提携産地レポート

福島県夏秋きゅうりの大産地、福島県すかがわ地区へ

この度、8月1日付でまつのに入社しました商品品質管理部、小西真亜子です。入社後研修の一環として、先日、福島県の提携産地視察に参加しました。

まずうかがったのは、JA夢みなみ・すかがわ地区岩瀬選果場(きゅうりん館)。2016年3月にJAすかがわ岩瀬、JAあぶくま石川、JAしらかわが合併して「JA夢みなみ」が誕生、そのなかでもすかがわ地区は夏秋きゅうりの収穫量で国内トップクラスを誇る一大産地です。

出荷の最盛期はお盆のころで日量12,000ケースの出荷量。お邪魔した8月中旬過ぎも日量8,000~10,000ケースの規模で出荷が行われていました。

大産地を支える選果場、「きゅうりん館」。愛らしい名前ですが、総面積57,138平方メートル、東京ドーム約1.2個分という圧巻の設備。ピーク時にはずらりと並ぶ受入口に生産者の方々の行列ができるそうです。

運び込まれたきゅうりは、目視とカメラによって「太さ・長さ・曲がり・色・傷」の5項目で選別されます。

スッと美しくまっすぐなきゅうりを育てるには、歴史ある産地ならではのさまざまな取り組みがあります。

その一つが品種の細やかな選定。すかがわ地区は横に長いため、もとは水田だったところや「黒ボク」と呼ばれる腐植土を豊かに含む土など、場所によって土質がさまざまに異なります。そのため、地区内の各支部で試験栽培を重ね、その土地に合う推奨品種を決め、全体としての高水準の規格を保つ努力をされているのです。

お話を伺った野菜連絡協議会の小川会長によると、震災前は近隣の竹林から切ってきた竹を使って自家製の竹パウダーを作り、栽培に使用されていたのだそうです。

殺菌効果があるため農薬を減らすことができ、きゅうりにも甘みが出る効果があったのが、震災後は検査が厳しくなり竹のような「山のもの」はこれまでのように容易に使うことができずやめざるを得なくなったのだとか。2011年の東日本大震災から8年が経過してもなお、産地への影響が続いていることを実感したお話でした。

その中でも、きゅうり生産者には20代の若手生産者が複数いて、後継者世代の方々ががんばっておられます。あれもこれも多数品目がある産地より、単品目産地の方が新規就農の方が始めやすいという背景もあるとのこと。

福島県すかがわ地区のきゅうりは、露地作は約60%ほど出荷が終了していますが、ハウスでの抑制栽培はこれから増加し、加温ものでクリスマスごろまで続きます。「すかがわのきゅうり」を見かけた際にはぜひご賞味ください!

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