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青森県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ、ベジフルビューティーアドバイザーの欠畑(かけはた)睦子です。
国内出荷量の半数以上を占める青森県のにんにくは6月下旬から一斉に収穫作業が始まり、あたりはにんにくの強烈な臭いに包まれています。掘りたての生のニンニクはとてもジューシー!皆様のお手元に届けられる乾燥前の限られた美味しさは足を運んででも味わってもらいたい食材です。
青森のにんにくと言えば白くて大玉の「福地ホワイト六片」が有名ですが、1962年から福地ホワイト種の選抜・栽培・普及に取り組み、他産地をリードしてきたのが青森県田子(たっこ)町です。にんにくづくりに適した涼しい気候と降雪量に加え、痩せた火山灰土壌に盛んな畜産の堆肥を施し土づくりに励み、「一粒のにんにく」から町の産業を築き、文化を醸成してきました。
そこで、今回は新ニンニクが堪能できる収穫感謝祭を開催したばかりの青森県田子町へ。面積の約80%が山林、人口5,600人余りの自然豊かな小さな町で、秋田・岩手両県に接し、青森県の最南端に位置しています。2015年10月に「日本で最も美しい村」連合に加盟登録され、食・体験・農業を観光につなげようと、にんにくを核とした町づくりに取り組んでいます。
町内のあちらこちらに、にんにくをモチーフにした巨大オブジェや街灯、自動販売機などがありますよ。
ちなみに、このイメージキャラクター「田子王子」に加え、昨年品種登録されたばかりの「たっこ1号」とともに新キャラクター「美六姫(みろくひめ)」もまもなく誕生します。
田子町ガーリックセンターを訪ねました。田子町で大人気の地元の3大食材「たっこにんにく(2006年商標登録)・米・肉」を使い、2016年にデビューしたご当地グルメのにんにくフルコースランチ「田子ガーリックステーキごはん」略して「ガリステごはん」をご紹介します。
オリジナリティーあふれるコースメニューには「ガリステごはんの食べ方5か条」というものがあります。食前の説明どおり紹介します。まずはじめにウェルカムドリンクとして、にんにく入りコーラ「タッコーラ」。これをググッと一気に飲み干します。
つづいてお膳がでてきたら、まず前菜からいただきます。
前菜(右上)は9種類の創作にんにく料理で左奥から順番に食べます。
1.にんにくと枝豆の冷製スープ
2.にんにくと白菜のさっぱりキムチ
3.にんにくとごぼうの山の幸かき揚げ
4.赤パプリカときゅうりとにんにくのピンチョスサラダと人参ドレッシング
5.たっこ豚のにんにくテリーヌのにんにくジャム添え
6.にんにくとニラの一口チジミ
7.にんにく・大根・人参の紅白なます
8.スペイン風にんにく入りオムレツにんにく生キャラメル
と、驚くほど多彩なバリエーションです。このワンプレートに小1個分のにんにくが使用されています。
前菜が食べ終わったらメインのガーリックステーキ寿司(肉巻き寿司)と味噌汁を味わいます。フライ、にんにくの酢漬け付きです。ステーキの肉は、にんにくを食べて育った「たっこ豚」と大自然の中で育った希少な田子牛、植物性資料で育った低脂肪でビタミンEが豊富な鶏肉の3種類。ご飯は特別栽培米「ゆきこ」(品種あきたこまち)を使用し、シャリには黒にんにく・バジルにんにく・カレーにんにくがトッピングされ、焼いたお肉で巻いていただきます。
デザートは、にんにく入りガーリックアイス。
会計時にはにんにく臭い消しグミをいただきます。
このフルコースで約1個半のにんにくを食べました。キャッチフレーズは「にんにく料理、みんなで食べれば臭くない」。体力を消耗しがちな暑い夏にこそ食べてほしい料理です。
秋には「にんにくとべご(牛)祭り」。閏年の2月29日(にんにくの日)には4年に一度の「にんにく祭り」も開催されます。都内にもアンテナショップがあるので、ぜひお立ち寄りください。http://takko-antenna.tokyo/
まるで芸術作品!葉付きのまま手堀りしたにんにくを編みこんだ「あみにん」は故・尾形ちよさんの特許取得作品で、現在は娘の坂本慶子さんに受け継がれています。「キッチンに飾りたくなる!」と、お土産としても人気のようです。
土壌づくりと豊かな自然が生み出すにんにくの美味しさは糖度40度とフルーツを凌駕するほど高く、香りもよく、熱を通すとさらに際立ちます。
田子町に限らず青森では、にんにくを香辛料として使うだけでなく、大胆に丸ごと素揚げにして、お芋のようなほくほく感を楽しみます。水分の多い新にんにくは鱗片をこぼして食感を少し残すくらいに揚げるのがおすすめです。
にんにくはヒガンバナ科ネギ属の多年草で、古くから強壮作用をもつ薬用植物として食べられてきました。タンパク質も多く、香りのもとでであるアリシンは殺菌作用のほかビタミンB1と結びつくことで疲労回復効果が期待されます。この時期に漬けられる酢漬けや醤油漬けは農家独自の味付けで、古くなればなるほどまろやかな味わいを醸し出し、すりおろしたり刻んだりと調味料としても使われます。
すりおろして出汁と合わせたソースは肉料理に欠かせません。
蒸すことで香りも和らぐので、ラップに包み電子レンジで柔らかくなったにんにくを潰してりんごジュースと煮詰めたジャムは、ソースにしたり、パンやクラッカーにつけていただきます。そして、なんといっても新にんにくならではの香りが引き立つ生のすりおろしやスライスは、旬鰹のお刺身には定番の名脇役です。
掘りたてのにんにくは地元ならでは。ぜひ田子町へ足を運んで、にんにくの魅力を体感してくださいね!
青森県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ、ベジフルビューティーアドバイザーの欠畑睦子でした。