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みなさんこんにちは!
高知県のまつのベジフルサポーター シニア野菜ソムリエ 食育マイスターの斉藤香織です。
突然ですが高知県は柑橘王国だって知っちょりますか〜?ユズなどの香酸柑橘類をはじめ色々なミカン類が採れます。
その中でも王様といえば『文旦』とっても爽やかな酸味がたまりません!そして文旦が終わると『小夏』が出てきます。 九州では日向夏、ニューサマーオレンジ というところもありますね。
グレープフルーツ大の文旦
手のひらサイズの小夏
実はこの二つの柑橘、切っても切れない関係なんです!
まずは四万十市の『渡辺農園』さんでの文旦受粉体験レポートからです。
さてこれはなんでしょうか?
中に入っているのはピンクに染めた花粉
止まりの良さそうな花を選び、タンポ(短穂、綿などを丸めたもの)で花粉を雌しべにつけていきます。花は落ちやすいので一つずつ丁寧に〜
着色してあるので、どの花につけたのか 一目でわかりますが、この作業は一回では終わりません。 日を変えて三回ほど繰り返されます。
そしてこの花粉ですが、実は文旦の花粉ではありません。なんと小夏の花粉なんですよ〜!文旦は自家不受精と言われていて、現在はこのように人工交配を行っています。
小夏の花粉集めも、大変手間のかかる作業です。開花寸前の蕾を選び、それを集めて脱葯機で花粉を採り、増量剤の石松子と合わせます。
時々雌しべが赤く染まってないのに、果実が膨らんできているものがみられます。これは文旦が自家受粉していたもの。しかしこのように自家受粉したものは、成長の過程で生理落果してしまうことが多いそうです。実止まりが悪いのですね。
『渡辺農園』さんは四万十市の竹島で主に文旦、そして小夏やゆずなどの柑橘を作っています。
園主の渡部一郎さんと奥様の訓子さんは有名なおしどり夫婦。二人は農業大学校の同級生で、卒業後、訓子さんは農水省に就職、一郎さんはJA職員を経て、竹島の地に果樹園を開きました。訓子さんが単身赴任で離れ離れの時期もありましたが、三年前に早期退職。今では毎日一緒〜二人の愛情がいっぱいなので、ここの果実は甘〜くておいしいのです。
しかし、とにかく毎日が忙しい〜剪定、花粉付け、摘果。そして文旦は「味と香りと見た目を楽しむもの」虫や病気から守るための消毒も欠かせません!お天気をにらみながらの作業「実が止まったらもう元には戻らない。日々プレッシャーがある」と一郎さんは話してくれました。
私は『渡辺農園』さんの文旦や小夏の大ファン!
今年は冬の寒波で小夏の一部が凍ってしまうという被害もありましたが味は本当に甘くてみずみずしくて美味しかったです。お天気との闘いは大変ですが、来年も楽しみに待っていますからね〜!
『渡辺農園』
高知県四万十市佐岡1120
0880-35-3860(tel/fax)