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皆さまこんにちは。
滋賀県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、ベジフルビューティーアドバイザーの辻川育子です。
菜花がお店に並びだすと春が来たな~って感じませんか。滋賀県の甲賀市土山町の山あいの集落「鮎河(あゆかわ)」には、この地域で守られてきた伝統野菜「鮎河菜(あいがな)」という菜花があります。この春を告げる野菜「鮎河菜」を訪ねてまいりました。
(こちらの写真は2016年撮影)
今回圃場をご案内くださったお二人。農業組合法人すごいええのう鮎河顧問の小倉剛さん(右)と、生産者の黒河吉昭さんです。
鮎河菜は、9月に種をまき苗を育て、苗場から畑に移植をされます。
黒河さんは約8000本の苗を手作業で移植されます。腰は痛くなりなかなか大変な作業です。収穫までは約半年かかります。3月10日頃から4月10日頃までの限られた期間に収穫され、食べることができる鮎河菜。この辺りの冬は寒さが厳しく0度以下になることもあり、雪も積もりますが、この寒さと雪の適度な重みが鮎河菜の生育には必要で、甘さがグンと増します。
本来ならば、今頃は真ん中の主軸が伸びて、下の写真のようにとう立ちをする頃ですが、
今年は雪が例年よりも多くて寒さが長引いたため、まだこのように主軸が伸びておらず成育に遅れがでています。
主軸を収穫後、2番目3番目と脇芽も収穫していくのですが、今年は収穫も少なくなりそうとのことでした。もう一つの問題は獣害です。
これは鹿に食べられた跡です。
このように畑の周りには鹿よけに電気柵を巡らされていますが、風で倒れたりした間から入ってくるそうです。自然と生き物との闘いです。こちらの地名の鮎河(あゆかわ)を地域の方は「あいが」と呼びます。それは「逢鹿(あいが)」と呼ばれていたところからきているそうです。それくらい鹿も多い地域のようです。
この鮎河にある鯎川(うぐいがわ)岸の桜並木では、毎年「咲くや鮎河さくら祭り」が開催されます。川沿いの桜並木が本当に美しく、山あいの景色もすばらしいです。
こちらは初めて訪れた4年前の写真。とても感動したのを覚えています。このさくら祭りでは鮎河菜を使ったさまざまなお料理が販売されます。ここでしか味わえないお料理です!また、この地域は鈴鹿山系の水源で、良質の水で作られたお米も大変おいしく、そのお米で作られたお酒も販売されるので楽しみです。今年は4月8日(土)9日(日)の予定。(桜開花の遅れのため、15日(土)16日(日)に延期となりました。)ぜひこの機会にさくら祭りに出かけて美しい景色と美味しい鮎河菜を楽しんでくださいね。
以前訪れたさくら祭りでは、桜並木の裏側にはもう収穫終わりの鮎河菜のお花畑が広がり、とても美しい景色でした。その情景を思い出してこちらのお料理を考えてみました。
鮎河のさくら蒸し
お赤飯で鯛の身やゆり根などをつつみ 桜の葉の塩漬けでくるんで蒸して銀餡をかけました。鮎河菜とそのお花も添えて桜と鮎河菜を表現してみました。
鮎河菜は、とう立ちし始めた花芽・茎・葉・つぼみとすべて食べられます。
なかでも、太い茎の部分が特におすすめです。
生でも甘くて美味しいです!菜花なのに苦みやアクが感じられず、ブロッコリーのようなアスパラのような食感で、甘みがあってパクパクいただけます。スティックサラダ風にマヨネーズとフキノトウみそをつけて、茎からつぼみまで全部いただきました。
次は、塩漬けにして刻んでごはんに入れていただきました。ゴマ塩を少しふりかけて。
鮎河菜ごはん
鮎河菜炊き合わせ
鶏肉を治部煮にして、塩ゆでした鮎河菜と合わせた炊き合わせ。
辛しゴマ浸し
ピリッと効いたからしがお口直しにぴったりです。
桜エビや玉ねぎと合わせた天ぷらと一夜漬けを合わせて、鮎河菜づくしができました。
鮎河では各家庭で鮎河菜を作られていますが、JAに出されている生産者さんは黒河さんお1人だけ。近江の伝統野菜でもあるこの美味しい鮎河菜をなんとか継承していってほしいですし、私も精一杯応援したいと思います。
鮎河菜はJA甲賀の直売所「花野果市」(はなやかいち)、もしくは道の駅「あいの土山」で出会えるかもしれません。お近くにお寄りの際はぜひのぞいてみてくださいね。
JAグリーン花野果市
「道の駅」あいの土山
今年のお花見はぜひ「咲くや鮎河さくら祭り」へお越しください。滋賀県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロの辻川育子でした。