをいただけるのはつくり手の努力があってこそだと改めて実感します。西洋なすも同様に200~250グラムの大ぶりのものばかり。迫力があります。
立派ななすをいただき、
さっそく東京に戻ってクッキングプランナーの谷口さんが調理。シンプルにオリーブオイルでソテーしました。しっかりした肉質が口の中で甘くとろけます。
泉州水なすも西洋なすも個性ある野菜を育てる生産者の方は個性的な方ばかり。素晴らしい出会いをいただいた視察でした。大阪の皆さまありがとうございました。