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みなさま、こんにちは!青森県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ、ベジフルビューティーアドバイザーの欠畑(かけはた)睦子です。
青森県の東南部に位置し、近隣の市町村とも合併することなく、人口一万人余りの農業の町「六戸」。小さいながらも暮らしやすく県内でも数少ない人口増加地域でもあります。
そんな六戸町の魅力ある地域資源や特産品を広く全国のみなさんに知ってもらいたい!とブランドの強化や新たな特産品の開発を目的に、平成26年「六戸ブランド研究会」が結成されました。野菜ソムリエコミュニティあおもりの仲間でもある米村知朗さんは県外から転入してきた会員の一人。
六戸町の滋味あふれる野菜に合う特別飼育の地鶏として「青森シャモロック ザ・プレミアム#6」が生まれました。その六戸の地鶏と相性抜群の美味しい野菜の普及に取り組もうと、精力的に広報活動がスタート、イベントも開催し、彼らの熱い想いが少しづつ形になってきています。
今回は六戸町が平成25年から栽培を始めた新顔野菜、青森県ではここ六戸町の4軒の農家でしか生産していない「行者菜」を紹介します。
これを見て気づかれたでしょうか?まつの幸せ野菜BOXにも入っていましたが、産地は山形でしたよね!実は山形県長井市が行者菜発祥の地なのです。生産農家4戸でつくる「ろくのへ行者菜研究会」(荒井潔会長)が山形県より苗の供給を受けて栽培を始め、翌年の平成26年から収穫を始めました。
行者菜は主に東北や北海道(網走)で栽培されており、全国行者菜研究会として、それぞれの産地と連携して情報交換を行い、行者菜の知名度アップをめざしています。
ところで「行者菜」ってどんな野菜でしょうか?
一見ニラのようですが、修行僧も食べたとされるネギの仲間で、希少な山菜「行者にんにく」を手軽に食べられるように開発された野菜です。「行者にんにく」はタネから成株になるまで5年以上を要し、収穫期間は1年のうちたった2週間ほど。なかなか手軽に食べることができないため、「行者にんにく」に漢方薬としても知られる「ニラ」を交配することで、収穫期間が長く栄養豊富な野菜として誕生しました。
(山形県長井市行者菜生産グループリーフレットより)
根元部分は行者にんにくに近く、穂先に行くほどニラの味と言われていますが、口臭を気にすることなく食べられるとあり人気が高まってきています。強い香りは病害虫を寄せにくく、ほとんど農薬も使わず追肥ベースで栽培でき、設備投資もさほどかからず、栽培に取り組みやすい野菜とのことです。
先日、目揃い会というものに初めて参加させていただきました。中央青果担当者と4軒の生産者および関係者が集まり、生育状況や良品選定のための出荷基準の確認を行いました。消費拡大と品質の良い出荷が期待されます。
JGAP指導員でもあるJAおいらせの小笠原英幸さん。生産を始めて4年目の沢目麻利子さんをご紹介いただきました。
新鮮さを保つため、朝5時から収穫したという行者菜の出荷作業を見せていただきました。収穫したての茎の切れ目は滴るほどみずみずしいです。
目揃い会での基準に合わせて、一つ一つ手で薄皮を剥がしていきます。とても手間がかかる作業です。
重さを量り、太さと長さを揃え、テープで止めます。
そして、袋詰めをして出荷されます。
行者菜は風に弱くて雨で傷みやすいため、収穫時期にあわせ、天候を見ながら、部分的に遮光幕やテントをかけます。防風に努めたり、水滴を払ったりと、促成栽培で安定した出荷ができるよう調整します。
5月中旬から9月中旬まで、株の寿命を縮めないよう、無理なく3回収穫の予定です。
県内のスーパーにも並び始めました。もちろん、ここ六戸みちの駅、メイプルふれあいセンターにもありました。
加工された「行者菜みそ」は温かいご飯によくあいます。
行者菜は硫化アリルがたっぷり含まれているため、ビタミンB1の吸収を高め、糖の分解を促進し、疲労回復・滋養強壮効果や生活習慣病予防が期待されます。冷え性の緩和や整腸作用、風邪予防にもなりますね。フィトケミカルといわれる香りや色(緑はクロロフィル)の成分は抗酸化作用もあり、美容効果、がん予防にもいいとされています。
パッケージに書かれているとおり、生で食べても、漬けても、揚げても、煮ても、茹でても、炒めても…と幅広く活用できます。私も一通り作って食べてみました。こちらは天ぷらです。
沢目さんのおすすめは、豚挽き肉と行者菜3:1と塩コショウ少々だけのシンプルな餃子。それを隣町で生産されているじゅね油で焼いて、ラー油とお酢だけでいただきました。お花のようなやさしい香りがして、一口食べて行者菜のファンになりました。
洋風にもチャレンジしてみました。熱を加えると甘さが増すため、オリーブオイルたっぷりで炒め、しょう油を少々。ブレンダーにかけてソースにしてもいいですね!お肉もいいのですが、私はボイルした青森県産シーフードの鱈・ベビーほたてと、海老にそのままかけていただきました。
意外!と思われるかもしれませんが、バターで炒めた行者菜をコンソメスープ、牛乳と一緒にブレンドし、塩こしょうで味を整えるだけの簡単なポタージュはいかがですか?ホットはもちろん冷製スープとしていただいても、薬膳効果でからだを冷やしません。
この行者菜の独特の香りは、実際に食べてみないとわかっていただけないですよね。スタミナ野菜の需要が高まる中、沢目さんは「多くの人に六戸町の行者菜を知って食べてもらいたい!」と話していました。9月中旬まで出回りますが、一番目の収穫の今の時期が、葉が柔らかくて香りも良いようです。みなさま、新顔野菜の「行者菜」どのようにいただきますか?ぜひ一度召し上がってみてください!
【ろくのへ行者菜】の詳細はこちら
→http://www.umai-aomori.jp
青森県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエ、ベジフルビューティーアドバイザーの欠畑睦子でした。