こんにちは。
山形県まつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ、アスリートフードマイスター3級、鐙谷貴子です。

私の地域の山形県鶴岡市にある出羽三山は、月山、羽黒山、湯殿山の総称で古くから修験道の霊場として知られています。そしてそこで受け継がれているのが「精進料理」です。では「精進料理」とはどんなお料理なのでしょうか？

出羽三山に参拝しようとする方はまずは手向（とうげ）地区の宿坊に宿泊して心身を浄め（きよめ）ます。そしてその時にふるまわれるのが「精進料理」なのです。この精進料理の一番の特徴は食材が山の恵みを受けた山菜、きのこ、そしてお米、野菜、果樹などです。そのありがたい恵を伝統の技法を使って調理されたのが精進料理です。それゆえ感謝していただく膳なのです。

その山々からいただく恵のお料理「精進料理」をご紹介します

「一の膳」
右上から時計回りで

• どんごい（いたどり）の炒め煮
• 赤こごみのずんだ和え
• 旬のわらび
• 干しぜんまいの煮つけ

山菜づくしです。どんごいは夏の間に収穫して塩漬けして保存したものを戻しています。また赤こごみは珍しい貴重な山菜です。

「二の膳」

• ふきの海苔包み
• 生うどの煮もの
• ふきの煮ものと高野豆腐
• 麩の煮もの

うどは生でしたのでほろ苦さが鼻に抜けます。

「三の膳」

• 白ごま豆腐の醤油あんかけ
• ナスのふきのとう味噌和え
• 栃の実のあんこ餅
• ミズのおひたし

これは一番大好きな物だらけのお膳。ごま豆腐はこの地域では自宅でも作りますが、贅沢なごまの香りが広がります。そしてお楽しみのデザートは栃の実のあんこ餅。コシのあるお餅と栃の実の香りあんことのバランスがたまりません。

他に山菜のコシアブラ、月山筍、アスパラガス、の天ぷらが別皿でつきました。贅沢な精進料理です。それぞれの宿坊で品数、内容などは違ってきますが、その山々からいただく恵のお料理「精進料理」にはぶれがありません。

現在は「精進料理」を通じて出羽三山の歴史、信仰、文化を広く国内外に伝える活動も行っています。またここ鶴岡市はユネスコ食文化創造都市として認定されていて、昨年のミラノ万博では「精進料理」を披露しました。

それでは出羽三山の中の羽黒山（標高414ｍ）のお話をしましょう。開山は1400年以前で隋神門からはじまる特別天然記念物の表参道杉並木が迎える全長1.7km、2446段の長い階段です。両脇には樹齢350年から500年の杉並木が続きます。山頂までは徒歩約60分。

その途中に国宝五重塔はあります。建立は平将門と伝えられています。日本で人気のパワースポットの場所としても人気です。

そして参道の途中にあるのが「爺杉（じじすぎ）」です。樹齢1000年といわれ、国の天然記念物に指定されています。爺杉の前ではいつも思うのが「何て自分はちっぽけなんだろう！」ここでもパワーを充電します。

美しい杉や自然に囲まれてひっそりと息づく神秘の山々、そして自然の恵みの「精進料理」に心身の浄めをして再生を誓います。これから緑が一層鮮やかな色を放ちます。どうぞお出かけになってはいかがでしょうか？

山形県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ、アスリートフードマイスター3級
鐙谷貴子でした。