提携産地レポート

宮崎県DJコウの産地リポート! 尾鈴編

皆さま、こんにちは! DJコウこと、商品部の甲将明です。今回は弊社に12月~5月頃まで供給いただいている冬の一大産地、宮崎県のJA尾鈴にうかがいました。

宮崎県のほぼ中央部に位置する川南町と都農町が管内、有数の農業地帯で東に日向灘、西に尾鈴山の霊峰を望み、里の幸・山の幸・海の幸が豊富な地域です。

主な栽培品目はトマト、キュウリ、ピーマン、ズッキーニ、ニラ、スイートコーン、きんかん、マンゴー、アールメロンなど多岐に渡り、切干大根などの加工品にも取り組まれています。

今回はトマトとミニトマト、キャベツの圃場を視察させていただきました。

九州産地は関東近在産地に比べて首都圏からは距離があるため、必然的に出荷から到着までの時間(リードタイム)が1日多くなってしまいます。

そのため、特に気温が高くなってくる春から初夏にかけては、着荷時の品質を落とさないことが重要な課題になります。尾鈴も例外ではなく、よりよい品質のもの、より美味しいものを求め、昨年から新たな品種も加え出荷を行っておられます。

とはいえ、新しい品種が土壌やその時期の気候、栽培方法に適合するかは、実際に栽培してみなければわかりません。

大玉トマト部会の永友部会長は「新しい品種は色回りが良くきれいな赤に色づきますが、通常は果実の先から赤くなるものが、ヘタの周りから着色が進みやすく、栽培を始めたころはよく落果してしまいました」と導入時の苦労を語っておられました。

JA職員の坂田さんとも今回、着荷時の品質状態について打ち合わせをさせていただきました。

今の時期はハウス内の温度が40~50℃に上がるため、側面のビニールを開けて換気をして温度調節をしていますが、開けたビニールの部分から直射日光を浴びたトマトは高温障害が発生してリコピンが生成不良をおこし、きれいな赤に色づきません。

そのため尾鈴ではトマトの色づきの観察を入念に行い、色がきちんと回り始めたトマトのみを選んで出荷するなど、日々試行錯誤を重ねてより良い品質を目指されています。

上の写真で熟度基準が「2~1分」のものを収穫し、4~3分まで色が回ったことを確認できた果実のみを出荷します。

下の写真は基準表の「2~1分」で収穫したトマト。トマトは収穫後にも赤色が増して追熟しますが、直射日光による高温障害を受けたトマトは時間を置いても赤くならないのです。

次にミニトマト部会会長の黒木博幸さんに、ミニトマトハウスを見せていただきました。 部会では3名の新規就農者の方が加わり、現在部会員は46名。

美味しさや安全・安心は当然のこととして、見た目の美しさにも重点を置き、部会全体で「お子さんや高齢者の方にも喜ばれるミニトマトを!」との思いで栽培されています。

ミニトマトのハウスも大玉トマトと同様に温度が高いため、高温障害が起きないよう遮光カーテンを下げて日陰をつくり、ハウス内の温度の上昇を抑える工夫をされていました。

今年は3月~4月に葉カビ病が発生してしまいました。昨今の気象にはトマトも勝てず、病害虫の被害を防いで高品質のトマトを生産するために、昨年から農薬を減らす「減農薬」の基準を解除をされました。

しかし実際には、今も変わらず農薬散布回数は極力少なく抑え、減農薬に取り組んでいたときと変わらず、より良い品質で味も良い、美味しいトマトを育てておられます。

 

次にキャベツ生産者、黒木信夫さんの圃場に伺いました。 

あれっと思った方もいるかもしれませんが、この辺りの地域には黒木さんという名前の方々が大勢おられます。他にも永友さんも多数いらっしゃいました。

キャベツは土壌の湿度が高いと根腐れが起こりやすいため、畝(うね)を高くつくり水はけを良くします。そして、この辺りの土壌は肥沃で窒素やカリウムを多く含むため、キャベツが栄養過多にならないよう肥料を調整します。

「結球するまでが大切!」と黒木さん。「キャベツは外葉20枚目くらいから、中心部の結球が始まります。よいキャベツをつくるには、光合成で栄養を送り込んでくれる外葉をいかに育てるかが大切。結球するまでが勝負なのです」

「栽培技術と玉のサイズが一致するのが一番大事!」というのも印象に残った言葉です。しっかりした栽培技術を持つことにより、お客様が望む規格・数量を計画的に出荷できるようになるのです。

そんななか農協指導員の安永さんと黒木さんで新しい品種のキャベツをカットし中身の葉数、食味を確認していました。

トマト・ミニトマトと同様に、キャベツももより美味しくより良い品質のものを試行錯誤されていました。

尾鈴では「いつも初めましての気持ちを込めて」一期一会の精神

一つ一つの農産物はその都度、お客様と出会う物。毎回同じ品質を保つには毎が回「初めまして」であり、その後はないとの覚悟で日々生産に臨むことをモットーにされています。

今回、お会いさせて戴いた生産者の方々は正にそのモットーに添い、日々生産に臨まれていました。来シーズンも美味しい野菜をお待ちしております。

九州の最新レポート