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9月初旬、松野社長が熊本を訪れ、玉名市の柑橘生産者 清香園様を視察しました。熊本県のまつのベジフルサポーター佐藤真美さんによる視察レポートをご紹介いたします。
(清香園の井上様と松野社長)
玉名市天水は、山沿いにみかんの木が植えられた段々畑が広がり、また、山を登ると目の前にキラキラと輝く有明海、遠くに長崎県の雲仙普賢岳を眺めることができる、絶景の場所です。
今回は、薄い雲がかかってしまいましたが、どうにか遠くを見渡すことができました。
ご案内して頂いた品種は極早生種の「肥のあかり」です。まだ青いみかんしか実っていないようですね?
この品種は熊本県が開発、登録した県のオリジナル品種です。
青いみかんは酸っぱそうだな…でも、食べてみると甘くておいしい!
糖度を測ってみると、なんと!11.5度もありました!
旬は9月中旬〜下旬の約2週間。このみかんは酸の抜けがよいので
とても甘みのあるのが特徴。青いみかんが甘いだなんて!松野社長も驚きの様子を隠せません!
このみかんを栽培する上で大事なことは、夏の間、よく日光が当たること。そして、夏期の雨量が少ないことで酸が抜け、甘くておいしいみかんができるのだそうです。
しかし、急な雨などにより土壌中の水分の変化で実が皮よりも膨らみ割れることも。
また、おいしいみかんを求めてイノシシが来ることもあるようで、圃場の周囲には柵が張り巡らされています。
さて、みかん畑といえば石垣が連なる段々畑のイメージですが、なぜ石垣が組まれているのかというと太陽の光りがみかんの木を照らし、また、その奥に石を積むことで太陽光が石に反射して散乱光となり、
それにより、優しく木に光りを届けることができるということ。
また、水はけがよく、空気が入ることで木がよく育つため、石垣を積んで栽培しているのです。
しかし、清香園様の圃場は石が積んでありません。
それは、石を積む作業が大変なうえに、石垣にすると機械効率が悪くなるということ、さらに、白いマルチを張れば太陽光が地面に当たり下から光を木に照らすことができ、散乱光の役割になるというのがその理由でした。
技術の発達により、みかんの圃場環境も変わりつつあるのですね!
とはいっても、摘果や収穫は一つひとつ手作業。収穫適期のみかんを一人で収穫するのはもちろん困難なため、収穫の日は応援を呼んで収穫が行われます。
その後、選果へと移るのですが、清香園様のこだわりは、ここ!
普通は選果をする場合、機械にかけますが、機械にかけると、みかんはコロコロと転がりながら選果されます。
その間、大小のサイズに選別されていきますが、みかんは転がる間に酸が抜けてしまうそうです。選果をすることで、せっかくの糖酸比のバランスが崩れてしまいます。
清香園様では、収穫後、予措(よそう)といって1〜2日ほど軽く貯蔵した後、手作業で選別を行います。
そうすることにより、採れたてのままのおいしさでみかんをお届けできるのです。こんな愛情たっぷりのみかんが食べられるなんて最高ですね!
また、今年の春に収穫した不知火などの完熟みかんを乾燥機に入れ、乾燥みかんも作られています。
乾燥みかんは、お酒のおつまみによく合うということで、近隣の飲食店にも納品されています。
実だけのものはとても甘く、皮付きのものは甘くほろ苦い味わいでした。
みかんの出荷は品種が変わりつつ来年の春まで続くとのことです。これから、この段々畑もオレンジ色の実が下がり、秋を感じさせる風景へと変わっていくのでしょうね。清香園様ありがとうございました!
熊本県のまつのベジフルサポーター佐藤真美さんの「松野貞文の全国視察レポート【熊本編】」をお届けしました。