西条自然薯研究会のメンバー
左から白石幸二さん
白石充さん 高橋基雄さん
愛媛県西条市の西条自然薯研究会の会長高橋基雄さんは「一見、ナガイモと似ているけれど、風味や市場価値も大きな差があって、すりおろした時の粘りも4~5倍ある。その強い粘りから『粘り勝ち』や、ヘラですくいあげても『落ちない』など、縁起の良い食べ物なんよ」と話してくれました。
山鰻とも呼ばれるほど栄養価が高く、粘り成分には新陳代謝をあげたり、細胞の増殖機能を促す作用もあると言われ、食べ続けることによって基礎体力をあげるとも言われています。自然薯は地上部に長い蔓をはわせ、ハート形の葉が秋になると枯れはじめ、葉の付け根にムカゴと呼ばれる実を付けます。収穫時期は11月下旬から3月ごろまで。
栽培方法を聞くと、まず半分に切った雨どいのようなパイプを使用するそう。そこに砂を敷き詰め地中に埋めて、地上に等間隔に置いた種イモに土をかぶせ、根をパイプに誘引する。パイプに沿って成長させる仕組み。そうすると、まっすぐな自然薯ができます。掘り起こすにも作業がしやすいそう。種イモの周りには栄養が必要ですが、パイプの砂は栄養は入れません。そうすると真っ白で灰汁のない自然薯が育ちます。
収穫は注文が来てから1本づつ丁寧に傷がつかないように掘り起こします。大きさは1本0.7kgから1kgにも。西条自然薯研究会副会長の白石幸二さんは「売価を自分で決められるので、希少価値のある農作物を作りたいと思った」と自然薯を栽培しようと思ったきっかけを話してくれました。和歌山や茨城の産地を訪ねて、研究を重ねてきたそうです。
お歳暮や年賀の贈答品として人気で、年間5千本の出荷があり、1万本が目標。愛媛県のふるさと納税の謝礼品にもなり、人気を博しています。
美味しい食べ方をご紹介します。粘りが強いので、すりおろすと箸でもてるほどです。すりおろした自然薯をわさび醤油で食べても美味しいです。
写真は明太子を載せ浅葱をちらし、手作りのめんつゆをかけたもの。
もう一つは海苔に自然薯を塗るように広げます。オリーブオイルをフライパンに入れ自然薯の方から焼いていきます。手作りめんつゆをかけて味をしみこませると磯辺焼きのようになって乙ですよ。
ごはんのお供にお酒のおつまみにも人気です。
疲れたなと思ったら、この冬は自然薯で基礎体力をつけましょう。
愛媛県のまつのべジフルサポーター、シニア野菜ソムリエ、フードトレンドクリエーターのやのくにこでした。