みなさま、こんにちは。和歌山県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、チーズプロフェッショナルの井上宣子（いのうえ のりこ）です。今回は和歌山市で100%太陽光を利用した工場を運営するNKアグリ株式会社様へ。野菜ブランド「AQUA」シリーズの中から、これからますます美味しい時期を迎えるレタスをご紹介します。

到着するとまず目に飛び込んでくるのが、整然と建ち並ぶ大きな野菜工場のハウス。和歌山市内でも少し小高い土地の上に位置し、雑草を食べてもらうため、工場の周りには山羊がいます。この山羊による除草は燃料を使わず、取り除いた草をゴミにする必要もなく、環境に優しい取り組みをされています。

2009年からスタートしたこの工場の一番の特徴は、100%太陽光を利用して野菜を栽培していることです。野菜工場といっても昼夜管理する中でLED等のライトを使ったものもありますが、NKアグリでは太陽の光（自然の恵）を大切に利用しながら、安全・安心な野菜の栽培に取り組んでいます。

太陽光を100%利用するとなると、天候や気候に左右されてしまうのでは？でも、自然の力ベースな部分をそのままに、徹底した栽培管理（水質管理・養液管理など）によるデータに基づいて、太陽光の変化にきっちり対応しながら、安定した生産を実現されています。

衛生服と帽子、手袋を身につけ、手洗い、消毒、エアーシャワーを終えて、徹底した衛生管理の後に工場の中に入ると…そこには一面にレタスのきれいで鮮やかな色が広がっていました！

「AQUA」シリーズの「AQUA」とは「水」を意味する言葉で、こちらの工場のもう一つの特徴は土を使わない水耕栽培で生産しているということ。栽培時は農薬を使わないため、虫をレタスに近づけないないよう、虫除け専用テープ（黄色いテープ）を至るところに設置しています。きちんと虫を除去しているので、土や虫がついていないというのも「AQUA」シリーズの魅力の一つであり、消費者から人気の理由です。

生産工程ではまず、専用パレットに種床を詰めて、自動種まき機で種床に種をまき、発芽庫で庫内温度を一定に保って管理します。

発芽後はハウス内の温度を一定に保ち、苗を育てます。生育した苗に傷がつかないよう、優しく丁寧に手作業で大き目のパレットに定植していきます。
 
日射量に合わせてデータ管理されたハウスの中、温度、水温、養液の管理もきっちり行いながら、レタスの株を育てていきます。パレットは水に浮いていて、生育状況に応じて上流から下流へとスライドしていくそうです。

100%太陽光利用のこの野菜工場では、通常カットしておく紫外線をカットせずにそのまま利用しています。野菜に紫外線を当てることで適度なストレスを与え、身を守るために栄養をためるよう促しているそう。寒締めほうれん草がおいしくなる、あの原理と同じですね。

季節によって変動はありますが、発芽後約40日～60日で収穫。収穫には専用の収穫かごと専用のハサミを使います。ハサミは毎日洗浄・除菌をしており、ここでも徹底した衛生管理を心がけています。また、ここまでのすべての工程はロット番号で管理されています。

収穫した後、各商品毎に定められた規格、重量と長さを確認し、一つ一つ異物の混入がないかどうかを目視確認したあと、順次個別包装をしていきます。なんと今年4月からNKアグリの野菜ブランドを「AQUA」シリーズとしてリニューアルされたばかりとのこと。今注目の商品です。消費者の方々の生の声を集め、その結果、食感や色を商品名に追加することによって、好みの商品を選択しやすくなるように工夫されています。

【人気NO.1の「しゃきしゃきフリル」】
葉先がリボンのようになっており、芯を1カットするだけで、お皿に盛り付けることができる手軽さも人気の秘訣。その名の通り、しゃきしゃきした食感も特徴です。

【やわらかルビー】
太陽光ならではの鮮やかなルビー色と赤く丸みを帯びた葉が特徴のやわらかルビーは、やわらかなふわっとした食感で苦みが少なく、サラダの彩りにもぴったりです。

【いろどりレタスミックス】
しゃきしゃきフリルとやわらかルビーが一袋の中に一緒に入っているレタスミックス。この一袋で彩り鮮やかなサラダが簡単にできる嬉しいセットです。

【アメ玉レタス】
リーフレタスを両サイドで縛り飴玉風のかわいらしい包装と食べやすさが人気。野菜嫌いな子供でも見た目から興味を持ってもらえることを願って生まれた商品だそうです。

いろいろなパッケージで準備されたレタスたちは集めて並べると華やかになります。

このように個別包装後に検品を済ませ、レタスたちは梱包されます。梱包に使われる箱は、レタスへの負担を最小限にすることを考え、深さのある縦長のボックスに入れていきます。

出荷の前には必ず5度に設定された保管庫で24時間保管されます。5度とはレタスの呼吸を止めて、劣化を防ぐことのできる休眠温度だそう。保管後も同様に5度に温度管理をされ、鮮度の良い状態を保持しながら、専用便で各地へ出荷されていき、私たちの手元に届くそうです。これこそコールドチェーンですね。

100%太陽光を利用した水耕栽培の野菜工場で育つレタスは、えぐみが少なく、やわらかでシャキシャキ！農薬は必要最低限を心がけ、安全・安心な工場野菜を1日に約7000パック出荷しています。毎日天候に関係なく安定供給されるNKアグリの「AQUAシリーズ～カラダが恋する野菜～」は、今日も自然の恵みを全国に届けてくれています。

和歌山県のまつのベジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、チーズプロフェッショナルの井上宣子がお伝えいたしました。

【取材協力:NKアグリ株式会社】和歌山市梅原579-1
2009年、「人々が健やかな暮らしを育むための食を提供する」ことを目指して設立（親会社はノーリツ鋼機株式会社）。野菜工場の運営と機能性野菜の研究・生産・販売に力を入れている。
http://www.nk-agri.co.jp/