まつのベジタブルガーデン

福井県マルセイユメロンはチョコレートの香り?!

まつのベジフルサポーターレポート

皆さん、こんにちは。
福井県のまつのべジフルサポーター、野菜ソムリエプロ、だしソムリエ協会認定講師の水嶋昭代です。
今回は、福井県の北部、あわら市北潟でメロンやすいかなどを中心に育てている長田農園さんを訪ねてきました。現在、マルセイメロンの出荷が最盛期を迎えています。

マルセイユメロンは、バスケットボールを思わせるような縞と網目の模様が特徴の外観。

果肉は、ねっとりとした甘味があり、美しいオレンジ色をしています。糖度は、16度くらいあるそうです。

マルセイユメロンは、定植してから、本葉3枚を残して摘果し、これ以降は芽欠き、芽摘みなどの整枝を一切行う必要ありません。つる割病への抵抗性があり、うどんこ病にも強いことから、接ぎ木をする必要がなく、育てやすい品種と言われています。(商品情報 サカタのタネ)10数年前、この地域で栽培が始められ、この土地の風土に合った栽培方法が確立されました。マルセイユメロンは、全国的にも、あまり栽培されていない品種です。

福井では、JA花咲ふくいのブランド「花咲紅姫」と、JA丹南のブランド「さばえ夢てまり」が、6月初旬から約1か月間出荷されます。県内のスーパーや直売所では、店頭に並ぶとすぐに売り切れてしまうほど人気のメロンです。

マルセイユメロンの花

収穫を待つマルセイユメロン。傷がつかないように、マットを敷きます。

1本の木からは5~6個のマルセイユメロンが収穫されます。他の種類のメロンが甘い香りで収穫の判断をするのに対し、マルセイユメロンは、軸の亀裂や離層があるかで判断、収穫します。あえて香りで判断するなら、メロンのお尻の方からチョコレートのような香りがしたときが採り時とのことです。持ち帰ったマルセイユメロンのお尻の方を嗅いでみたら、確かにチョコレートのような香りがしました。

長田農園さんではこの時期、 根強い人気の青肉系「プリンスメロン」

リピーターさんにのみの出荷という希少品種 青肉系「アリスメロン」

青肉系の「アンデスメロン」

他にも「アールメロン」と「小玉すいか」「大玉すいか」の生産をご家族皆さんで取り組まれています。
長田農園さんの農業の基本は、「健全な土つくり」にあるという想いから農薬をできる限り使わず、環境に優しい緑肥を使って育てています。

田畑で育てた植物を鋤き込む緑肥は、微生物を守るため害虫が減り、土を消毒することなく作物を作ることができます。メロンの収穫が終わると、緑肥の種が蒔かれ、来季に向けての土づくりが始まります。

また、長田農園さんは、就農新規希望者の里親制度に昔から取り組まれていて多くのⅠターン、Uターンの人たちを受け入れてこられました。 新規に農業をしたいと思っていても、里親農家さんの紹介や保証がなければ、農地や住居を借りることが出来ません。 この地域ならではの里親制度で、数多くの人が就農してきました。実は、この地域で農業をしている私の義兄も20数年前、里親制度で長田農園さんにお世話になりました。

この取材で、お話をお聞きした奥様の長田奈津子さんも東京出身ですが、里親制度で長田農園さんに来られたことがきっかけで、ご主人の耕治さんとご結婚されたそうです。 長田農園さんの次世代を担う農業従事者を支援していくという姿勢は、県などの支援事業がある今も変わらず、研修生の受け入れを続けられています。

とても仲の良い長田耕治さん、奈津子さんご夫妻

研修生のためにと奈津子さんがほぼ毎日投稿されている長田農園さんのFacebookページには、日々の野菜や果物の栽培の状況が詳しく書かれ、農業に対する真摯な姿勢と育てている野菜や果物、あわらという土地への愛情が伝わってきます。ぜひ、ご覧になってください。

メロンは、ウリ科キュウリ属に属し、原産は、東アフリカ、中近東。果肉の色によって、アールスメロンなどの「青肉系」クインシーメロンやマルセイユメロンなどの「赤肉系」ハネデューメロンなどの「白肉系」に分かれます。また、表面の網目の有無で「ネット系」「ノーネット系」に分かれます。
ネット系の網目は、均等にくっきりと出ているものが良品と言われています。

栄養成分としては、塩分の排出を助けるカリウムが豊富で、高血圧や動脈硬化の予防に効果があるといわれています。また、赤肉系は、βカロテンが含まれており、抗酸化作用があり、老化防止やがん予防に効果が期待できます。 メロンは、そのまま食べても美味しいですが、生ハムなどとの相性もよく、オードブルの一品にしても美味しいです。

クラッカーにレタスと生ハム、マルセイユメロン。甘いメロンと生ハム、クラッカーのしょっぱさが絶妙です。

ミルクゼリーにマルセイユメロンと桑の実、アメリカンチェリーをトッピング。
 
マルセイユメロンとえんどう豆の冷製パスタ


マルセイユメロンのシャーベット
  
福井県のまつのべジフルサポーター 野菜ソムリエプロ、だしソムリエ協会認定講師の水嶋昭代でした。

福井県の記事