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ぷっくりとふくらんだ白い軸に茶色の傘をかぶった、まるで七福神の大黒様を連想させるような愛らしさ。
大黒本しめじは、松茸と同じように大量栽培が難しく、市場にはほとんど出回ることのなかった希少なきのこでした。
タカラバイオ株式会社様では、大黒本しめじの大量栽培に成功。1年中安定供給が可能になりました。
40年以上のきのこ研究で培われた先進技術で、安心・安全の生産フローを実現されています。
先日、タカラバイオ株式会社様の生産工場である、関連会社の瑞穂農林株式会社様を訪れ、栽培の様子を見学させていただきました。
大黒本しめじの培地となるのは、杉のおが粉です。京丹波町を含む船井・北桑田エリアの森林保護にも役立つように、資材の半数は近隣の市町村の杉間伐材を使用。そして、半数は京都府産の杉おが粉を購入されています。
おが粉は約4カ月間、敷地内で堆積・散水を行い、アク抜きとともに菌糸の生長を阻害する物質を除去します。
おが粉は空冷装置付きミキサーで撹拌。
午前中に3時間の仕込み作業を終えた後は、2時間かけてミキサーのクリーンナップを行い、徹底的な衛生管理が行われています。
いよいよ培地の仕込みです。耐熱性のプラスチックビンに水とおが粉を入れて、圧縮を行います。その際、表面に穴をあける工夫もタカラバイオ株式会社様の独自の研究によるもの。
栄養価の高い培地で育てられるため、種菌の生育には高度なクリーンレベルが不可欠。高圧殺菌釜で約6時間殺菌されます。
約100日間の培養期間を経て、室温16度、高湿度の芽出室で芽の育成を促します。ここでの工程は、その後のしめじの粒の大きさを左右する重要なプロセス。独自の栽培技術と熟練の技が光ります。
生育室での様子。専用の光と炭酸ガスによる最適な環境が保たれることで、ぷりぷりとした食感と密度の高い質感が育成されます。
収穫時には、1本1本手作業でていねいに選別され、包装・出荷。
大黒本しめじは大変デリケート。出荷前には室温2度で保管し、半日寝かせたのち、コールドチェーンを確保しながらお客様のもとへ。
下の写真は、大粒丹波しめじ(はたけしめじ)。
種菌製造から出荷まで133日間、手塩にかけて大切に育てられます。
種菌は21日間培養。培地は、国内産の新鮮な米ぬかと、大黒本しめじと同じく、京丹波町の近隣地域の杉の間伐材から作られるおが粉をブレンドしたものを使用されています。
培養ビンに培地を詰めた後、中央部に穴を開けます。大黒本しめじとは違った手法が用いられていました。
キャップをして高圧殺菌釜で6時間殺菌。急速放冷を経て種菌を植え付けた後は約3カ月間培養されます。
気温15〜17度、湿度100%の環境下で約11日間芽出しが行われ、芽が出ると13日間かけて成長させます。
収穫後の包装作業は、ていねいに一つひとつ手作業で。冷蔵保管後保冷トラックでコールドチェーンを徹底。
近隣地域の環境保護の観点に立ち、間伐材を利用しての培地作りや、廃菌床のたい肥・飼料への有効利用など、地域貢献とともに、品質向上への努力を重ねて誕生したしめじ。
大黒本しめじは、旨み成分が豊富で歯ごたえたっぷり!和洋中問わず煮物・焼き物・汁物をはじめ、季節のお祝い膳にも華を添えます。
大粒丹波しめじは、煮込み料理やパスタ、焼き物や揚げ物にも適した大ぶりで食感のよさが特長です。
大切にお預かりし、お客様にお届けしてまいります。
タカラバイオ株式会社様、瑞穂農林株式会社様、ありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします!